こんにちわ。
mamotteライターで理学療法士のヒコネです。
年をとるにつれて膝に痛みを感じている方は少なくありません。
10代、20代、30代にスポーツをバリバリしていても、歳を重ねると膝に痛みを感じる事はあります。
中高齢者の膝痛の原因は様々ですが、その過半数を占めるともいわれているのが「変形性膝関節症」と言われているものです。
最近はテレビや雑誌の特集で紹介され、名前だけは聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
- 階段を上がったり、下がったりするのが辛い
- 膝の内側、外側が痛む
- 歩くと膝周辺の痛みが生じる
などなど。
いもし、あなたがこのような痛みを感じた事があれば要注意です。
このまま放置しておくと、膝の痛みで歩くのが辛い・・・とか、手術をしなくてはいけない状態にまで症状が進んでしまう可能性もあるでしょう。
そこで、今回は【変形性膝関節症の治療】というテーマで記事にしました。
この記事を読めば、
といった2点のメリットがあります。 |
最後まで読んで、正しいひざ痛への対処の方法を身に着けて、痛みや症状が改善に繋げて欲しいです。
では、本日もよろしくお願いいたします。
内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
宜しくお願いいたします。
1 変形性膝関節症ってなに?どんな症状?

変形性膝関節症とは、膝関節の機能障害によって、痛みを呈してしまっている状態を指します。
これより、特徴と構造について話していきますね。
1-1 膝関節の構造・特徴
膝関節は、3つの骨から構成されています。
- 太もも側の骨である「大腿骨」
- すねの骨である「脛骨」
- 膝のお皿である「膝蓋骨」
で、大腿骨と脛骨の間には半月板というクッションがあります。
この半月板は衝撃吸収の役割を担っており、膝関節への荷重などに対して重要な働きをしています。
また、骨のまわりは関節包という膜で覆われ、さらに複数の靭帯などで補強されています。
膝関節を単独で動かす際には、太ももの前側の筋肉である「大腿四頭筋」と太ももの後ろ側にある「ハムストリングス」という筋肉が協調して働くことで、膝を曲げたり、伸ばしたりする事ができる仕組みになっています。

大腿四頭筋と言われる、太ももの前の筋肉
1-1-1 圧倒的な荷重関節である
膝関節は立ち上がる、しゃがむ、歩くなど、日常生活の様々な動作で重要な関節となります。
主には体重を支えるためのクッションとしての役割が重要です。
膝関節とその周辺の筋肉がスムーズに働くことで、歩くときなどに足にかかる衝撃を吸収してくれるのです。
また、歩行時に生じている膝への荷重量は、体重の3倍の力が、かかっているとも言われています。
1-1-2 特徴的な症状
変形性膝関節症の主な症状は、以下の通りです。
- 特に朝、膝がこわばり動かしづらいといった違和感を感じる
- 動き始めに膝に痛みを感じる(運動を続けていると徐々に痛みが引く)
- 膝に水がたまっている
- 立ち上がる・座る・歩く・階段の上り下りといった運動で膝が痛む
- 膝が伸びきらない・曲がりきらない
2 変形性膝関節症になる理由

