精神科作業療法士の役割ってなにをするのか考察してみた

精神科作業療法士の役割

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作業療法士安田
こんにちわ。

mamotteライターで精神科作業療法士の安田です。

突然ですが、あなたは、精神科作業療法士って知ってますか?

あまりなじみがない言葉だと思いますし、知らない人の方が多いでしょう。

私自身も作業療法士の世界に入るまで知りませんでした。

私は、精神科作業療法士として、培った経験を記事にしていきたいと思います。

その中で、今回は【精神科作業療法士の役割とは何か?】というテーマを記事にしました。

この記事を読めば、

◎ 精神科作業療法士の役割について知ることができます。

最後まで読んで、精神科作業療法士とは何か?どんな役割があるのかを知って欲しいと思います。

それでは、本日もよろしくお願いいたします。


※この記事はリハビリテーションの専門家である、作業療法士の思考を紹介しています。

国家資格を取得しており、実際の現場で学んできています。

ですので、信憑性や信頼性は間違いありません。

しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。

共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して欲しいです。

で、何が言いたいのかというと、この記事の内容が絶対正しい!!とは思わないでください。

という事です。

いち、作業療法士の考えであると、捉えて欲しいです。

この記事があなたの役に立てばうれしいです。

では、宜しくお願いいたします。

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1 精神科作業療法士の役割について紹介する

早速ですが、ここでは、作業療法士の役割について紹介していきます。

1-1 精神科作業療法士の役割って何?

精神科で働いている作業療法士ってなに?

どんな仕事してるの?と思う人も多いでしょう。

作業療法士って精神科でもリハビリをするの?

って、少しでも思いませんか。

作業療法とは、「身体又は精神に障害のある者、またはそれが予測される者に対し、その主体的な生活の獲得を図るため、諸機能の回復、維持及び開発を促す作業活動を用いて、治療、指導及び援助を行うことをいう。

一般社団法人 日本作業療法士協会:作業療法ガイドライン2012年度版より引用)

このようにしっかりと定義されているんです。

私は、作業療法士の学校に通うまで精神科作業療法士なんて知りませんでした。

精神科作業療法士もリハビリテーションを担う職種の1つということが言えます。

1-2 精神科作業療法士ってなにをするの?

作業療法士ガイドラインには、 「主体的な生活の獲得を図るため、諸機能の回復、維持及び開発を促す作業活動を用いて、治療、指導及び援助を行う」とされています。

なんか、専門的な言葉すぎて難しいですよね。

少し噛み砕いてみると、 その人らしい生活ができるように、作業活動を用いて一緒に考えていこう。

って感じで思ってください。(すごいざっくりですが、、笑)

というのも、ここで大事なのが「作業活動って何?」ってことです。

作業療法的には、「作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す」

「作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる。」

と、日本作業療法士協会が定めています。 

日本作業療法士協会

生活に必要なこと全部じゃん・・・・って感じですよね。

そうなんです。

生活に必要な事全部なのです。

こうして文章を読むことも作業ですし、精神科作業療法士って何だろうと思って、検索しているのもそれなりにいます。

厳密に言うともっと個人に焦点化された活動のことを「作業」と言うのですが、ここでは簡単にまとめて「作業」としています。

もっと専門的に言うと、「人間作業モデル」とか「作業科学」とかいろんな考え方があるんですけど、このあたりはまたの機会にして。

精神科作業療法士は、そういった「作業」を手段にして患者さんと関わっていく。

という事です。

2 そもそも精神科作業療法って何?

では、精神科作業療法について知る為には、作業療法の起源を知って欲しいです。

精神科作業療法って作業療法の中でもマイナーで認知されていない部分が多いよね。

と、遠回しに言いましたが、実は作業療法の起源は精神科だったのです。

精神科と言うと【怖い】とか、【危ない】というイメージがありませんか?

