

私達は国家資格を取得しており、実際の現場で学んできています。
ですので、信憑性や信頼性は間違いありません。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して欲しいと思います。
で、一番伝えたい事は、【この記事の内容が絶対正しい!!】とは思わないでください。
という事です。
記事の内容は自信を持って提供していますが、医療の世界は個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
ですので、一つの理学療法士の考えである。と捉えて欲しいです。
この記事があなたの役に立てばうれしいです。
では、宜しくお願いいたします。
目次
1 認知症の主な4つの症状を紹介
では、認知症の主な4つの症状を紹介していきます。
1-1 記憶障害(きおくしょうがい)
「物忘れ」と表現されることが多く、記憶の障害が起こります。
しかし、物忘れと記憶障害は解釈が違います。
年をとれば、多かれ少なかれ物忘れは生じますが、認知症の症状としての記憶障害は、脳機能に障害を生じてしまっている状態を指します。
記憶障害の主なものには「健忘(けんぼう)」というのがあります。
健忘とは、出来事の記憶が障害される事です。
出来事の記憶とは、「去年ハワイに行った」「今日の朝食はパンだった」「5分位前にトイレに行った」などの実際に行った行動の事です。
この行動、自体を覚えていなかったり、忘れている、思い出せない事を指します。
つまり、実際に行った行動自体がわからなくなってしまうのです。
で、健忘には、認知症発症前のことを思い出せない「逆行性健忘(ぎゃっこうせいけんぼう)」と、発症後のことが覚えられない「前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)」があります。
特にアルツハイマー型認知症では、前向性健忘が早期から現れやすいと言われています。
1-2 見当識障害(けんとうしきしょうがい)
これは、場所、時間、人の認知にかかわる障害です。
自分がいる場所がわからない、時間がわからない、人が誰なのかわからないなどの症状が出現します。
1-3 失認・失語・失行(しつにん・しつご・しっこう)
これら、三つについて説明していきたいと思います。
① 失認(しつにん)
失認とは、認識する事自体がわからなくなってしまう事です。
いくつか例を挙げてみましょう。
- 音が聞こえるのに、それが何の音かがわからなくなる
- 絵を模写すると、半分無視して描いてしまう
- 図形が顔に見える
- バックでの駐車が下手になる
など、動作や行為を認識できなくなってしまいます。
② 失語(しつご)
言語にかかわる障害です。
読み書き、発話、言葉の理解、復唱などが難しくなります。
言葉をだせない。
ご自身では、言葉を出したい、話したいと思っているのですが、声に出せない、言葉にできなくなってしまうのです。
③ 失行(しっこう)
失行は行動に関する障害です。
動きたいのに、どのようにして動けばよいのかわからない。
歩きたいのに、歩き方がわからなくなってしまう。
などの事を指します。
運動麻痺が無いのに、手や指をうまく動かすことができなくなったり、今まで使っていた道具を使うことができなくなったりします。
1-4 実行機能障害(じっこうきのうしょうがい)
遂行機能障害(すいこうきのうしょうがい)と呼ばれることもあります。(まぁ、どちらも同じですね)
何かを行う場合、目的を達成するために計画を立てて実行しますが、認知症ではこれが難しくなってしまいます。
家事や仕事がうまく行えないなどの症状が出現します。
1-5 その他
今説明した上記の4つは中核症状といいます。
それ以外に周辺症状というのがあって、これも同時に生じることも少なくありません。
で、主な周辺症状をご紹介します。
- 暴言や暴力
- 徘徊
- 興奮
- 幻覚(幻聴や幻視)
- 妄想(嫉妬妄想など)
- 昼夜逆転
- 不安やうつ状態
- 意欲の低下
- 異食、過食など
これらの事を周辺症状といいます。
全て発症するわけではありませんが、これらの影響が出てくる事が言えます。
中核症状と周辺症状も同時並行する可能性があるので、実際にどのような症状が混ざっているのか。
もしくは、どのような症状であるのか?
