執筆者・運営者は、理学療法士や作業療法士のリハビリテーションに関する国家資格を取得して、実際の現場で学んでます。
記事内で紹介している内容は、リハビリテーションの視点を持ったセラピストの意見です。
共感できる部分は共感して頂き、納得できる内容は納得していただけると幸いです。
また、記事の内容は自信を持って提供していますが、【内容が絶対正しい!】とは思わないでください。
世の中には、沢山の治療方法、治療スタイルや考え方があって。
個人的な意見や見解も沢山あり、どれが正しくて、どれが間違っているのか?
これは、個人の解釈によって大きく違ってきます。
ここで言えるのは、実際に試してみないとわからない。という事です。
【100%これが正しい】という意見はないと思っています。
人それぞれの見解があるので、ここで紹介している内容やお話も個人の理学療法士としての意見である事を踏まえていただきたいと思います。
そして、この記事があなたの役に立てば幸いです。
1 パーキンソン病ってなにか?紹介する
パーキンソン病は、発症年齢は50歳以降が多く。
- 手足が震える
- 筋肉がこわばる
- 動作が遅くなる
- 歩きにくくなる
などが特徴的な病態です。
徐々に症状が進行していく傾向があって、最終的には寝たきりになってしまう患者さんもいます。
有病率は、人口10万人に対し100人程度といわれています。
また、パーキンソン病には4つの主な兆候があると言われています。
- ふるえ:振戦
- 筋肉のこわばり:筋固縮
- 動作が遅くなる:無動
- 姿勢を保てなくなる:姿勢保持障害
の四つがあります。
これらの症状は、パーキンソン病であるかどうかを判断するためにとても重要な項目になります。
症状のあらわれ方も人それぞれで個人差がでてきます。
患者さんの多くは、手足のふるえで病気が見つかるケースが多いのです。
しかし、まったく症状があらわれない患者さんもいて。
どの症状から始まるかというのは人それぞれ違ってきます。
これより、紹介していきます。
兆候①:振戦(しんせん)
聞きなれない言葉ですが、手足のふるえのことを指します。
安静時振戦(あんせいじしんせん)ともいいます。
何もしていないで、じっとしている時に震えるというのがパーキンソン病のふるえの特徴です。
ふるえを意識して止めようとするとさらに強くふるえる傾向があり、ふるえが強くなると唇までふるえることもあります。
また、ピル・ローリングといい、手の指先で丸薬を丸めるような、親指とほかの指をこすり合わせるような動作も特有です。
兆候② 動作緩慢(どうさかんまん)
動きが鈍くなって、ひとつの動作を始めるまでに少し時間がかかるようになります。
寡動(かどう)といって、小さな動きしかできず、動作が緩慢になる症状も現れます。
また、症状が進行してくると、身動きひとつしなくなることもあり、これを無動(むどう)といいます。
日常生活でいうと、浴槽や段差をまたぐことが難しくなるので、転倒に注意を払う必要がでてきます。
兆候③ 姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい)
パーキンソン病の患者さんは背中を丸めて前かがみの姿勢で歩くのが特徴にあります。
それに伴い下記の症状もでてくる場合があります。
【すくみ足】:歩き始めの一歩が踏み出しにくくなるという現象
【少歩症】:歩幅が小刻みになり、急に止まることや、方向転換することが難しくなります
【突進歩行(突進現象)】:突進するように、歩く現象もみられます。
【姿勢反射障害】:ほかの人に軽く後ろから押されただけで倒れてしまうような現象(初期からみられることは少ない)
身体のバランスを保つことが難しくなる病気なので、日常生活においても、急に後ろから声をかけることや、急激な方向転換は避けてあげるとよいでしょう。
兆候④ 筋固縮(きんこしゅく)
パーキンソン病の比較的初期からよくあらわれる症状です。
体の筋肉がこわばってかたくなり、手足の動きが悪くなります。
筋力は正常ですが、常に緊張していて力を抜けない状態になります。
例えば、
- リラックスして肩や首の関節がうまく回せないようになったり
- ひじ・手首・手足の関節の曲げ伸ばしができない
などの症状が出てきます。
このような症状のある患者さんの手足を持って、関節を伸ばそうとすると、カクンカクンと歯車がまわる時のような動きになることがあります。
これを歯車現象(はぐるまげんしょう)といいます。
その他 自律神経症状
4大兆候のほかに、パーキンソン病には自律神経症状がみられます。
- 便秘
- 頻尿
- むくみ
- 起立性低血圧
- 冷え症
- 多汗
- 体重の減少
- 性機能障害
- うつ症状
などを感じる方も少なくありません。
特に、便秘や頻尿に関しては多くの患者さんが症状を訴える傾向があり、最終的には、腸閉塞や失禁に至るケースもあります。
自律神経症状は、なかなか症状が消えづらいという部分もあります。
なので、自律神経を整えてもらえるようにアプローチしていく必要があるでしょう。
患者さんの中でよくみられることとして、便秘に対して下剤を飲むことで便秘に関しては解消されるものの、逆に頻尿がひどくなるということがあります。
なので、自律神経症状を治療する。
というよりは、そもそも根本の原因となるパーキンソン病の治療に集中することが大切ではないかと思います。
便秘に関しては、食物繊維を多く含む食べ物を定期的に食べる事や適度な運動を取り入れるなどして、薬に頼り過ぎずに改善していけるように工夫すうる事が良いと思います。
2 パーキンソン病の原因を紹介する
一般的に、パーキンソン病の原因は、「レビー小体」という特殊な蛋白質の異常な蓄積が原因で発症する病気といわれています。
原因:可能性① レビー小体が原因!?