それは歴史的に作られてきたイメージで、昔は精神疾患を持つ者は病院に閉じ込められ隔離収容されていました。

閉じ込めて薬を使って病気が治れば外に出れるという荒療治だったのです。

現在のような効果的な薬が少ない中でのこのような治療はよくはなかったのだと個人的には思います。

そこで立ち上がったのが、当時の治療に疑問を持つ人たちでした。

その人たちは、入院しているからと言って何もしないさせないのではなく、適度に活動をするべきだと考えました。

実際に、活動を通して多くの人が変わり、活動には人に大きな影響を与えることがわかったのです。

このことが広がって作業療法は確立されていきました。

このような過程があって、精神科作業療法が生まれたと言えるのです。

3 作業療法士は精神科でどんなことを提供するのか?

では、精神科作業療法士はどんな事を患者さんに提供できるのでしょうか?

それについて話していきたいと思います。

3-1 患者さんに精神科作業療法士が提供できる事

まず疑問点として。

  • 作業活動を手段として関わるってどういうこと?
  • 実際に何が提供できるの?

という事を思うのではないでしょうか。

で、まず押さえておきたいことは国が定めている基準です。

(1)精神科作業療法は、精神疾患を有するものの社会生活機能の回復を目的として行うも のであり、実施される作業内容の種類にかかわらずその実施時間は患者1人当たり1日 につき2時間を標準とする。

なお、治療上の必要がある場合には、病棟や屋外など、専 用の施設以外において当該療法を実施することも可能であること。

(2) 1人の作業療法士が、当該療法を実施した場合に算定する。

この場合の1日当たりの取扱い患者数は、概ね 25 人を1単位として、1人の作業療法士の取扱い患者数は1日2単位 50 人以内を標準とする。

(3) 精神科作業療法を実施した場合はその要点を個々の患者の診療録等に記載する。

(4) 当該療法に要する消耗材料及び作業衣等については、当該保険医療機関の負担とする。

厚生労働省による「平成30年度診療報酬改定」から引用

と、なっています。

要するに精神科作業療法士1人が、25人の患者さんに対して、2時間のプログラムの中でまとめて関わってください。

って国は言ってます。

なので、私達はこの決められた枠組みの中で関わっています。

精神科作業療法士が提供できる内容の大部分は集団プログラムとして、「何時からこんなプログラム、午後はこんなプログラム」という感じで、週間・月間スケジュールになっていることが多いです。

各プログラムには、対象となる患者さん、目的や狙いがあり、誰でも好きなものに参加できるわけではありません。

また、作業療法に参加するには医者からの指示が必要になるので誰でも参加できるわけでもないんです。

とは言っても、入院中に作業療法が必要ありません!という人は基本的にはいないのではないかとも思います。

精神科作業療法では「楽しむ」こともとても大切なので、幅広い方が対象になります。

しかし、仕事・家庭など人間関係の中で疲れてしまって入院してきた方や、長い間人との関わりを遮断してきたような方々が、すぐにプログラムに参加できるとは限りません。

病気がなくても人付き合いって疲れますよね。

患者さんの中には、誰かに悪口を言われたり命令されたりする「幻聴」や、周りの人に見張られているように感じる「妄想」などの症状があり、他人や周囲にとても敏感になっている人もいます。

そういった方に対しては個別の作業療法というものがあります。

制度的にはしっかりと定められてはいませんが、とても大切なものなんです。

「参加したいけど、いきなり大人数の中に入るのは怖いな」という方にはハードルを下げましょう。

「誰とも関わりたくない」と言って、部屋にこもっている方には、プログラムとしてではなく何気なくお部屋を訪ねて少しだけお話してみたりするのがいいでしょう。

このような関わりを続けることで「実は誰かと話したかったんだ」と気付くことができた。

など、プログラムに参加する前段階の関わりとしてよく使われます。

さらに個別の作業療法では、プログラムに参加している方に対しても行うことがあります。

例えば「退院が近づいてきたけど、ちゃんと通院できるか不安だな」という方とは、一緒に外出してみたり、「相談できる人がいなくて」という方には、ますば自分が相談相手になってみたりと、様々な使い方があります。

