

膝を曲げて痛みを感じる。
という人も少なくありません。
膝を伸ばすと痛いという人もいれば、膝を曲げると痛いという人もいます。
はたまた、伸ばすのも、曲げるのも痛い。
といった人もいます。
この中で、曲げる動作について今回は記事にします。
膝を曲げるのが痛いと、日常生活においても不便な事が多くなります。
まず、しゃがむ事ができなくなったり、段差を上る・降りるなどが難しくなるなどが想定できます。
なので、この膝を曲げた時の痛みを改善させる事はとても重要だと言えます。
という事で、今回は【膝を曲げると痛い】というテーマで記事にしました。
この記事を読めば、 ◎ 膝を曲げた時の痛みに対しての対処法について知れる。そして、痛みの改善に繋げることができる といったメリットがあります。 |
きっと役に立つ事でしょう。
是非、最後まで読んでほしいと思います。
国家資格を取得しており、実際の現場で学んできています。
ですので、信憑性や信頼性は間違いありません。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して欲しいです。
で、何が言いたいのかというと、この記事の内容が絶対正しい!!とは思わないでください。
という事です。
いち、理学療法士の考えであると、捉えて欲しいです。
この記事があなたの役に立てばうれしいです。
では、宜しくお願いいたします。
目次
1 膝を曲げると痛みがある。この原因って何?
では膝を曲げると痛みが起きる原因について述べていきます。
1-1 関節の内部に原因があるという理由

実際のX線写真
大腿骨(だいたいこつ:ももの骨)と脛骨(けいこつ:すねの骨)には軟骨および半月板があって、レントゲン写真で見ると、隙間として見えます。
ところが軟骨や半月板が摩耗してしまうと、この隙間がなくなり、骨どうしがぶつかるようになる場合があります。
膝をのばして寝ている姿勢では、体重がかからないため骨どうしがぶつかることはありません(例外もありますが・・・)。
しかし、膝を曲げることで骨どうしがぶつかり、痛みを発生することがあります。
また、半月板が原因となることもあります。
損傷した(断裂するなど)半月板の一部が、関節を曲げた時にはまり込み(陥頓)、痛みを発生することがあるのです。
また、関節内で骨を結び付けている靭帯なども損傷を起こすことがあって、関節の動きによって痛みを起こす場合があります。
関節は、関節包と呼ばれる袋状のものでおおわれています。
関節包の中には、関節の潤滑などのための関節液が含まれています。(膝を曲げたり、伸ばしたりする為の潤滑剤)
この関節包は、正常では十分な柔軟性を持っていますが、固くなる場合があって、これが原因で関節可動域が制限されることがあります。
関節包には痛みを感じる線維が存在します。
したがって、関節包が固くなった関節を曲げると、関節包が引き伸ばされ痛みが発症するという事が言えます。
1-2 関節の外部に原因がある場合
関節の外部には筋肉があります。
膝関節を曲げることで引き伸ばされる筋肉もあります。
筋肉に損傷などの障害があれば、引き伸ばされたときに痛みを生じます。
関節包の外側に多数存在する、滑液包という袋状の部位も炎症を起こし、腫れることがあって、痛みの原因となり得ます。
1-3 その他
例えば股関節や腰に問題があるのに、膝に痛みを感じることがあります。
このような痛みは関連痛と呼ばれます。
膝を曲げた時にこの関連痛を感じれば、あたかも膝が痛んだように感じることもあるでしょう。
膝付近に痛みを感じるからと言って、すべての原因が膝にあるとは限らないということは覚えておく必要があります。
2 膝を曲げて痛い時の病気を紹介する
では、以下に可能性のある原因について紹介していきます。
2-1 変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝の痛みの出る疾患として代表的なものです。
関節部分を覆っている軟骨がすり減り、骨と骨が直接ぶつかることで、強い痛みを生じます。
加齢との関係性が高く、40歳代から始まって、年を重ねるごとに発症者が増加傾向を示します。
また性差もあって、女性に発症が多いことが分かっています。
女性は、骨粗鬆症など骨の変化が生じやすく、腰痛と同様、膝においても変形などを生じやすいのです。
変形性膝関節症になると、痛くて正座ができないなど、膝を曲げると痛みが出ることが多いです。
悪化すると、関節の動きが悪くなり、可動域が減少し、少し曲げただけでも痛みを感じるようになることもあります。
膝を曲げない場合でも、立位や歩行時などは体重がかかり、関節内で骨どうしがぶつかりますので、関節内部で痛みを生じます。
2-2 半月板損傷
半月板は、スポーツなどで激しく膝を使う場合において、損傷する危険性があります。
多くのスポーツがその危険性を持っていると言ってよいでしょう。
加齢に伴って、激しいスポーツを行わずとも、損傷してしまうこともあります。
半月板はそもそも骨と骨の間に存在していて、強い力がかかったとしても痛むことはありません。
しかし、これは正常な状態であればということです。
半月板には、一部神経が分布しているようですので、断裂などによって神経に刺激を生じれば、痛みの原因となることがあるでしょう。
また、半月板が損傷することで、そこに血管と神経が入り込み、痛みを感じる組織へと変化している場合もあるようです。
そのようなこともあって、断裂した半月板の一部が、骨と骨の間に挟み込まれた場合などに、痛みを感じることがあると考えられます。
2-3 筋肉の損傷
筋肉は、高負荷、使い過ぎ(連続使用)、打撲などによって損傷することがあります。
肉離れや打撲などを経験した人はご存知でしょうが、筋肉は損傷によって強い痛みを起こします。
筋トレでも筋肉痛を起こしますので、筋肉の痛みは起きやすい症状です。
大腿四頭筋は膝を伸展させる(伸ばす)筋肉ですので、逆に膝を曲げるとストレッチされます。
筋肉がストレッチされる場合、そこに損傷があれば、強い痛みを感じることとなります。
2-4 その他
関節リウマチは関節の痛みを生じる疾患として有名です。
関節リウマチは、多発性のため膝だけに症状が出るわけではないですが、膝関節の痛みを生じることが多いです。
関節の痛みの他、朝のこわばりの症状も代表的な症状です。
スポーツに関するものでは、Osgood-Schlatter(オズグッド・シュラッター)病やジャンパー膝などが代表例です。
3 曲げた時に起きる、膝の痛みに対する治療法は?
曲げた時に起きる膝の痛みには、多くの原因があります。
したがって、1つの決まった治療法があるわけではありません。
ここでは、一般的な膝の痛みの治療についての考え方についてご紹介していきますね。
〇 急に膝が痛くなった場合
急激に突然、強い痛みを感じた場合です。
まずは、痛みの出ない角度をみつけて、(できれば固定が推奨)安静にしてみましょう。
移動の必要がある場合は、痛い足に体重がかからないように工夫するしかありません。
捻挫や熱感がある場合は、氷などでアイシングしてみます。
また、半月板や靭帯を損傷している可能性もあるため、できるだけ早く整形外科医に診てもらいましょう。
その後の治療は原則として、医師の方針に従ってください。
(しかし、理学療法士など、リハビリの専門家の意見も参考にしてください。)
治療は、基本的には保存療法が選択されます。
安静、固定(膝装具の使用など)、薬物療法、松葉杖の使用、リハビリなどが状態に応じて行われます。
靭帯や半月板の損傷などでは手術療法が必要な場合もあります。
その中で、リハビリは必ずやる方がいいでしょう。
理学療法士などの指示の元、リハビリを行ってください。
〇 慢性的に痛みがある場合
痛みが続いている場合、強い痛みではなくても一度診察を受けておいた方が良いでしょう。
中年以降で発症した場合、変形性膝関節症の可能性が高いですが、別の病気が原因となって、痛みが起こっていることもありますので注意が必要です。
基本的には保存療法が選択されます。
- 筋力増強訓練
- 関節可動域訓練
- 歩行補助具(杖など)の使用訓練
- 靴(足底板など)の調整
- 体重コントロール
- 運動量の制限
など、痛みの悪化の予防を中心に行います。
やはり、慢性的でも、リハビリは行うべきです。
4 膝を曲げる恐怖心が痛みを増強させてしまう要因でもある

