内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
では、宜しくお願いいたします。

目次
1 骨折の治療を早めるためには?
ここでは、骨折の治療を早めるためのポイントについて話していきます。
1-1 骨折が治る過程について
骨折が治るまでにはある一定のプロセスがあります。
以下にご紹介します。
炎症期 |
|
↓ |
|
修復期 |
|
↓ |
|
再造形期 |
|
参考: 「標準整形外科学」医学書院

脛骨骨折(けいこつ:すねの骨)の例(保存的療法)
出典:日本骨折治療学会
通常、修復期の完了(骨折から6~8週)をもって、骨がつながったとされます。
レントゲン写真では仮骨の部分は白くモヤモヤとしたものとして映ります。
再造形期では少し曲がって癒合したものがまっすぐになったり、膨らんでいた部分が元に戻ったりします。
小児においてこの作用は強いです(ねじれて癒合したものは元通りにはなりません)。
骨折は治る過程があるので、早く治す為の裏技は存在しません。
なので、基本通りに行うべきであって。
固定・適度な安静・適度な運動の3つのバランスを適切に行っていく事が必要だといえます。
そうする事で、自然と骨折した部位は治っていきます。
1-2 骨折は早く治せるのか?
修復期までの期間は骨によって、また同じ骨でも骨折した部位によっても違いますが、平均して8週前後です(つながりにくい部位では12週ほどかかる場合もあります)。
つながるスピードは小児において骨癒合(こつゆごう:骨がつながる)が早い特徴があります。
成人後の骨折は小児の骨折のように早く骨癒合しませんし、大幅にスピードを上げることはできません。
できるだけ早く骨癒合させるための一般的な条件は、
- 骨折部位をしっかりと固定すること(手術による固定が確実)
- 固定した後も骨折部位にせん断応力(折れるような力)がかからないようにすること
上記の2点が大切で、これが確実であれば通常最短で骨癒合します。
栄養や睡眠等も、もちろん必要ですが、カルシウムを必要以上に摂取したからといっても癒合期間が短くはなりませんので、バランスの取れた食事を摂るようにしましょう。
普段の食事でカルシウムの摂取が少ない人は、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、干しエビ、木綿豆腐、ヒジキなどを摂ると良いでしょう。
成人1日700㎎摂取すれば十分です。
参考: e‐ヘルスネット

という説もあるので、あまり気にする必要はないのかなぁと思います。
というのも、牛乳やヨーグルト製品は体に害を及ぼす。という説を唱えている専門家や医師もいます。
ですので、現代に言われているように、牛乳やヨーグルトでカルシウムが取れる。
とは思わなくても良いのかなぁ。と思う次第です。
だって、牛乳のんで、カルシウムの数値が上がった。という人って実際に見た事あるでしょうか・・・・?
んん・・・・どうでしょうかね。
と個人的には思う所であります。
また、骨の生成に活性化ビタミンD3が必要とされています。
イワシ、サケなどの魚介類やキノコ類も摂りたい食材です。
人体では紫外線によって、コレステロールから活性化ビタミンD3が生成されますので、日光浴をするのも良いとされています。
ただし直射日光を長時間浴びる必要はなく、明るい窓際などで間接的に日光を皮膚に当てることでも良いといわれています。
冬は紫外線量が少なくなるので直射日光でも30分程度必要になります(地域、時間帯で異なります)。
主に女性の方の日焼け止めが不利になることも考えられますので、骨癒合期間は日焼け止めを使用しない時間を設けると良いでしょう。
ビタミンD3生成に必要な日光照射時間 |
||||||
7月 |
12月 | |||||
9時 |
12時 |
15時 | 9時 | 12時 | 15時 | |
札幌 |
7.4分 |
4.6分 | 13.3分 | 497.4分 | 76.4分 | 2741.7分 |
つくば |
5.9分 | 3.5分 | 10.1分 | 106.0分 | 22.4分 | 271.3分 |
那覇 |
8.8分 | 2.9分 | 5.3分 | 78.0分 | 7.5分 | 17.0分 |
出典:国立開発研究所
1-3 骨折に有効な治療方法とは?
骨折部位を確実に固定するため、手術による治療が有効と考えられます(わずかなヒビが入ったような骨折ではほぼ必要ありません)。
保存的療法では固定が不十分な場合があり、骨癒合にはやや不利となります。