中高齢者では症状の有無に関わらず、25~40%の方が変形性膝関節症にかかっているとも言われています。
変形性膝関節症になる原因は、スポーツのしすぎや肥満・老化など様々な要因が関与しています。
以下よりそれぞれについて詳しくみていきます。
2-1 一次性変形性膝関節症ってなに?
一次性変形性膝関節症は全体の9割を占め、変形性膝関節症に苦しむほとんどの方はこちらに該当します。
一次性変形性膝関節症とは、「外傷や感染症などの既往がなく(はっきりとした原因がなく)、関節軟骨が変形・摩耗するタイプ」の変形性膝関節症です。
つまり⇒ これといった原因が見当たらないけど、自然と膝が痛くなった状態
と言えます。
その原因をこれより、見ていきます。
2-1-1 老化・高年齢による原因
老化にともない、関節軟骨は徐々に劣化していきます。
長年にわたり体重を支え、クッションとして役割を果たしてきた半月板などの組織も、ダメージが蓄積されています。
関節軟骨がもろくなった状態は、変形性膝関節症になりやすい状態といえます。
年齢を重ねるごとに骨や関節軟骨などが、摩耗・劣化していくのはあたりまえの現象です。
なので、この摩耗や劣化を補う為にも、筋力などをつける事が必要になるのです。
2-1-2 肥満による影響
一次性変形性膝関節症の主な病因は、肥満による体重増加とも言われています。
過度に膝関節に体重がかかることで、関節軟骨のダメージはより大きくなります。
肥満の状態で膝に負担をかけ続けると、関節軟骨はどんどんすり減ってしまい、変形性膝関節症になりやすくなります。
二足で体重を支えているので、下肢に負担がかかるのは当然であり、体重が多ければ、多い程下肢への負担も大きくなってしまいます。
2-1-3 筋力低下の原因
膝関節周囲の筋力低下も、関節軟骨の摩耗に大きく影響してきます。
体重を支える際には、関節軟骨のクッションだけでなく、筋肉が働くことでクッションになる役割があります。
大腿四頭筋やハムストリングスが主に、協調して働くことで、関節軟骨へのショックを軽減できるのです。
これらの筋力が低下していると、体重の衝撃が直接関節軟骨に伝わってしまい、関節軟骨のすり減りを助長してしまいます。
よって、変形性膝関節症になりやすくなってしまうといえるでしょう。
2-1-4 可動域制限による原因
膝関節は曲げる・伸ばすといった運動ができます。
膝が伸びきらない・曲がりきらないという状態の場合、歩く・立つという動作をするときに、関節軟骨や筋肉に過度なダメージが加わってしまいます。
また膝が伸びきらない方は、O脚になっている場合が多いというデータもあります。
このO脚もまた、関節軟骨のすり減りを助長しやすい姿勢といえるので、O脚を修正する努力が必要になる方も少なくありません。
2-2 二次性変形性膝関節症ってなに
一次性変形性膝関節症とは異なり、二次性変形性膝関節症には元となる原疾患があります。
では二次性変形性膝関節症になりうる原疾患についてみていきましょう。
2-2-1 ACL損傷
ACL損傷とは、前十字靭帯損傷のことです。
膝関節は様々な靭帯によって補強されていますが、膝関節の前面にある靭帯を前十字靭帯といいます。
サッカー、スキー、バスケットボールなど、接触やターン・ジャンプなどの捻るなどの衝撃が膝に加わる事で、この靭帯を損傷してしまうことが多いです。
前十字靭帯を損傷すると、膝関節が不安定な状態になります。
ACL損傷の場合は、数日で痛みが軽減するため、放置してしまうケースもあります。
しかし靭帯が緩んだまま、膝が不安定な状態で放置すると、膝崩れを繰り返すことになります。
これにより膝関節の関節軟骨や半月板の摩耗が進み、若年者であっても変形性膝関節症になりやすくなってしまう事がいえるでしょう。
また、ACL断裂の場合はその瞬間に激痛が走る事が多く、立つ・歩く事も辛くなる場合が多いです。
スポーツなどで、膝を捻って痛めてしまった場合などは、このケースが多いです。
2-2-2 半月板損傷について
スポーツなどで膝がねじれ、半月板損傷をすることでも変形性膝関節症になるリスクが高まります。
スポーツで多いMCL損傷(内側側副靭帯損傷)を受傷するときに、同時に内側の半月板を損傷するケースもみられます。
半月板自体は神経がないため、損傷しても痛みを感じることはありません。
高齢者の場合、4割ほどの方が半月板損傷を起こしているともいわれています。
2-2-3 関節軟骨損傷とは
スポーツなどで繰り返し外力が膝に伝わると、関節軟骨や骨の一部がはがれてしまうことがあります。
これを関節軟骨損傷といいます。
関節軟骨がはがれると骨同士が直接当たるようになるため、痛みが出たり、後々変形性膝関節症につながるリスクが高まります。
2-2-4 膝蓋骨や膝周囲の骨折
大腿骨や脛骨、膝蓋骨の骨折も、変形性膝関節症になるリスクが高まることがあります。
とくに膝関節の関節面に近い骨折の場合、骨がずれたり関節面に段差ができたまま骨が治癒してしまうことがあります。
関節面が滑らかでないと関節軟骨を傷めたり、O脚・X脚の原因となり、軟骨のすり減りを助長してしまいます。
2-3 膝に水が貯まるってなんで?
変形性膝関節症になると、膝に水がたまることがあります。
この水の正体は、「関節液」といわれる液体です。
水がたまることを、医学的には「関節水腫」ともいっています。
関節液はもともと膝の関節内にある液体で、関節包を覆う滑膜という組織から分泌されており。
この関節液は、膝関節の動きを滑らかにする潤滑油のような役割を果たしています。
なので、関節軟骨が傷つき、滑膜に炎症が起きると、関節液が過剰に分泌されてしまうのです。
この関節液を代謝しきれず、膝の関節内にたまってしまった結果が、膝に水が貯まるという現象といえます。
過剰に関節液がたまると、神経を有する滑膜を刺激して痛みや熱が生じ、さらに関節液を分泌してしまうという悪循環になります。
軽度の場合は経過観察となることもありますが、あまりに痛みが強い場合は注射で関節液を抜く処置が必要な場合もあるでしょう。
また、そもそも膝周囲の筋力低下や関節可動域制限などによって、関節軟骨が損傷したり、摩耗・劣化したりするので、筋力UPや可動域制限の改善に努める事で、膝に水が貯まる現象も抑える事ができるようになります。
3 変形性膝関節症の進み方

