首の痛みはなぜ起きるのか?原因をリハビリのプロが考える

首の痛みは何故起こる。

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理学療法士 イワモト
おはようございます。

mamotteライターで理学療法士のイワモトです。

首の痛みは、仕事や日常生活にも支障をきたす辛い症状です。

首の痛みの原因には、首の使い過ぎをはじめとして、様々なものがあります。

一体どんなものがあるのでしょうか?

そして、どんな原因があるのでしょうか?

今回は、【首の痛みの原因】を理学療法士が考えるというテーマで話します。

この記事を読めば、

◎ 首の痛みの原因がわかって、解決策を知って、辛い症状から脱却できる

といったメリットがあります。

首の痛みに悩まされているあなたの力になる事でしょう。

是非、最後まで読んでください。

では、本日もよろしくお願いいたします。


理学療法士 平林
※この記事はリハビリテーションの専門家で、理学療法士である運営者平林と、理学療法士イワモトの思考と考えを交えて紹介しています。

私達は国家資格を取得しており、実際の現場で学んできています。

ですので、信憑性や信頼性は間違いありません。

共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して欲しいと思います。

で、一番伝えたい事は、【この記事の内容が絶対正しい!!】とは思わないでください。

という事です。

記事の内容は自信を持って提供していますが、医療の世界は個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。

ですので、一つの理学療法士の考えである。と捉えて欲しいです。

この記事があなたの役に立てばうれしいです。

では、宜しくお願いいたします。

mamotteライターの紹介


1 首の痛みの原因を考えてみた

首の痛みは、頸椎などの病気によって生じることもありますが、ここでは病気以外の原因についてご紹介します。

1-1 姿勢の原因

「悪い姿勢は、腰痛の原因」ということをご存知の方も多いでしょう。

これと同様に、悪い姿勢は、首の痛みの原因にもなります。

近年スマホの普及による姿勢の悪化が問題視されています。

最近の研究によって、首の傾きが大きくなると、首にかかる物理的なストレスが大きくなることが分かっています。

まっすぐに立った姿勢では、頭の重さ(約5㎏)を支えていますが、首を30°下に向けるとその負荷は約18㎏まで上昇します。

さらに傾けて60°では、なんと27㎏という大きな値となってしまいます。

スマホ首

(頭を60°前に倒すと、首への負荷は約27㎏と言われています。)