出典:日本骨折治療学会
また、骨癒合を促進する装置も開発され使用されています。
日本で利用できるものは電磁波電気治療法、超音波療法があります(現代の主流は超音波です)。
骨折部位に対して物理的刺激を与えて骨癒合を促進するというものです。
プロスポーツ選手の使用で有名になりました。
2 超音波が骨折治療には効果がある。という話
近年、超音波が骨癒合を促進するとして、日本でも難治性骨折(骨が癒合しにくい骨折)に対して保険が適用され、使用されています。
治癒期間が40%程度早まるというのが売りです。
一定の効果があって治療用として認可されているものですが、その効果に疑問符をつけるような研究結果もあります。
BMJ(イギリス医師会ジャーナル)に掲載された、北アメリカでの研究結果をご紹介します。
脛骨骨折(髄内釘固定術後)の患者481名に対して行った研究です。
患者の半数に正常に動作するLIPUS(低出力超音波パルス)装置(海外製)、残りの半数には外見上は同じですが、超音波の出ない偽装置を渡して同じように使用させました(1日20分)。
その結果両者の間に効果の差がなかったということです。
偽装置にプラセボ効果(偽薬効果)があったのでしょうか?
興味深い結果ですよね。
なので、超音波が骨折に効果的であるのかどうか・・・はわからない。
というのが、現段階では、正しい解釈でしょう。
良くなるなぁと感じれば、使用すればよいと思います。
参考:メディカルオンライン
参考:https://www.bmj.com/content/bmj/355/bmj.i5351.full.pdf
3 年齢によって、多発する骨折が違う
骨折は年齢によって、骨折部位に特徴があるのと、小・中・高の学生や高齢者に多くみられます。
子供では遊びやスポーツの中での骨折、高齢者では転倒による骨折、骨粗鬆症が原因となる骨折などが多いと考えられます。
3-1 10~20代に多い骨折を紹介する
- 手関節、手指
- 足部、足関節
- 前腕
- 鎖骨
- 肘関節など
※上記以外に男性においては頭蓋骨や肋骨の骨折も比較的多くみられます。
激しいスポーツの影響が考えられます。
特に20歳以下で発症が多くみられます。
3-2 30~50代に多い骨折を紹介する
- 肋骨など
- 手首、手部
- 足首、足部
※他の年代に比べて相対的に骨折が少なくなります。
3-3 60代以上に多い骨折を紹介する
- 肋骨、胸椎など
- 腰椎など
- 大腿骨
- 前腕など
※高齢者では転倒による大腿骨頸部骨折、橈骨(とうこつ)遠位端骨折、腰椎の圧迫骨折などが増加します。
参考: 基礎研レター
4 骨折は日常生活に影響を及ぼす
骨折すると日常生活が辛くなりますよね。
指1本の骨折でも日常生活が不自由になります。
身の回り動作だけでなく家事動作などに与える影響も少なくありません。
職業まで範囲を広げれば、ピアニストにとっては致命的となります。
下肢の骨折で入院の必要がない場合、その日のうちに松葉杖をついて病院から自宅に帰る必要もあるでしょう。
足を床につくことが許可されないことが多く、その場合、両松葉杖と健側下肢(骨折していない方の下肢)で歩行する必要があります。
この歩行は人によっては難しく、歩行中に転倒してしまう場合もあります。
エレベーターのない校舎の上階に通う学生さんなどにとっても、毎日の通学が不便なものとなるでしょう。
このように骨折は日常生活に大きな影響を与えます。
もちろん、骨折をしたくて、しているわけではないので。
どうしようもありませんが。
骨折しないように気を付ける事は大事かなぁと思う次第です。