変形性関節症のほとんどは、徐々にダメージが蓄積されてできてしまう疾患です。
我々が気づかない内に、日常的に膝への負担を積み重ねてしまった結果、気付いたら痛みが出てきている。
といった状態です。
なので、痛みを感じる前から予防をしていくことが必要になるでしょう。
その予防のためにも、まずは、変形性膝関節症の進み方を知っておく必要があるので、以下より、どのように症状が進行していくのかをみていきます。

※膝関節の 正常な状態
初期 膝に痛みを感じる前段階 |
初期は、膝に違和感を感じたり、軽い痛みを感じる一番はじめの段階です。 とくに朝方だけ少し膝に違和感を感じ、日中動いているときはさほど膝が気にならない方がほとんどです。 このとき膝関節では、関節軟骨の厚みは十分にあり、まだすり減りは見られない状態です。 痛みの原因は、膝の使いすぎや肥満などによる膝への負担の増加で、関節周りの筋肉などの痛みが主となっています。 |

※膝関節症の初期~中期
中期 膝周囲に痛みを感じ始める段階 |
中期では、徐々に関節軟骨がすり減り、関節包に炎症が起こってくる段階です。 さきにも述べた関節水腫はこの段階からみられる症状です。 中期の症状としては、膝が腫れ、熱をもつことがあります。 膝を動かしたときや体重をかけたときに痛みを感じます。 |
後期 関節もある程度損傷しており、痛みが激しい段階 ※ADLはぎりぎり可能 |
後期では、関節軟骨はすり減って関節が変形し、骨と骨との間が狭くなってしまいます。 剥がれ落ちた軟骨が関節包を刺激し、炎症が何度も繰り返されます。 症状としては、慢性化した炎症による膝の痛み、腫れ、熱感が挙げられます。 そのほか、 関節変形による拘縮(関節が固まって動かしづらくなる)、O脚やX脚などの下肢の変形、膝を動かしたときの轢音(ポキポキ・ギシギシといった音)がみられることがあります。 明らかに膝に異常を感じる時期で、多くの方はこの段階になってはじめて病院を訪れるそうです。 |
※ADLとは⇒歩く・立つ・座るなどの日常生活動作の事を言います。

