ぎっくり腰で動けないときの対処法|起き上がり方

スポンサードリンク



ぎっくり腰で動けないときは、無理に立ち上がらず、まず足の麻痺や排尿・排便の異常がないか確認してください。危険な症状がなければ、楽な姿勢で呼吸を整え、肩と骨盤を一緒に動かして少しずつ起き上がります。

この記事では「ぎっくり腰で床やベッドから動けない人」に対象を絞り、寝方、起き上がり方、トイレへの移動、受診の目安を解説します。

ぎっくり腰で動けないときに最初に確認する症状

ぎっくり腰の応急処置|直後にやるべき4つの対応を理学療法士が解説|ぎっくり腰とは?どうして突然痛くなるのかの解説画像

ぎっくり腰で動けないときは、姿勢を変える前に緊急性の高い症状がないか確認します。

* 足へ急に力が入らなくなった
* しびれや痛みが急速に悪化している
* 股や肛門周囲の感覚が鈍い
* 尿が出ない、尿が漏れる、便を我慢できない
* 発熱や悪寒を伴っている
* 転倒や打撲の後に強い腰痛が出た
* 安静にしていても激しく痛み、悪化している

排尿・排便の異常、股周辺の感覚低下、進行する足の麻痺がある場合は、診療時間を待たず救急外来へ相談してください。日本整形外科学会「腰痛」でも、発熱、下肢のしびれや脱力、排尿異常を伴う腰痛は速やかな受診が勧められています。

危険な症状がなくても、水分摂取やトイレ移動が一人でできない場合は、家族や近くの人へ連絡してください。無理に移動せず、電話や声かけで助けを求めましょう。

ぎっくり腰で動けないときの楽な寝方

動けない間は「正しい寝方」にこだわらず、腰痛や足の症状が最も軽い姿勢を選びます。

仰向けで休む場合

仰向けが楽なら、膝の下に枕や丸めた毛布を入れ、膝と股関節を軽く曲げます。

横向きで休む場合

横向きが楽なら、両膝を軽く曲げ、膝の間に枕を挟みます。

うつ伏せで休む場合

うつ伏せで楽になる人は、胸やお腹の下へ薄いクッションを入れます。痛みやしびれが足先へ広がる場合は中止してください。

臨床でも、見た目の姿勢より症状が軽くなる姿勢を優先します。同じ姿勢を我慢せず、可能なら小さく姿勢を変えましょう。

床やベッドから安全に起き上がる手順

ぎっくり腰の応急処置|直後にやるべき4つの対応を理学療法士が解説|ぎっくり腰とは?どうして突然痛くなるのかの解説画像2

起き上がるときは、腹筋だけで勢いよく体を起こさず、肩と骨盤を一緒に動かすことがポイントです。

ベッドから起き上がる場合

  1. 両膝を軽く曲げます
  2. 肩と骨盤を一緒に動かして横向きになります
  3. 両脚をベッドの外へ下ろします
  4. 腕でマットレスを押しながら上体を起こします
  5. 座ったまま10〜20秒待ち、痛みやめまいを確認します

床から立ち上がる場合

  1. 横向きになり、両手を床につきます
  2. 痛みが許せば四つ這いへ移ります
  3. 安定した机や椅子の近くまで移動します
  4. 支えに両手を置き、片膝を立てます
  5. 腕と脚を使ってゆっくり立ち上がります

キャスター付きの椅子や軽い家具は動くため、支えに使わないでください。途中で痛みが急に強くなったら元の姿勢へ戻り、一人で繰り返さず助けを呼びます。

トイレや室内を移動するときの注意点

移動は必要最小限から始め、壁や固定された家具を支えにして小さな歩幅で進みます。

ふらつきがある場合は、一人でトイレへ向かわず介助を頼んでください。腰を深く曲げた姿勢や、壁伝いに急いで歩くことも避けましょう。

冷やす・温める応急処置は短時間で判断する

冷却と温熱は、どちらかで楽になる場合に短時間だけ試し、悪化するなら中止します。

冷やす場合は保冷剤をタオルで包み、1回10分程度を目安にします。直接皮膚へ当てたり、そのまま眠ったりしないでください。熱っぽさや腫れ、発熱があるときは積極的な温熱を避けます。