このように姿勢の悪化は、首への負担上昇に直結します。

この負担の増加は、筋肉や椎間板、関節などの痛みの原因となります。

1-2 仕事環境の原因

長時間下を向いての作業、精密作業やライン作業などは首への負担が大きくなります。

このような仕事を長期にわたって行っている場合、首の痛みを起こしやすくなります。

これは、上記とリンクしていますが、長時間下を向いていれば、一日中首へ負担をかけている事になります。

なので、首に痛みを引き起こしてしまうのは容易に想像できるでしょう。

1-3 ストレス

ストレスと痛みの関係も非常に高いです。

首の痛みに限ったことではありませんが、ストレスは痛みを増強させる事が多いです。

ストレスが無い状態では痛みとして感じないものが、ストレスがあると、痛みを感じるようになることがあるのです。

これは、ストレスが脳内の神経伝達物質のアンバランス、神経系の抑制などを引き起こしていると考えられています。

普段から首に負担がかかりやすい人に精神的なストレスが加わることで、首痛を発症しやすくなると考えられます(同時に腰痛なども起こりやすくなります)。

なので、ストレスを貯め込んでしまう事も首の痛みの原因ともなるのです。

2 首の痛みが主な病気ってなに

首の痛みは、病気が原因で起こることもあります。

ここでは、首の痛みにかかわる主な病気をご紹介します。

2-1 頸椎症:けいついしょう

頸椎症は、中高年以降に見られることの多い疾患です。

椎間板や骨が変性し、椎骨間の狭小化、骨棘(こつきょく:とがった骨)の発生、変形などを生じます。

その結果、神経の通り道が狭くなる(脊柱管狭窄)などを起こし、痛みやしびれの原因となります。

2-2 頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア

椎間板ヘルニアと言えば腰が有名ですが、首でも起こります。
椎間板のイラスト

椎間板の中の髄核(ずいかく)が移動し、神経根や脊髄を圧迫することで神経症状を起こします。

頚部の不快感、痛み、こりなどに始まって、手や腕へのしびれのような痛みや手指のしびれ、筋力低下などを起こします。

脊髄を圧迫した場合においては、しびれが体幹、下肢におよんだり、中枢神経障害としての麻痺を起こしたりすることがあります。

また、排泄障害を引き起こすこともあるため注意が必要です。

2-3 胸郭出口症候群:きょうかくでぐちしょうこうぐん

「胸郭出口(きょうかくでぐち)」という名称は、聞きなれないかもしれません。

胸郭出口とは、鎖骨と第一肋骨がつくる隙間のことを言います。

この隙間を通る動脈や神経が、何らかの理由で圧迫されると、首・肩・手などに痛みやしびれを生じます。

このような胸郭出口で起こる症状を、まとめて胸郭出口症候群と呼んでいます。

原因によってさらに分類されています。

胸鎖乳突筋

神経と動脈は、前斜角筋と中斜角筋の間(斜角筋隙:しゃかくきんげき)の下部(第一肋骨の上)を通る

① 斜角筋症候群(しゃかくきんぐん)

前・中斜角筋によって、神経・血管が圧迫される。

② 肋鎖(ろくさ)症候群

鎖骨と第一肋骨の間で、神経・血管が圧迫される。

③ 過外転(かがいてん)症候群

小胸筋の下で神経・血管が圧迫される。

④ 頚肋(けいろく)症候群

第7頸椎にできた異常な骨(頚肋)によって、神経・血管が圧迫される。

なで肩の若い(20代)女性に多い(男性の2~3倍)と言われています。

2-4 頭痛

肩・首のこりが原因として、頭痛を生じることもあります。

逆に、頭痛から首の痛みを生じることもあります。

また、先に何らかの理由で頭痛を生じた場合、痛みが原因となって、首や肩の筋肉が緊張することがあります。

そして、首の筋肉の緊張が続くと、筋肉の疲労や局所的な循環障害などを生じ、痛みの原因となることも考えられます。

2-5 肩周囲の痛み

頭痛と同様に、肩の痛みは、その周囲の筋肉を緊張させます。

肩甲骨や鎖骨は、肩関節の一部ですが、これらの骨には頚部の筋肉も多く付着していています。

したがって、肩と首には、大きな関連性があります。

このようなことから、肩の痛みは、首の筋肉の緊張を上昇させ、結果として首痛を誘発することがあると考えられます。

2-6 その他

多くの方が経験する痛みとして「寝違え」があります。

原因が特定されないものです。

通常自然と治ります。

そのほかには、交通事故などによるむち打ち症(頸椎捻挫)も比較的起こりやすいものです。

多くはありませんが、後縦靭帯骨化症やリウマチ性脊椎炎、腫瘍などによって首に痛みを生じることがあります。

3 首の痛みの解決策を公開

首の痛みは、各種の病気が原因で生じることもあります。

このような場合、医師の診断と適切な治療が必要となります。

しかし、そのような病気が原因ではない首痛は、セルフケアによって改善できる可能性があります。

ここでは、自分で行うことのできる解決策をいくつかご提案します。

病院では特に異常なしと言われたけれど、やはり首に痛みがある方など、試していただければと思います。

① 姿勢を良くする

もう、このサイトでは何度もお伝えしていますが。

たかが姿勢、されど姿勢です。

姿勢が与える影響はとても高いです。

姿勢の悪化は間違いなく首や腰に悪影響を及ぼします。

あなたは、一日の生活の中で、どんな姿勢が多いですか?

座位の時の良い姿勢 参考

上記のイラストのように、悪い姿勢になっていませんか?

ご自身でも姿勢が悪い。と感じている方は多いのではないでしょうか。

椅子に腰かけて、下を向いている時間が多い方もいらっしゃるでしょう。

であれば、まずは長時間悪い姿勢になっているのを意識して良くしてみてください。

上半身が前に倒れた姿勢は腰部の負担が大きくなり、顎が前に出た(頭部が前方にある)姿勢は、胸郭出口症候群の原因ともなります。

上半身を起こして、顎を引いて、真っすぐのイメージな良い姿勢を取るように心がけましょう。

100%良い姿勢を保つのは不可能ですし、また、する必要もありません。

しかし、良い姿勢を意識する。ことは重要です。

全体の半分の時間、良い姿勢をつくることを目標にしてみてください。

意識を保って継続することが大切です。

② ストレッチや体操をする

首・肩のストレッチや体操も効果的です。

仕事の合間にも取り入れてみてください。

では、簡単にできるものをご紹介します。

● 肩甲骨の内側のストレッチ

肘で円を描くように、肩甲骨の動きを意識してください。

● 首の側屈

左右の首の筋肉のストレッチ

真横だけでなく斜め前にも行う
(手で力をかけなくてもよい)