を見極めるのは必要でしょう。
2 認知症を起こす、代表的な病気について。
ここでは、認知症を生じる代表的な病気についてご紹介します。
2-1 アルツハイマー型認知症
アルツハイマー病によって引き起こされる認知症です。
脳内に凝集体(アミロイド斑)、神経原線維変化を生じます。
また、神経細胞の間の連結が消失していくことも特徴です。
通常、ゆっくりと進行すると言われています。
その結果、早期では症状はほとんど出てこず、中期で軽度の認知障害が出現してきます。
その後、症状が進行しアルツハイマー型認知症となってしまう傾向が多いです。
だいたいアルツハイマー病は、高齢で発症する事が多いのですが、一部は若年性アルツハイマー病として早期に発症することもあります。
最近では、少しづつ増えてきており、若年性アルツハイマー病のほとんどは、家族性であると言われています。
2-2 脳血管性認知症
脳血管性認知症は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などのいわゆる脳血管障害によって生じます。
脳血管障害では、片麻痺などの運動麻痺を生じることが多いのですが、梗塞や出血の場所によっては、認知面の障害を起こすことがあります。
脳血管障害においては、高次脳機能障害と呼ばれることが多いですが、失認、失語、失行など、認知症の症状を呈します。
認知機能が低下している部分と、保たれている部分がある「まだら認知症」の症状を呈することも少なくありません。
- 記憶はあるけど、行動できなかったり、表現することができない
- 話す事はできるけど、何を話しているかわからない、言葉を上手に話せないなど
など、まだらに症状が出現してしまう事もあります。
急激に発症した脳血管障害の場合であれば、その時点から認知症状が出現します。
しかし、小さな脳梗塞を繰り返す場合では、徐々に症状が進行していくように見えることもあります。
2-3 レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、レビー小体という蛋白が脳に形成されることで生じます。
しかし、レビー小体は脳だけでなく全身のあらゆるところに形成され、様々な症状を起こす全身病(レビー小体病)です。
したがって、認知症状以外の症状(失神、血圧や食欲の変動、尿失禁、バランス障害、レム睡眠行動異常など)が先行することもあるため、注意が必要になります。
手足のふるえ、動作緩慢、固縮(筋肉のこわばり)などの症状(パーキンソニズム)、幻視、意識の動揺などが特徴です(すべての症状がすべて出ない場合もあります)。
2-4 前頭側頭型認知症(ぜんとうそくとうがたにんちしょう)
前頭側頭型認知症は、前頭葉と側頭葉を中心とする神経細胞の変性などによって生じます。
病理学的に診断されるものとして、前頭側頭葉変性症があります。
臨床的には前頭側頭型認知症という診断名が使用されることもあるようです。
症状としては、社会性の欠如(ルールを守れないなど)、暴力行為などの行動異常、言語の障害、無関心、意欲減退などを生じることがあります。
症状によっては、性格が変わったなどと解釈されて、認知症と気づかれにくい場合もありますので、注意が必要です。
2-5 その他
- 頭部外傷(脳挫傷など)
- 脳腫瘍(のうしゅよう)
- プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病など)
- 脳炎
- 正常圧水頭症
- アルコール脳症
- 甲状腺機能低下症
など様々な病気が、認知障害の原因ともなり得ます。
3 『あれ、もしかしたら、認知症かも・・』と思った時にとるべき行動について
認知症は、症状がすべて同じではありません。
記憶が保たれているから認知症ではないだろうと判断するのは間違いです。
料理の味付けが変わったことや、少し怒りっぽくなったことが認知症の始まりのこともあるわけです。
したがって、行動や性格の変化などに注意して、わずかな変化も気に留めておくようにしてください。
異常を感じたら、その時の状況、症状について記録しておくといいでしょう。
のちの受診時に医師に正確に症状を伝える役割にもなります。
失敗などを繰り返し、異常を感じると思いますが、叱ったり、否定したりせず見守るのがいいいでしょう。
また、症状が続き、認知症が疑われるようになれば、できるだけ早めに受診することが大切です。
本人には自覚がない場合も多いので、受診を促す際は拒否されないような促しが必要になるかもしれません。
残念ながら、現在の医療では、認知症の予防など、明確な情報はありません。
なので、できる事としたら、認知症への危険性がある。
という行動をしない事です。
※考えるクセをつけたり、脳機能を良く使う事をするしかありません。
なので、認知症に効果的である。と言われている事をするしかないと言えるでしょう。
4 病院で診察を受ける場合の診療科は?
