

私達は国家資格を取得しており、実際の現場で学んできています。
ですので、信憑性や信頼性は間違いありません。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して欲しいと思います。
で、一番伝えたい事は、【この記事の内容が絶対正しい!!】とは思わないでください。
という事です。
記事の内容は自信を持って提供していますが、医療の世界は個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
ですので、一つの理学療法士の考えである。と捉えて欲しいです。
この記事があなたの役に立てばうれしいです。
では、宜しくお願いいたします。
目次
1 捻挫はなぜ腫れるのか、考えてみた
捻挫と言えば足首が多いですよね。
という事で、ここでは、足首の捻挫を例にします。
足首の捻挫は、ほとんどの場合内反(ないはん)捻挫です。
まず、足首の構造を見てみましょう。
外側から見ると、腓骨(ひこつ:下腿骨の外側の事)と足の骨をつなぐ靭帯があるのがわかります。
足首を捻る(内反する)と次のようになります。
で、内反捻挫とは、足首が内側に捻ってしまった状態をいいます。
この時に足首の外側の靭帯に大きな力が加わって、靭帯が引き伸ばされてしまうのです。
つまり、内反捻挫では、前距腓靭帯を損傷することが多いのです。
靭帯以外にも、関節を包んでいる関節包(ほう)や皮下組織が損傷する場合もあります。
このような組織が損傷を受けるので、組織に分布する細い血管も損傷し、出血するのです。
この時の出血量が多いと、目で見てはっきり分かるほど腫れあがってしまいます。
そして、時間の経過とともに、皮下に出血を確認できる場合もあります。
皮下に現れた出血は、始めは紫色に見えますが、時間とともに黄色に変色し、その後消失していきます。
このように、捻挫によって起こる最初の大きな腫れは、内部の出血によるものと考えてよいでしょう。
しかし、腫れの原因はこれだけではありません。
人体において、怪我や病原菌の感染などが生じると、炎症反応が起こります。
この反応が起こると、毛細血管は拡張し、組織に浮腫(ふしゅ、腫れの一種)を起こします。
その結果、この浮腫もまた関節の腫れの原因になってしまう場合があるのです。
2 そもそも、「腫れる」ってなに?
「腫れ」とは、身体の一部が膨らんだ状態を言います。
捻挫によるものも腫れですが、それだけでなく、足のむくみなども腫れの一種です。
腫れは「腫脹(しゅちょう)、swelling」と表現されることが一般的でして。
また、むくみは「浮腫(ふしゅ)、edema」と呼ばれます。
腫脹の原因としては、血管の損傷の他に、血管から浸みだした水分によって、細胞の外側の水分が多くなる場合(浮腫)などがあります。
浮腫は炎症を起こした場所でも生じます。
捻挫急性期の急激な腫脹は、血管の損傷による出血です。
まさしく血液が組織に溜まることによって腫れてしまうという状態です。
しかし、これだけではありません。
炎症による浮腫も起こっています。
また、怪我に伴わない腫れは、血管の損傷はなく、浸みだした水分が細胞外に多く貯まってしまうものです。
毛細血管壁の透過性亢進や血管内圧力が上昇した場合に起こることがあります。
これがいわゆるむくみです。
この浮腫みは、腎臓の病気などで起こることもあります。
また、立ち仕事が多い場合や脚の血液の循環が悪くなってしまうと、病気がなくても足がむくむこともあります。
というように、足のむくみは病的な状態や血液循環の悪さが影響して生じていたりするのです。
このように、脚のむくみが気になる人は多いと言えます。
3 腫れた時はどんな症状を感じるのか
ここでは、捻挫を起こした時の腫れなどの、炎症症状についてお伝えします。
多くが炎症を伴って腫れているので。
炎症について述べたいと思います。
3-1 痛みを感じる
純粋に痛みを感じる場合があります。
これは、組織が損傷されるときに生じる、神経への直接的刺激などの痛みです。
また、その後の炎症症状によって起こる科学的な刺激(ブラジキニン、プロスタグランジンなど)によっても起こります。
炎症が続く間、痛みを伴うことが多く認められます。
痛みは、損傷部位の安静を維持するための役割を持っています。
薬などで痛みを抑えてしまうと、無理をしてしまい、治りが悪くなってしまうことがあります。
これは、痛みの役割を止めてしまうことが原因であるといえるでしょう。
3-2 発赤(ほっせき)
損傷部位を修復するためには血流が必要になります。
そして、血流が良くなれば、付近の細動脈は拡張します。
その結果、血管が拡張することにより、血流が増加するため発赤(皮膚が赤く見える)が現れるのです。
入浴した時、お酒を飲んだ時などに顔が赤くなるのも同様に、血管の拡張によるものと言われています。
3-3 熱感(ねっかん)
基本的には発赤の原因と同様、血管拡張と血流の増加が原因です。
局所的に血流が増加しますから、他の部位と比較して表面の温度が高くなります。
これ以外に、炎症の症状として発熱物質が産生されて、体温が上がることもあります。
風邪の症状としての体温上昇などが、その例ともなります。
3-4 その他
炎症の兆候として、機能障害が付け加えられることがあります。
組織が損傷していることや痛みによって、機能が制限される事です。
足首の捻挫で言えば、腫脹によって関節の動きが妨げられることで、足首を動かしづらくなる。
という事が機能障害に当たります。
これらの4点が炎症の症状として言えます。
4 腫れの治療を紹介
RICEのイメージ。
実際はアイスパックなどの冷却材を、足首外側から前面まで接するようにして、弾性包帯などで固定しておくとよいです。
捻挫直後の急性期では、まず圧迫して冷却することが望ましいです。
冷却することで血管を収縮させ出血を抑制します(完全に止めることはできませんが)。
そして、氷嚢(ひょうのう)などで継続冷却します(冷やし過ぎに注意)。
また、冷却スプレーで、一時的に冷やすだけでは不十分です。
圧迫は、圧力をかけることで腫脹(浮腫)を抑制する効果と、関節を固定する効果を得ることができます。
なので、できれば弾性包帯での圧迫が良いですが、なければ普通の包帯やテーピングなどでもよいでしょう。
ただし、強く締めすぎると血行障害を起こすことがあるので、締め過ぎに注意してください。
包帯を巻いた後に、出血が続いた場合、腫脹の増大に伴って包帯がきつく締まった状態となることがあるので、時々チェックしてください。
指先の色や感覚の有無についても時々確認しましょう。
循環障害や感覚障害が出ないように注意しておく必要があります。
また、急性期のテーピングの場合、足首前面に隙間を開けておくこともあります。
これは、圧迫しすぎないようにするためなのと、動きを制限しすぎない為です。
そして、腫れた部位を挙上することも効果があります。
クッションなどを利用して足部を高くしておくとよいでしょう。
で、これは、医者しか行えませんが、足首の捻挫では注射器で関節内の滑液を抜く、いわゆる「水を抜く」のも、関節の腫れを取る方法の1つとも言えます。(比較的行われる事は少ないですが・・)
また、関節内にステロイド剤などの薬剤を注射して、炎症を抑える方法もあります。
このように、捻挫の治療にはRICE処置が中心となって行われる事があるのです。
5 腫れたと思ったら、迅速な対応が重要だと思う。

