筋ジストロフィーの遺伝形式をわかりやすく説明する

筋ジストロフィーの遺伝について

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※この記事はリハビリテーションの専門家である、作業療法士の思考と考えを交えて紹介しています。

内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。

学んできた経験があります。

ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。

しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。

共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。

ですので、この記事の内容が絶対正しい。

とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。

というように捉えてほしいと思います。

この記事があなたの参考になれば嬉しいです。

是非、宜しくお願いいたします。

mamotteライターの紹介


作業療法士 ナカガワ

こんにちわ。

mamotteライターで作業療法士のナカガワです。

前回は、筋ジストロフィーの特徴について紹介しましたが、

今回は、細分化して、筋ジストロフィーの遺伝について説明していきたいと思います。

筋ジストロフィーは、

遺伝的要素が大きいと言われており、

染色体の変異によって発症する事が明らかになっています。

変異の仕方は、

  • X染色体連鎖
  • 常染色体優性遺伝
  • 常染色体劣性遺伝

の3つに分けられています。

筋ジストロフィーを理解するためにも、

この変異について知っておく必要があります。

この変異を知る事によって、

筋ジストロフィーの原因が理解できるようになると思います。

では、本日もよろしくお願いいたします。

1 筋ジストロフィーの発症原因の遺伝について深く調べた

筋ジストロフィーとは、

筋繊維の壊死と再生を繰り返しながら、筋の萎縮と筋力低下が進んでいく進行性の遺伝性筋疾患です。

骨格筋(骨格に付着し姿勢や運動に関わる筋肉)のジストロフィー変化を示します。

ジストロフィー変化とは、筋線維の大小不同・円形化・中心核の増加・結合組織の増生・脂肪化を特徴として。

筋線維束の構造が失われていくことです。

病型がいくつもあり、遺伝形式・性別・症状・予後などにそれぞれ違いがあります。

今回は、

遺伝という観点からイラスト1を元に詳しく解説をしていきたいと思います。

※ イラスト1

1-1 X染色体連鎖について

まず、XXの染色体を持つのが女性で、XYの染色体を持つのが男性です。

この形式は、女性のX染色体に変異があると次世代に引き継がれ発症します。

この女性を母親として、子どもは女児の場合X染色体が2本あるため2分の1の確率でキャリアとなります。

キャリアとは、発症はしませんが遺伝子に変異を持つ保因者のことです。

男児の場合はX染色体が1本しかないため、2分の1の確率で発症します。

1-2 常染色体優性遺伝について

常染色体とは、性染色体以外の染色体で人間の体細胞には22対44本の常染色体があります。

この形式は一対の遺伝子の片方に変異があると発症します。

父親か母親かどちらかの遺伝子に変異がある場合ということです。

よって子供への遺伝の確率は2分の1です。性染色体ではないので男女の性差はありません。

1-3 常染色体劣性遺伝について

一対の遺伝子の両方に変異があると発症します。

父親と母親の両方がキャリアである場合ということです。

このようにキャリア同士での子供への遺伝確率は、4分の1で発症します。

4分の2がキャリアとなります。

近親婚で発症確率は高くなります。

こちらも性染色体ではないので男女の性差はありません。

2 遺伝子の突然変異について

筋ジストロフィーは遺伝性の高い疾患ですが、遺伝子の突然変異によっても発症します。

現にデュシェンヌ型では3分の1が遺伝子の突然変異によるものです。

では、

遺伝子の突然変異とはどのようなメカニズムなのでしょうか。

生殖細胞変異:親から受け継ぐ先天的なもので、全細胞にみられるDNAの変異です。

精子や卵子の生殖細胞の中に異変があり、次世代にずっと受け継がれていきます。

細胞の分裂に伴い変異も複写されてしまうので、分化した細胞全てが同じ変異を持つことになるのです。

後天的変異(体細胞変異):遺伝性とは違い、ひとつひとつの細胞のDNAの中で起こります。

細胞が分裂していく過程でミスが起こる場合などがそれにあたります。

変異が起こった細胞に由来する細胞へ引き継がれていきます。

誰もが遺伝子の突然変異の可能性を持っています。

それには個人差があり、DNAが損傷した場合の修復能力であったり、疲労や加齢、また化学物質など様々な要因が関係しています。

3 遺伝の確率について

遺伝の形式については前項で説明したとおりです。

ここでは、

デュシェンヌ型・ベッカー型・福山型について確率や特徴を詳しく解説していきます。

3-1 デュシェンヌ型の発症率

日本に生まれてくる男の子のうち約3500人に1人が発症するとされています。

筋ジストロフィーの中で最も多く症状も重い型です。