認知症の診察を受ける場合の診療科としては、神経内科、精神科、脳神経外科などがあります。
最近では、認知症に特化した認知症外来などをしている施設もあります。
きっと、専門的な診断や治療を受けることができるでしょう。
しかし、これらの診療科がかかりつけであることは少ないでしょう。
なので、家族が症状に気づいて診察を促す場合、かかりつけでない神経内科や精神科を受診することに抵抗を示すこともあるかもしれません。
そのような場合は、かかりつけの内科の医師、整形外科の医師などに相談してみましょう。
かかりつけ医が診察を行ったうえで紹介状を作成し、専門医の診察を受けるように促すことも可能なので。
5 認知症は本人にとっては幸せかもしれない。という考え

認知症の方とは、数多く接する機会がありました。
そのようなことから、認知症の様々な症状を感じることができました。
その中で、記憶障害は比較的多くの方に共通した症状であるという印象を受けます。
しかし、その他の症状においては、大きなばらつきがあることも体験しました。
いつもにこにこと笑っている多幸的な方、いつも苦痛を感じ暴力的な方…など。
脳の障害によって起こる認知症ですので、どのような症状が出ても不思議ではありません。
ですが、何かしらその方の人格や生き方、ご家族の影響などを受けて、症状が変化することも実感しています。
自分自身のことを考えた時、多幸的にはなれないだろうなと思ってしまうのが辛いですね。
私の母は、長期にわたる神経症症状(自律神経障害など)の後、老年期にレビー小体型認知症と診断を受けました。
確かにそのころから幻視などの症状が出ていましたから、そのような診断となったのでしょう。
今思えば、動悸などの訴えは早くからあったので、もしかすると、若いころにレビー小体病が発病していたのかもしれません。
今となっては分かりようもありませんが、その可能性を否定することはできませんよね・・。
病気にもよりますが、認知症の症状とは長年にわたって向き合っていく必要があります。
数十年の間、症状をかかえていく本人とその家族が、幸せであるか不幸せであるかなんて簡単に言えるものではないと思います。
ただ、認知症の症状が、死への恐怖をなくしてくれていたのなら、それはそれでよかったのかなとも思います。
認知症の方にとって、ご家族のかかわりは大きな力となります。
幸せを生む力として、常に考えて欲しいなと願います。
6 まとめ
今回は、認知症の症状についてお伝えしました。
認知症は、主に脳の疾患が原因となって生じる認知の障害です。
したがって、原因となる疾患によって、症状が変わってきます。
認知症では、記憶障害、失語、失認、失行、見当識障害などの中核症状を主として、その他、徘徊、暴力行為、妄想、異食などの周辺症状が生じることもあります。
また、認知症においては、早期からの対策が必要です。
少しでも、あれ、認知症かもしれないな・・・・と思ったら、できるだけ早く診察を受けましょう。
そして、家族がフォローをしながら見守っていくのが大切でしょう。
介護をする側(家族など)の身体を大切にしながら、支える形で見守っていくのがいいと思います。
そうすれば、家族としても、暖かい目でみれるのではないでしょうか。
今回の話が少しでも参考になれば嬉しいです。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林

認知症の人に、こちらの考えを伝えても、伝わらない事ってぶっちゃけ多いと思うんです。
だって、脳に障害が生じているので、何を言っても、伝わりませんよね!?
(もちろん、認知症をバカにしているとかではないくてですね。)
認知症で、記憶障害や失行、失認などがあれば、こちらの指導内容や考えは理解してもらう事が難しいですよね。
って事です。
なので、何が言いたいのかというと、認知症の人をコントロールしよう。
とか、認知症の人に完璧を求めるのは難しい。
のではないか・・・・。
という事です。
で、伝えたい事は、話が伝わらないとか、理解してもらえないからといって、我々がイライラしないようにしようね。
って事です。
こんな感じで想っていただけたらいいなあと。
今回の内容も少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までありがとうございました。


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mamotteライターで理学療法士のイワモトです。
認知症の症状には主に4つあります。
その中でも、記憶障害というものが、よく起こるし、聞いた事があるのではないでしょうか。
これは、中核症状と呼ばれることもあります。
また、それ以外にも、本人の身体や心理的な要因に影響されて生じる、周辺症状(BPSD)といった物も生じることがあります。
という事で、今回は、【認知症の主な4つの症状】というテーマでお伝えします。
この記事を読めば、
◎ 認知症の主な4つの症状を理解できて、認知症についての理解を深める事ができる
といったメリットがあります。
是非、最後まで読んで、参考にしてください。
では、本日もよろしくお願いいたします。