膝を曲げると痛い人は、膝を曲げることに強い恐怖を感じていることがあります。
関節の曲がる角度(関節可動域)を測るときや膝を曲げる訓練(関節可動域訓練)を行うとき、曲げようとすると、無意識に力が入って曲がらないのです。
曲がらないのと同時に、ご本人は強い痛みを訴えます。
実際はもっと楽に曲がるのに、他人が曲げようとすると、痛みが強く曲がらなくなってしまうのです。
確かに、痛みのある関節を、他人に曲げられるのは怖いですが…
関節可動域訓練を人に代わって行うCPMという器具があるのですが、この器具を用いた場合は何の問題もなく曲がってしまうこともあります。
他人から膝を曲げられるという恐怖感が、緊張と痛みを増強してしまったのだと考えられます。
膝を曲げた時に感じる痛みには、このような精神的な影響があることも忘れてはいけませんね。
5 まとめ
今回は、曲げると痛い膝の痛みについてお伝えしました。
膝の関節は痛みの出やすい関節ですが、特に曲げた時に痛みを生じる場合もあります。
このような痛みの出る膝の障害は多様で、関節の内部に問題がある場合、外部にある場合など多くの原因があります。
中年期以降に発症することの多い、変形性膝関節症はその代表例です。
若い人の場合では、スポーツなどによる膝のオーバーユースが原因となることが少なくありません。
膝の障害には様々な原因がありますが、共通して言えるのは、まず膝に無理をかけないということです。
それ以外の対策(治療)については、状態に応じた処置が必要となりますので、できるだけ早く整形外科(可能であれば膝を得意とする)での受診をおすすめします。
そして、リハビリをしましょう。
リハビリをする事で、なかなあ治らない痛みも軽減・改善する事は多々あります。
是非、積極的に取り組んで欲しいと思います。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林

膝を曲げると痛い。
という人も沢山います。
まぁ、だいたい、膝を曲げると痛い人は伸ばすと痛い場合も多いのですが・・
で、曲げるのも、伸ばすのも痛い人に共通して言える事は、可動域の制限がある。
って事ですね。
だいたい、ほとんどの人が膝が伸びないか、曲がらないか。
っていう状態が多いです。
実際に、僕も患者さんを治療する中で、可動域制限には注視しています。
で、可動域が改善すると、痛みが和らぐ。軽くなる。
って人も多いので。
試してみるといいかなぁと思うのです。
で、これだけが原因ではありませんが、可動域制限の為に痛みが強い。
という人も多いのが事実なので、繰り返しになりますが、まずは、可動域の制限を改善する事に取り組んでみるのも良いかなぁと思う次第です。
という事で、本日も最後までありがとうございました。


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maotteライターで理学療法士のイワモトです。
膝を伸ばしているときはそうでもないのに、膝を曲げると「あいたた!」ということがあります。
このような、膝を曲げた時に起きる痛みは何なのでしょうか。
今回は膝を曲げた時に感じる痛みについて、原因や対策についてご紹介します。