骨折については、骨接合術が行われることが増えたため、早期からのリハビリ(歩行訓練など)が可能となり、予後もよくなりました。
しかし、すべてうまくいくわけではなく、やはり骨癒合の悪い部位での骨折では遷延癒合の状態となったり、偽関節になったりすることがあります。
私は過去に臨床で超音波の機器の使用もしていましたが、それだけで骨がつながるわけではなく、しっかりした固定に勝るものでもありません。
やはり、骨折の治療には魔法のような方法はなく、しっかりと骨折部位を固定し、身体の持つ修復力に任せることが基本と考えます。
骨折のリハビリをしていて常に感じていたのは、大事な時期を辛抱して過ごしてくださいということでしょうか(特に下肢の骨折)。
「もう痛くないから大丈夫」とか「自分の体のことは自分が一番わかっている」という理由で、医師の許可が下りる前に歩き出したり、無理な荷重をかけてしまったりする方がいらっしゃいます(その結果偽関節になったこともあります)。
また学生さんのスポーツ復帰を急ぐ例もありますね。
部活は学生生活の重要な部分でもありますから、早く復帰したい気持ちは本当によく理解できます。
しかし、長くスポーツを続けるためには忍耐も必要です。
仮骨がしっかりと出来上がるまでの数週間を辛抱して、松葉杖を使用して生活していただきたいと思います。
松葉杖を使っての歩行は危険を伴います。
特に骨折した側の下肢に体重をかけられない期間は注意が必要です。
【松葉杖の先の間隔は開きすぎないようにしてください】
斜めに着くと、滑りやすくなります。
トイレ、洗面所、滑らかな床の上に水分がある場合(拭き上げた直後など)などでは特に滑りやすく危険です。
滑って転倒し、再手術となった例を経験しています。
【屋外では、側溝のふたの穴などに注意してください。杖が穴に入って折れた例があります。】
【階段昇降(特に降り)は特に注意してください。】
手すりがあれば、片手で手すりを持ち、もう片手で松葉杖を2本持つと良いです。
降りるときは、先に松葉杖を下の段に下ろします(上がるときは足から先に上げます)。
不安な時は誰かにサポートしてもらいましょう。
【松葉杖はわきの下で支えるものではありません】
したがって杖の長さの調整はわきの下に当たらないように調整します(指2本分程度あける)。
長時間の歩行時はわきの下で支えないように注意してください。手のしびれなどが生じます。
手で持ち手をしっかりと支えます。
杖の上部は、杖を安定させるためにわきを締めて固定します(杖上部が前後に滑らないように注意)。
6 まとめ
骨折が治るためには、一定のプロセスが必要です。
炎症期を経て修復期を完了すると比較的丈夫な仮骨によって骨はつなげられます。
ここまでにかかる時間は約8週間です。
通常、この時点で骨折が治ったとされますが、その後も骨折部位では改変が進み、数年かけて本来の骨の形に近づきます。
骨折の起こりやすい部位は、年齢によって特徴があって、若い世代では手首、足首などに多く、高齢になると体幹の骨(胸椎、腰椎、肋骨など)や大腿骨(頸部など)の骨折が増えてきます。
また骨折部位によって、骨折の修復に要する期間も異なってきます。
骨折の治癒には骨折部位の固定と、ある一定の期間が必要です。
超音波を利用した骨癒合促進機器などがあって、治療に使用される場合(難治性の骨折など)もありますが、骨折部位をしっかりと固定しておくことが骨折治療の基本となります。
現代では手術による治療法の発達によって骨折の予後もよくなっています。
医師やリハビリを担当する理学療法士などと連携して治療を行うことが回復への近道となるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆様のご健康をお祈りいたします。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林

骨折ってしたくてなっているのではないので、なんとも言えませんが。
防ぎようがない時もあるので。仕方ないかなぁ。
という感じでもあります。
でもね。
対処方法や骨折とはなんぞや?
という事を知っておけば、いざ、骨折をしてしまったときに。
スムーズに解決策を取る事ができると思うのです。
なので、骨折にならない為に、予防の意識を置く事はもちろん重要ですが。
骨折についての知識を入れて置く事も大切である。
と言えるのかなぁと思うのです。
まぁ、骨折部位を早く治す裏ワザが存在するわけでもないので。
正しく、適切に固定と治療をしていきましょう。
そうすれば、元通りに動くようになる可能性は高いです。
是非、意識してほしいと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。


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mamotteライター理学療法士のイワモトです。
「骨折」は治るまでに時間がかかるものです。
「早く治さないと仕事に戻れない・・・」
「試合があるのに、間に合うのかな?」
など心配している方もいらっしゃるでしょう。
骨折を早く治療する方法はあるのでしょうか?
気になりますよね。
また、骨折してしまったら、すぐに病院で診てもらいましょう。
というのも、やはり、早めに対処するのでは予後の改善具合が違ってきます。
骨折は日常生活に支障を与えます。
動きづらくなるし、辛い事も多くなるでしょう。
今回は、骨折の治療をテーマにしました。
この記事を読めば、
◎ 骨折は早めに対処して、治療を行うべきである。という事が理解できて、予防や改善に役立てる事ができる
といったメリットがあります。
今回の内容が、骨折で辛い思いをしているあなたの役にたてばうれしいです。
では、本日もよろしくお願いいたします。