私たちの脳は無数の神経細胞からなり、目や耳などから入ってくる多くの情報はこの神経細胞を通じてやり取りしています。
しかし、レビー小体の出現により神経細胞がダメージを受け、障害が現れます。
そして、脳幹から中脳、大脳へとレビー小体が広がることにあわせて、症状も重症化していきます。
症状については、レビー小体が出現した部位にあわせて変化していくと言われています。
レビー小体ってなに?
残念ながらいまだに、「どのようにレビー小体が脳内に形成され、広がっていくのか」についての解明はされていません。
しかし、脳幹を中心に【αシヌクレイン】という蛋白質が蓄積して、それが、【レビー小体】という物質に変化して脳を傷つけるからだと考えられています。
原因:可能性② パーキンソン病はドーパミンの減少が原因?
一般的に、中脳にある黒質が減少し、そこで作られるドーパミンという物質が減ることによって発症すると言われています。
パーキンソン病の特徴である【運動症状】(動作緩慢や姿勢反射障害、筋固縮、振戦の四代兆候など)が現れるとされています。
ドーパミンについて
では、ドーパミンとは何でしょうか。
簡単に言うと、身体を動かすためのガソリンのようなものです。
つまり、パーキンソン病では、このドーパミンが切れて、動きを制止する力ばかりが強くなっていきます。
すると、動かす力と止める力のバランスが保たれずに、身体の動きが制御できなくなってしまうのです。
この【ドーパミン】の欠乏こそが、パーキンソン病の【運動症状】を引き起こしているものと言われています。
3 パーキンソン病は悪くなるのか?
パーキンソン病の一般的な経過は、初期・中期・末期という流になります。
第一段階:初期症状(ふるえ、歩行障害すくみ、小刻み、筋固縮)
パーキンソン病の初期症状としては以下の3つが挙げられます。
(1) 振戦(しんせん)
パーキンソン病の初期症状として一番多いものが振戦です。
患者全体の約60%にこの症状が見られるといわれています。
ふるえる箇所としては、手・足・頭などが多いです。
何も動作をしていないとき(安静時)にふるえるのが特徴で、多くは左と右にふるえの差が見られます。
また、身体を動かしているときや、睡眠時に症状は起こらないことが多いといわれています。
(2)歩行障害
歩行障害では、まず最初の一歩が踏み出せなくなる(すくみ足)ことが多いようです。
また、一歩の大きさや右足と左足の横の距離の間隔が狭く。
歩く速度が遅くなり(小刻み歩行)、手を振らずに歩くといった症状が見られます。
一度歩き出すと早足になって急に止まれなくなったり、向きを変えるのが困難になったりする場合もあります。
(3)筋固縮による動作緩慢
筋肉がこわばり、関節の曲げ伸ばしが非常にぎこちなくなります。
動かすことで抵抗を感じるため、日常的な動作が遅くなりがち。
衣類の着脱・食事・寝がえりなど。
日常生活動作のすべてにおいて不都合が生じるようになります。
これらの筋肉のこわばりを改善するには、日々のリハビリが大切だといわれています。
コツコツと毎日継続することで、症状の進行を遅らせることができます。
第二段階:中期症状(姿勢反射障害、精神症状、嚥下障害)
パーキンソン病の中期症状として挙げられることは以下の3つです。
(1)姿勢異常
前傾姿勢(ぜんけいしせい)と呼び胴体を前方向に倒し、頭部を前に出す「くの字」姿勢になります。
肘や膝が曲がっていたり、手指の変形が見られたりするケースもあります。
パーキンソン病の薬剤の投与による影響で起こる症状と言われています。
薬を変更することである程度の改善が見込める場合もあります。
(2)精神症状
幻覚・幻聴・うつ症状・記憶力の低下・不眠などの症状が現れます。
活動することがおっくうになり、周囲への依存心が高まる場合もあるようです。
原因の1つとしては薬剤の投与といわれていますが、パーキンソン病そのものが原因となっていることもあります。
(3)嚥下(えんげ)障害
自分のよだれや食事をうまく飲み込めなくなる症状のことをいいます。
パーキンソン病患者の約50%に見られるといわれています。
脳の摂食中枢と嚥下中枢がうまく働かなくなることでおこります。
重度になると口からの食事は困難になってくるといわれています。
また、口唇・舌・喉などが固縮して動かなくなるため、表情も硬くなりがちになります。
食べやすいよう食事内容を工夫して、顔の筋肉をこまめに動かすリハビリを続けることが大切といわれています。
対応としては、徐々に食事の形態を下げる事です。
(普通の食事から刻み食へ → 刻み食からミキサー食へ → ミキサー食からとろみをつけたトロミ食へ変更など)