※膝関節の末期・進行期
末期 ADLにも支障がおきるくらい 手術を考えたくなるほどの状態 |
末期には、関節軟骨はすり減って完全になくなってしまいます。 大腿骨と脛骨が直に接する状態となり、骨自体も摩擦でトゲができたような変形をしてしまいます。 大腿骨と脛骨がうまくかみ合わず、膝を動かせる範囲や耐えうる負荷量は大きく制限されます。 この状態まで来ると、はがれる関節軟骨もないため、関節水腫はみられなくなることもあります。 症状としては、わずかな負荷量での膝の激痛、関節の拘縮、下肢の変形が挙げられます。 痛みが強く、膝の動きも大きく制限されるため、日常生活が困難になる方が増えます。 末期までくると保存療法で治療することは難しく、ほとんどの方が手術を選択せざるを得ません。 このように、 変形性膝関節症は4つの段階を経て徐々に進行する疾患です。 早めに対処すれば、変形の進行を防ぐことができ、手術などの大がかりな治療を回避することもできます。 変形性膝関節症においても、常日頃から「予防」の意識を高めておくことが重要です。 |
4 変形性膝関節症の診断方法

変形性膝関節症であるかどうかは、医師に診察してもらうことで診断名がつきます。
まず検査内容としては、レントゲン写真が重要となります。
レントゲン写真をとることで、関節軟骨がどれくらいすり減っているのか、関節がどれくらい変形しているのかをチェックすることができます。
そのほかにも、膝の曲げ伸ばしの状態や、膝の腫れ具合、痛みの部位などを調べて、正式に「変形性膝関節症」と診断されることになります。
5 変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症には、病期に合わせてさまざまな治療法が取り入れられています。
検査でしっかり病期をみきわめ、その時期に最適な治療を取り入れることで、痛みを早く取り除いたり、変形の進行を予防することができます。
では、変形性膝関節症に重要な治療法について詳しくみていきます。
5-1 リハビリ
リハビリは変形性膝関節症の初期から末期まで、どの病期でも取り入れられる重要な治療法です。
ひとことでリハビリといっても、その内容はさまざま。一人一人の状態にあった訓練内容が選択されます。
5-1-1 運動療法
運動療法とは、その名の通り身体を動かすことを通して治療をする行為です。
変形性膝関節症の運動療法では、おもに「筋力トレーニング」「関節可動域訓練」「ADL訓練」が挙げられます。
筋力トレーニングは、膝関節周りの筋肉を鍛えたり、体幹などほかの筋肉を鍛えることで膝関節にかかる負担を減らすことを目的としています。
膝関節まわりで、一番重要な筋肉は太ももの前側の大腿四頭筋という筋肉です。
この筋肉の柔軟性・筋力を高めることで、膝関節にかかる負荷を減らせます。
さらに、
腹筋・背筋・殿筋(おしりの筋肉)などをうまく働かせることで、より良い姿勢をとる事ができるようになる事で、膝関節への負担も減らせます。
関節可動域訓練は、膝関節の動きをサポートして動かす練習を行い、動きづらかった膝をスムーズに動かすことを目的としています。
関節がしっかりかみ合った状態での膝の曲げ伸ばしを練習することで、筋肉が正しい位置で作用することになり、膝の負担軽減につながるのです。
また固まって動かしづらくなった筋肉や関節周囲の組織を、柔軟にする意味合いもあるので、関節可動域訓練は非常に大切な運動といえます。
「ADL訓練」では、日ごろの生活動作のなかで、膝に負担をかけないような動作の仕方を練習していきます。
例としては、椅子からの立ち上がりや座り方、歩く動作などです。
悪い姿勢で無意識に膝に負担のかかる動作を繰り返していると、関節のすり減りは進行していく一方です。
膝にやさしい動作方法を取得することで、日々の生活が「リハビリ」となり、生活しやすくなるだけでなく、膝の負担を減らして関節の変形を予防することができる。といった流れです。
その他、
肥満気味の方には膝に負担のかからない運動でのダイエットが勧めることもあります。
肥満気味の方にお勧めなのは、初期の段階であればエルゴメーター(自転車のようにこいで運動するマシン)、やや痛みが強い方であれば、水中ウォーキングが良いでしょう。
なによりも、膝への負担を最小限にしながら、体重を落としていく事を目的にしていきます。
5-2 装具療法
変形性膝関節症の方には、サポーターなどの装具をつかった装具療法が取り入れられることもあります。
市販で売られているものもありますが、病院ではよりあなた自身に適したサポート機能のあるサポーターを導入してくれます。
サポーターは靭帯や筋肉のような役割を果たしてくれます。
サポーターをつけると、膝の安定性が増すため膝関節にかかる負担は軽減されます。
しかし、サポーターはあくまでも、支える役割をしているだけなので、本質的には、膝周囲の筋力・可動域を改善させておく事がなによりも重要になります。
サポーターだけに頼らないようになる事が一番です。
また、下肢の変形がみられる方には足底板が導入されることもあります。
足底板とは、足のアーチ(つちふまずなどの事)を正常に戻すための中敷きのような物です。
足部からアーチを正常に戻すことで、膝関節の変形も改善することができます。
ただし、装具療法はあくまで補助的な治療法であり、運動療法と組み合わせて行われるのが一般的です。
5-3 投薬・薬物