このように、精神科作業療法士が患者さんに直接提供できることは、集団作業療法(プログラム)と個別作業療法の二本柱になります。

3-2 精神科作業療法士のプログラムについて

では、プログラムってどんなことをしているのでしょうか。

人の生活の多くは作業であるように、プログラムも多岐にわたります。

病院の特徴やどんな方が入院しているかなどでプログラム編成は大きく変わるので、プログラムは病院の特徴が出ると言ってもいいと思います。

活動の例をいくつかあげると、

  • 手芸や革細工
  • ぬりえ
  • パズルなどの制作活動
  • 余暇活動としてのヨガ、将棋、オセロ、カラオケ、茶話会

他にも、ソーシャルスキルトレーニング(sst)や疾病教育など勉強要素を含むものまで様々です。

これらの活動がプログラムの軸になるのですが、ただ活動を提供するだけなら誰でもできます。

プログラムとして提供するには、患者さんの病期や疾患に合わせた環境設定がとても重要で、『環境設定によりプログラムの効果を最大限に引き出す!』

ここに作業療法士の視点が求められるんだと思います。

例えば、急性期の不安定な患者さんが多い場合には工程が多く複雑なものより反復作業のような単純な活動を選びます。

単純な活動にはぬりえなどがあるんですが、ぬりえのメリットは作業に没頭することで不安な気持ちから離れたり、指先の細かな動きを感じることで崩れている心と身体のバランスを統合していく効果があります。

でもぬりえって個人作業ですよね。

個人作業を集団でするって意味あるの?って思うかもしれません。

直接的な交流はないけど他者と一緒に過ごすことってとても重要です。

例えば一人でご飯を食べるより、みんなでご飯を食べた方が何となく気分はいいですよね。

家族となら会話がなくても食卓を囲う安心感があるでしょう。

そういった、他者と場を共有することって自分を感じることにつながるんです。

だから、個人作業でも集団で取り組むことって大切だと言えます。

さらに、急性期の方々は対人緊張が強いことも多いので個人作業があることで集団に入りやすくもなります。

環境設定はまだまだ細かいのですが、こんな感じで精神科作業療法士が提供するプログラムは、目的や参加する方に合わせて活動と環境を設定しています。

4 患者さんはどんなメリットを受け取れるのか?

次に、患者さんはどんなメリットが受け取れるのか話していきます。

4-1 精神科作業療法士のリハビリを受けてどうなるのか?