詳しくは以下の記事で解説しています:ぎっくり腰の応急処置|直後にやるべき4つの対応を理学療法士が解説

ぎっくり腰で動けないときの受診・救急車の目安

救急車を呼ぶか迷う場合は、危険な症状の有無と、安全に受診できる移動手段があるかで判断します。

排尿・排便障害、進行する麻痺、発熱や外傷がある場合は、救急要請を検討してください。危険な症状がなくても、痛みで起き上がれず、水分摂取や排泄ができない場合は、医療機関や地域の救急相談窓口へ連絡します。

痛みが落ち着いたら寝たきりを続けない

自力で起き上がれるようになったら、トイレや室内移動など、必要な動作から少しずつ再開します。

腰痛診療ガイドライン2019では、腰痛に対する安静と活動性維持が検討されています。痛みを我慢して運動する必要はありませんが、必要以上に寝たきりを続けることも避けましょう。

詳しくは以下の記事で解説しています:【必見】理学療法士が教えるぎっくり腰の正しい治療

よくある質問

ぎっくり腰で動けない状態は何日続きますか?

経過には個人差がありますが、急性腰痛は数日から数週間で徐々に軽くなる傾向があります。2〜3日たってもまったく動けない、または悪化する場合は整形外科へ相談してください。

ぎっくり腰で動けないときに救急車を呼んでもいいですか?

排尿・排便障害、進行する足の麻痺、発熱や外傷などがあれば、救急要請を検討します。判断に迷う場合は、地域の救急相談窓口へ症状と移動の可否を伝えてください。

一人暮らしでトイレまで動けない場合はどうしますか?

無理に立ち上がらず、家族や近隣の人など連絡できる相手へ助けを求めてください。水分摂取や排泄ができない状態が続く場合は、医療機関や救急相談窓口へ連絡しましょう。

まとめ:動けないときは無理に立たず安全を優先する

ぎっくり腰の応急処置|直後にやるべき4つの対応を理学療法士が解説|まとめ:まず楽な姿勢、そして動ける範囲で動くの解説画像3

ぎっくり腰で動けないときは、危険な症状を確認し、無理に立ち上がらないことが大切です。

* 排尿・排便の異常、足の麻痺、発熱、外傷後の痛みがあれば速やかに相談する
* 仰向け、横向き、うつ伏せから最も楽な姿勢を選ぶ
* 起き上がるときは肩と骨盤を一緒に動かす
* 一人で移動できない場合は早めに助けを求める
* 痛みが落ち着いたら必要な日常動作から再開する

焦って何度も立とうとせず、まず安全を確保し、症状の変化を確認しながら行動してください。

追記・編集:mamotte運営者 理学療法士 平林


参考文献:日本整形外科学会・日本腰痛学会監修『腰痛診療ガイドライン2019』

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。症状が続く場合や不安がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

この記事を書いた人・編集した人
理学療法士 イワモト
執筆:理学療法士(PT)イワモト
1990年から救急病院で理学療法業務を開始。脳血管疾患・整形外科疾患のリハビリを中心に、特別養護老人ホームでの機能訓練指導員・介護業務も経験。臨床経験30年以上。
理学療法士 平林康平
編集・運営:理学療法士(PT)平林康平
2009年理学療法士免許取得、臨床経験17年以上。整形外科クリニック・老健・デイサービス・訪問リハ・障害福祉分野で勤務。腰痛・首痛・しびれなど痛みの治療が専門。マッケンジー法 Credentialed MDT(国際認定)。
mamotteの記事は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の国家資格を持つリハビリテーションの専門職のみが執筆・編集しています。臨床での経験に基づく内容ですが、治療法の感じ方には個人差があり「唯一正しい方法」は存在しません。一人の専門職の意見として、ご自身の体の反応を確かめながら参考にしてください。 ▶ 執筆者プロフィール・国家資格証はこちら
The following two tabs change content below.
mamotte運営者。理学療法士(2009年免許取得・臨床経験17年以上)、マッケンジー法 Credentialed MDT認定。整形外科クリニック・老健・デイサービス・訪問リハ・障害福祉分野で勤務し、腰痛・首痛・しびれなど痛みの治療を専門としています。mamotteの記事は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の国家資格者のみが執筆・編集しています。

スポンサードリンク



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

mamotte運営者。理学療法士(2009年免許取得・臨床経験17年以上)、マッケンジー法 Credentialed MDT認定。整形外科クリニック・老健・デイサービス・訪問リハ・障害福祉分野で勤務し、腰痛・首痛・しびれなど痛みの治療を専門としています。mamotteの記事は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の国家資格者のみが執筆・編集しています。