私自身が足首の捻挫を経験した時は、知識もなかったので、あまりにひどい腫れを見て「骨折?」と思ったものでした。
しかも「バキッ!」というような音も聞こえましたから。
しかし、レントゲン撮影では骨折は認められませんでした。
という事で、音は靭帯が切れた音だったのでしょう。(今思えば、そう感じます・・)
で、今考えれば、圧迫・固定が必要だったのだと思いますが、何しろ知識もなく、湿布をして終わりみたいな感じにしてました…
大きな腫れはしばらくして治まりましたが、軽い腫れは長期間続いたように記憶しています。
この経験から、捻挫をした時に、かなり腫れた場合は、靭帯が切れたと思っておいた方が良いかと思います。
捻挫と言うと、骨折なんかより軽症というイメージがあるかもしれませんが、それは間違いです。
イメージが先行して、捻挫を治りにくいものにしてしまっています。
捻挫だから、固定や松葉杖は大袈裟などと思っていると、後で後悔することになるかもしれません(私がよい例です)。
腫れは、炎症の症状の1つで、損傷の指標ともなります。
ですので、腫れ具合には注意して、早めの対応を取っていただければと思います。
6 まとめ
今回は、捻挫と腫れについてお伝えしました。
捻挫を起こすと、靭帯の損傷やそれに伴う血管の損傷などがあって、内部で出血を起こします。
これが原因で、足首が腫れるという状態が起こります。
また、出血による腫れだけではなく、炎症反応としての浮腫も起こるため、これも腫れの原因となります。
捻挫後の腫れを完全に防ぐことはできません。
しかし、冷却・圧迫・挙上などによって抑制することは可能です。
急性期の強い腫れが治まっても、その後の炎症が続いている場合、軽い腫れが続くことがあります。
腫れは炎症の症状(治っている途中)であることを理解して、適切な対策を継続していただけたらと思います。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林

捻挫も誰もがなる可能性のある症状です。
足首を捻ってしまう事で生じる事が多いのは間違いありません。
捻挫によって、足首が腫れてしまうのも、仕方ない分部もあるかもしれません。
腫れる人もいるし、腫れない人もいます。
という事で、足首を捻らなければ、捻挫しないではないか・・と思う事でしょう。
それを言ったら元も子もありませんが。
実際にはそれしかありません。
捻挫をしないように気をつけよう。
というのが一番です。
で、その中で、足首の柔軟性の獲得や足首周りの筋トレも有効なので、やっておくべきかと思います。
捻挫を完全に予防する事は難しいかもしれませんが、可能性を減らす事はできるので。
その努力をすればいいかなと思う次第です。
本日も最後までありがとうございました。
今回の内容が少しでも参考になれば嬉しいです。


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mamotteライターで理学療法士のイワモトです。
スポーツなどで、足首の捻挫を経験した事がある人は多いでしょう。
その時、足首が腫れたこともあったと思います。
軽い捻挫では腫れが目立たないこともありますが、中等度以上だとはっきりわかる場合が多いものです。
さて、では、この「腫れ」はどうして起こるのでしょうか?
捻挫すると腫れるのってなんで?
という疑問について、今回は考えてみました。
この記事を読めば、
◎ 捻挫をすると足が腫れてしまう理由についてわかる。そして、捻挫の改善策についてもわかるようにしました。
捻挫をしてしまって、辛い思いをしているあなたのお役にたてば幸いです。
では、本日もよろしくお願いいたします。