【特徴】

X染色体劣性遺伝の形式を取ります。

母親の遺伝子の変異により男児にのみ発症しますが、必ずしも遺伝とは限らず突然変異のケースが3分の1を占めています。

女児は症状が出ず保因者となりますが、腓腹筋の肥大やCK値の上昇などの症状が出るケースもあります。

デュシェンヌ型は、X染色体のジストロフィン遺伝子に変異があり、ジストロフィンたんぱく質が欠損しています。

ジストロフィンは、筋細胞膜を保ったり補強したりする役割があるのですが、欠損していることにより、筋細胞膜が脆弱になり筋繊維の変性や壊死を起こしてしまうのです。

検査では、ck値が著明に上昇します。

CKとはクレアチンキナーゼのことで、筋肉細胞におけるエネルギー代謝に重要な役割を果たす酵素の一種です。

乳児期ではわかりにくく、3~5歳の幼児期に転びやすい・走るのが遅い・階段昇降が上手く出来ないなどの症状から発見されます。

筋力が弱いので、床から立ち上がるときに床に手をついて、臀部を高く挙げて立つ方法を取ります。

さらに症状が進行すると、床に手をついて次に膝に手をあてて立つ方法を取ります。(登はん性起立)

歩くときにお尻を振って歩く動揺性歩行も特徴です。

また、

ふくらはぎの筋肉(以下腓腹筋)が太く、仮性肥大をを起こします。

これは筋の組織が崩壊したあとに脂肪組織に置き換わるためです。

筋力低下は、左右対称的に起こります。

症状が進行していくにつれ、筋の萎縮は近位(体幹に近いほう)から遠位に起こります。

例えば肩から肘、手首という順です。

10歳前後で起立・歩行が困難になり車椅子が必要になります。

20代で心不全・呼吸不全で死に至るケースが多いのですが、医療技術の進歩により生命予後は伸びてきています。

3-2 ベッカー型の発症率

日本に生まれてくる男児のうち約30000人に1人が発症するとされています。

【特徴】

X染色体劣性遺伝の形式を取ります。

デュシェンヌ型と臨床像が似ています。

しかし、

デュシェンヌ型が、ジストロフィンたんぱく質が完全に欠損しているのに対し。

ベッカー型はわずかながら生産され存在します。

よってデュシェンヌ型より症状が軽くなります。

発症年齢や進行速度には個人差があり、幅が広いです。

5~10歳の児童期に、転びやすい・走ることや階段昇降が上手く出来ないなどの症状で発見されます。

15歳過ぎても、歩行可能なケースが多く、中年以降まで生存します。

デュシェンヌ型と同様、近位筋から侵され起立や歩行が困難になります。

腓腹筋の仮性肥大も起こります。

ベッカー型に特徴的なのは、筋痛を起こしやすいこと・心肥大や心不全を起こしやすいことです。

自覚症状がなくても、定期的に心臓の検査を受けることが必要です。

3-3 福山形の発症率

日本に生まれてくる全ての子どものうち1万人に1人が発症するとされています。

日本の先天性筋ジストロフィーの中で最も多い型です。

【特徴】

1960年に福山幸夫教授によって報告されました。

常染色体劣性遺伝の形式を取り、9番目の染色体の変異によって起こります。

両親ともに遺伝子の変異がある場合に発症し、男女差はありません。

発症はしなくても保因者は80人に1人はいるとされています。

日本特有の疾患で、2000~3000年ほど前に日本人の祖先に突然変異が起こり広まったと言われています。

福山型は遺伝子のたんぱく質を作る情報部分に、余計な情報が書き込みをされているために正常なたんぱく質を作ることが出来ません。

筋細胞は、基底膜と細胞膜の2枚の膜で出来ています。

その2枚はボルトのようなもので固定されています。

そのボルト部分はいくつかのたんぱく質で出来ており、その中の補強する作用を持つaジストログリガンという物質が、遺伝子の異常によって正常に作られません。

よって、筋と筋の連結がもろく、不安定になり筋ジストロフィーを発症するのです。

新生児や乳児期に首の座りが悪い・寝返りやお座りが遅いなど、筋力のなさや筋緊張の低下からくる発育の遅れによって発見されます。

座位は、可能でも歩行は困難というケースが多いのですが、個人差が大きく出来る人もいます。

腓腹筋や頬筋の仮性肥大、また、精神遅滞やけいれんといった中枢神経症状を伴うのが特徴です。

誤嚥性肺炎や心不全を起こしやすく、20代で死亡するケースが多いですが医療技術の発達により生命予後は伸びています。

検査ではck値のほか、AST,ALT,LDHの上昇を認めます。

筋繊維の円形化・間質の増生はありますが、デュシェンヌ型と比べ壊死・再生は少ないです。

4 まとめ

作業療法士 ナカガワ
※ 作業療法士 ナカガワ ※

いかがでしたか?

遺伝子というものがいかに人間の体を左右するかをおわかりいただけたかと思います。

非常に奥が深いですね。

筋ジストロフィーに対する根本的な治療法は、確立されておらず。

対処療法や合併症の予防が主になります。

その中で、リハビリテーションは大きな役割を果たすと私は思っています。

この病気に罹った患者さんは、「遺伝だから仕方ない」と抗えないような気持ちになってしまうかもしれません。

しかし諦めず、病気と向き合ってベストを尽くしていただきたいです。

 

執筆:mamotteライター 作業療法士 ナカガワ

追記・編集:運営者 理学療法士 平林

 

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