では、患者さんの立場から精神科作業療法を考えてみたいと思います。

一番気になることは、どんな効果があるの?ってことではないでしょうか。

結論から言うと、大きく分けると2つあって。

  1. 様々な目に見えない効果
  2. 長期的な効果

となります。

では、①の目に見えない効果についてお話します。

当たり前のことですが、心や人間の内面って見えないですよね。

だから、効果も目に見えるものではないんです。

目に見えない効果とは、ホッとしたとか、楽しかった。

というその時の気持ちの変化、焦りや不安が軽くなった、症状が落ち着いてきたなど患者さん自身が感じる主観的な変化の事をさします。

また、周囲が感じる表情の変化や、活動範囲の拡大、生活リズムの安定など日々の生活に現れる効果。

病気との付き合い方がうまくなった、病院や様々な社会資源をうまく使えるようになったなど長期的に見える効果などがあります。

なかなか効果を実感するのって難しそうですよね。

なので、作業療法士は患者さんとよく話をします。

最近の自分の状況を振り返って、言葉にすることは変化を感じることにつながります。

我々、作業療法士側もそうやって患者さんの状況を知ることができます。

目に見えない効果はやっぱり話してみることが1番だと思います。

話してみる事で関係性も深まり、関係性が深まる事で良い治療効果につながるという事がいえるのです。

次に②の長期的な効果について話していきます。

一言でいうと自分を知るってことです。

自分を知るってなに?・・・・て思うでしょう。

まず、患者さんたちの目線で考えてみてほしいのですが。

精神疾患を抱えた患者さん達は、社会生活の中で頑張りすぎたことで精神疾患を抱えてしまった。

という事が考えられます。

つまり、自分自身ではわかっていないのです。

『なんで、私(俺)が精神疾患になってしまったんだろう・・・・・』と思っているのです。

でも、なんでこうなってしまったんだろうって、考えてもなかなかわからないですよね。

自分を見つめなおさないとわからないと思います。(まぁ、自分を見つめなおしてもわかららない場合もあると思いますが笑)

だから元気になって社会生活に戻っても同じことを繰り返してしまうことってよくあるんです。

そういった時にも精神科作業療法の出番です。

なぜかというと、作業や活動って、その人らしさがよく出るからです。

たとえば、モノづくりなどの制作活動を例にしてみると。

  • まず、段取りを考えて進める人
  • とりあえずやってみる人
  • デザインで悩み全く先に進まない人

という様に、制作活動を始める段階でもこれだけ性格の違いや取り掛かるきっかけが違うことがわかります。

これって、大分性格の差がでますよね。

これが「その人らしさ」です。

また、制作活動の中には対人関係の要素もあって。

  • セラピストに言われたまに取り組む人
  • 人に聞くことができる人
  • 周囲の人と話しながら進める人
  • 一人で黙々と取り組む人

など、様々な人がいます。

ほかにも、集中力が続かなかったり、まったく休めなかったりと制作活動一つとっても、「その人らしさ」がよく現れまるのです。

こうした「その人らしさ」は、生活全般に現れることが多く、「その人らしさ」という性格によって、社会生活のつまづきを起こししてまうのです。

そして、つもりに積もって、気付いた時に精神疾患と言われる症状を抱えてしまっていた。

という事が考えられるのです。(で、注意して頂きたい事は、性格が悪いから精神疾患になってしまう。という事ではありません。)

このような事を患者さんとセラピストは振り返っていくことで、社会生活の復帰や精神の回復につなげていく。

これが精神科作業療法を通して自分を知るってことだと思います。

で、結論としては、どっちにしろ精神科作業療法の効果ってわかりにくいんです。

だから効果をより高めるには、患者さんとセラピストが事前に目的や目標を共有し、定期的に振り返ることが大切になると思うのです。

5 まとめ・作業療法士安田の考え・意見

作業療法士安田
今回は、精神科作業療法について自分の経験を交えつつまとめてみました。

歴史や制度など堅苦しい話もありましたが、少しは精神科作業療法の面白さが伝わったでしょうか?

私自身、患者さんにかかわる中でやりがいや面白さがたくさんある職業だと感じています。

精神科作業療法では、実際に患者さんと同じ時間を過ごし、不安や苦しさだけでなく楽しさや安心感など様々なことを共有します。

そうした関りの中で、私たちは治療者と患者さんではあるけど、それ以上に人と人との関りがとても大切だなと実感します。

リハビリ職は患者さんと同じ目線に立ち、一緒にいろんなことを乗り越えることができる仕事だと思います。

その中でも、患者さんの人生に寄り添い、患者さんの考えや価値観に触れることができるのは、精神科作業療法が一番なんじゃないかと思います。

作業療法士を目指す人は、精神科作業療法がおすすめですよ。(笑)

また、まだ精神科作業療法を受けたことがないという方には、ぜひ利用していただきたいと思います。

精神科に入院している方や通院している方は誰でも利用できるはずですよ。

この記事で私が伝えたいことは以上になりますが、リハビリ職を目指す人も精神疾患をお持ちの方も精神科作業療法の面白さを知ってもらえればうれしいです。

執筆:mamotteライター 精神科作業療法士 安田

編集:運営者 理学療法士 平林

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