変形性膝関節症には、痛みや腫れが強い場合薬物療法を併用することもあります。
使用されるお薬は、症状や患者さんの全身状態を把握した上で、最適なものを医師が選んでくれます。
炎症による痛みや腫れを軽減するためには、基本的に非ステロイド性の抗炎症薬(NSAIDやCOX-2)が使用されます。
非ステロイド性の抗炎症薬では痛みや腫れが軽減しきらない場合は、ステロイドによって炎症を抑えることもあります。
ステロイドは非ステロイド性の薬に比べて、炎症を抑える作用は強いです。
しかし、軟骨や骨がもろくなったり、感染症にかかりやすくなる作用もあるため、慎重に利用されます。
そのほか、関節内にヒアルロン酸を注射することで、軟骨を保護して炎症を抑える治療法もあります。
ヒアルロン酸はもともと関節液に含まれる成分なので、安全で安心です。
5-4 手術
変形性膝関節症の病気が進み、運動療法や薬物療法だけでは対処しきれない場合は手術療法が適用されます。
手術にはいくつか種類があり、比較的軽度な例では大掛かりな手術ではなく、「関節鏡視下手術」ができるようになりました。
関節鏡視下手術は膝関節の中に内視鏡を入れて行う手術で、大きな傷口ができることはありません。
軟骨の破片を取り出したり、骨にできたトゲを除去することで痛みや炎症を緩和することができます。
この手術により、患者さんの負担はかなり減っています。
O脚など骨の変形が強い場合は、「高位脛骨骨切り術」が行われます。
この手術は、すねの骨である脛骨の上の部分(関節面に近い部分)を切り、下肢がまっすぐになるように矯正してつなぎ合わせる手術です。
骨が癒合するまで2~3カ月を要するため、長期入院やリハビリが必須です。
また、膝関節をまるごと人工物に入れ替える「人口膝関節置換術」もあります。
膝関節の軟骨のすり減りや変形が重度な場合は、この手術が適用されます。
手術後にしっかりリハビリをすれば、痛みの軽減には大きな効果を期待することができます。
ただし、膝関節が人工物となるため、膝の曲がる角度に限度があるので、欧米スタイルの日常生活には問題ありませんが、正座など膝を大きく曲げる姿勢はやってはいけません。
こちらの手術も、2週間から1カ月程度の入院と長期的なリハビリが必要になります。
膝の骨を切って人工物に入れ替えるなんて、考えただけでもぞっする方も多いでしょう。
しかし、人工膝関節にして日常生活がぐっと楽になった、行きたい所に行けるようになったという患者さんはたくさんいらっしゃいます。
理想は、手術をする前に運動療法でしっかり予防することですが、関節の破壊が進んでおり、激痛で日常生活も辛い場合はぜひ手術療法も前向きにとらえてみるのもいいでしょう。
6 変形性膝関節症の予防方法