● 首の前屈

首の後方の筋肉のストレッチ
(力をかけすぎないように注意)

● 肩甲骨を開く

上背部のストレッチ
しっかりと手を突き出すように

● 肩甲骨を閉じる

胸(胸郭)のストレッチ

後ろで組んだ手を上げる

③ その他

日ごろのストレスを軽減するためのストレス解消や、良質な睡眠時間の確保なども有効です。

スマホやタブレットの使用時間を制限するなどの生活習慣改善も、検討したほうが良いでしょう。

4 二足歩行って意外と首には良心的な姿勢である。という考え

理学療法士 イワモト
※ 理学療法士 イワモトの意見・考え ※

人類は二足歩行をするようになったため、腰痛を生じるようになったという話を聞くことがあります。

首の痛みについても同様に語られることがあります。

であれば、四つ這いの姿勢を取れば、首の痛みはなくなるのでしょうか?

実際にやってみると、首の後ろの筋肉が疲れて痛くなってきます(私自身の実験では)。

人の頭は重いので、脊柱の上に乗せてバランスをとることができれば、筋力を使わずに支えることができるのですが、首を傾けることで、大きな筋力が必要となります。

つまり、重い頭を持つ人類にとっての二足歩行は、首にとっては省エネとなると考えられます。

そのせいで、首の筋力が低下してしまったのかもしれません。

今の人類が四つ足歩行をしようと思えば、強力な首の筋力が必要となるでしょう。

四つ足で行動するなら、ゴリラのような発達した僧帽筋が理想でしょうね。

現代人の弱った首の筋力・骨格では、重い頭部を、余裕をもって支えることができません。

なので、長時間下を向いてのスマホ操作などは、本来、現代人には無理なのでしょう。

頭部を良い位置に保ってバランスをとることが、現代人には必要であると思います。

5 まとめ

今回は首の痛みの原因についてお伝えしました。

首の痛みは、姿勢、仕事の環境、ストレスなどが原因によって起こることがあります。

また、頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症などの病気が原因となることもあります。

病気が原因である場合、医師による適切な治療が必要となりますが、それ以外では、セルフケアを行うことで、症状を改善させることが可能です。

セルフケアとしては、姿勢の改善、ストレッチ・体操などを意識して行うことが挙げられます。(もう、これも何度もお伝えしてきていますよね。)

また、長時間スマホを使用しないなどの生活習慣の改善も必要となるでしょう。

このような事などを行い、首への負担を軽くして、首痛の改善に取り組んでいただけたら嬉しいです。

執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林


理学療法士 平林
※ 編集を終えて・最後に ※

首の痛みの原因には沢山の理由があります。

沢山の原因がある中で複合している人もいるし、一つの病状だけで苦しんでいる方もいるでしょう。

そこを見極めるのって、ホント難しいと思います。

お医者さんでも、問診やレントゲンとMRIをとってその結果からしか診断できないので、100%間違っていない。

という診断を下すのは難しいと思うのです。

というか、100%の診断は誰もできないのではないかなぁ・・・・と。

僕の知っている人で、50代半ばでありますが、後縦靭帯骨化症と診断された方がいます。

しかし、その方、現在でも仕事をしており、たまに、手がしびれる程度という状態です。

このまま対策をせずに放置すると症状が悪化してしまう可能性もありますが。

現段階では、仕事も生活もできていて、問題ありません。

という中で、このタイミングでも手術を勧めるお医者さんがいるのです。

え、普通に仕事も生活も遅れているのに、後縦靭帯骨化症の要素があるだけで手術を進めてしまうの!?

って感じなのですが。

このようなお医者さんもいるよ。という話であります。

なので、だから、安易に手術はしない方がいいと思うよ。

という気持であります。

あれ、話がそれたが。笑

んん~、、、で戻ると。

首の痛みの原因は沢山の要素があるし、人それぞれ異なっているよ。

という事です。

まとめると、なによりも、あなたの首の痛みが改善すれば嬉しく思います。

本日も最後までありがとうございました。

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