大掛かりな手術をしなくて済むために、まずは健康なうちから自分の膝をケアしていく事がなによりも重要です。
本格的なリハビリをしなくても、日常生活で気をつけるだけで、将来的に変形性膝関節症になるリスクをぐっとへらすことができます。
日常生活を送る上で注意したいことは以下の通りです。
6ー1 欧米スタイルの生活様式も取り入れる
正座や床からの立ち上がり、和式トイレなどは、どれも膝を深く曲げる必要のある動作です。
若い頃は良いですが、繰り返すうちに膝への負担が大きくなり、関節軟骨のすり減りにつながってしまいます。
こたつをテーブルにする、お布団をベッドにする、洋式トイレをつかうなど、欧米スタイルの生活様式は膝への負担が少なく済むのでお勧めです。
しかし、膝関節を曲げない、伸ばさない、使わない生活になり過ぎると筋力や可動域制限を生んでしまうので膝に負担がかかりすぎない程度の動作は必要になります。
なので、完全に全てを欧米スタイルの生活様式に変更するといった事ではない事に注意をして頂きたいなと思います。
6ー2 歩く姿勢や立ち姿勢を美しく
普段から猫背になっていると、自然と膝が曲がった状態やO脚の状態になりがちです。
この姿勢の「クセ」が、膝への負担を蓄積していきます。
毎回とは言いませんが、歩くとき・立っているとき、スッと上から糸で引っ張られているような感覚で、背筋を伸ばしてみましょう。
良い姿勢を心掛けることで、普段の動作も自然と筋力トレーニングを兼ねることができます。
また、変形性膝関節症の予防で重要なのが「体重コントロール」です。
過度な体重は、膝関節の負荷を高め、関節のすり減りを助長してしまいます。
摂取カロリーを見直すことはもちろんですが、絶食などする必要はありません。
栄養のあるものを食べ、膝の痛くない範囲でしっかり運動することで、体重コントロールができるといいでしょう。
7 まとめ
以上、変形性膝関節症について、その病態や症状、予防法、治療法についてまとめてみました。
いかがでしたか。
和式スタイルの生活様式が根付いている日本では、ただでさえリスクの高い疾患といえるでしょう。
まだ膝に痛みを感じない方は、今のうちから予防法を実践することで、快適な生活をより長く送れると思います。
もう膝に痛みを感じている方は、早めの行動が重要になります。
まだ関節の変形が進まないうちに、しっかり治療をして快適な生活を取り戻していきましょう。
執筆:mamotteライター 理学療法士 ヒコネ
追記・編集:運営者 理学療法士 平林



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変形性膝関節症と診断されている人は沢山いますよね。
歳を重ねるごとに膝の痛みが増す人も多いし。
一体どうすれば良くなるの・・・・って思ってしまうでしょう。
でね、実際として、膝に痛みを抱えている人は、何かしらの原因があるはずです。
考えられる要素としては、
などがあります。
これらの要素を解決させないと膝の痛みは改善していかないかもしれません。
でも、諦めずに正しい方法で治療を続ければ、必ず痛みは軽減すると思うわけです。
というか、軽減・改善する人の方が多いでしょう。
で、軽減しない。という人は、治療が間違っていた李、正しい方法で行っていないからであって。
頑張っていないわけではなく、頑張る方向が違っているだけ。
という事がいえるかなと思うのです。
なので、
頑張る方向を間違わなければ、膝の痛みは軽減・改善に繋げられると思うのです。
という事で、今回の話があなたの役に立てばうれしく思います。
本日も最後までありがとうございました。