第三段階:末期症状(言語障害、認知障害、寝た切り)
次に紹介するのが、パーキンソン病の末期症状です。
(1)言語障害
低く小さな声でボソボソとつぶやくように話す、逆に早口になる、よくどもるようになどの言語障害が進みます。
口の中に唾液が溜まりやすくなるという現象も起こってきます。
また、飲み込みも悪くなるため、口の中にたまった唾液を飲み込むことが困難になります。
そして、流延(よだれ)も見られます。
(2)認知症
脳神経細胞の衰えや損傷などが原因で、認知症が現れることがあります。
パーキンソン病患者の認知症の発症率はかなり高く、一般人と比較すると約5~6倍といわれています。
考えがまとまらなくなったり、記憶力・注意力の低下が見られたりする場合は要注意です。
(3)寝たきり
日常生活が全面的に困難となり、日常生活のほとんどがベッド上での生活になります。
移動には車いすを使用し、自力歩行はほぼ不可能になります。
常に介護者によるサポートが必要な状態になるでしょう。
4 パーキンソン病の障害程度を知るための分類を紹介します。
一般的に、パーキンソン病の症状の障害程度の状態は、「ホーン・ヤールの重症度分類」という基準で分類されます。
Hoehn・Yahr(ホーン・ヤール)の重症度分類 |
|
Stage Ⅰ |
一側性障害のみ、通常、機能障害は軽微、またはなし |
Stage Ⅱ |
両側または身体中心部の障害、ただし、身体のバランスの障害は伴わない |
Stage Ⅲ |
姿勢反射障害の初期兆候がみられるもの。 これは、 患者が 歩行時に向きを変えるときの不安定や、目を閉じ足を揃え て立っている患者を押してみることで明瞭となる。 身体機 能はやや制限されているものの。 職業の種類によっては、 ある程度の仕事が可能である。 身体的には独立した生活を遂行することができ、その機能障害度はまだ軽微ないし中程度にとどまる |
Stage Ⅳ |
病気が完全に進行し、機能障害高度。 患者はかろうじて介助なしで起立および歩行することはできるが。 日常生活は 高度に障害される |
Stage Ⅴ |
介助がない限り寝たきり、または車イスの生活を余儀なくされる |
生活機能障害度 |
|
Ⅰ度 (Stage Ⅰ~ Stage Ⅱ) |
日常生活、通院にほとんど介助を要しない |
Ⅱ度 (Stage Ⅲ~ Stage Ⅳ) |
日常生活、通院に部分 介助を要する |
Ⅲ度 (Stage Ⅴ) |
日常生活に全面的な介 助を要し、独立では歩 行起立不能 |
厚生省保健医療局疾病対策課監修、難病医学研究財団企画委員会編(1997):難病の診断と治療方針1、P194-203,六法出版
これは、パーキンソン病の特徴症状である運動症状の現れ方をもとにして。
運動機能のレベルをⅠ~Ⅴ度までの5段階に分けています。
「一側性パーキンソニズム」 Stage Ⅰ |
体の片側にだけ。
が見られるが、症状は軽症。 ⇒日常生活は自立して生活は可能くらいの状態 |
「両側性パーキンソニズム」 Stage Ⅱ |
体の左右両方に。
などの運動症状が見られる。 日常生活や仕事に多少の障害があるが行うことは可能。 ⇒日常生活は送る事は可能だが、困難な動作も多くなる。少し、人の手を借りたくなる状態 |
「軽~中等度パーキンソニズム」 Stage Ⅲ |
バランスが悪くなる(姿勢反射障害)と小刻み歩行やすくみ足(歩行障害)が見られる。 介助なしで生活ができ、職業によっては仕事が続けられる。 運動症状は軽~中等度。 ⇒家族の介助がなくて、一人で生活を送る事ができる限界の境界線。パーキンソン病特有の症状は常に感じている状態でもある |
「歩行は介助なしで辛うじて可能」 Stage Ⅳ |
立ち上がりや歩行はどうにか可能である。 しかし、日常生活が1人では困難であり、あらゆる面で部分的な介助が必要。 運動症状は中度~重度。 ⇒介助や介護を必要とする状態。 ON状態で活動できるタイミングであると、一人で動作を行う事が可能だが。 OFFになってしまうと、動く事もできなくなる状態。会話は可能。 しかしスムーズなコミュニケーションは難しい |
「歩行には介助が必要」 Stage Ⅴ |
自力で歩行だけでなく立つことも不可能で、車いすが必要になる。 ベッドで過ごす時間が長い。 ⇒会話も難しい。発話があるかどうか個人差による。 目や仕草でうなずいたりはする。 |
(厚生労働省研究班による分類も合わせて掲載しています)
5 パーキンソン病の5つの対策方法を紹介
まず最初に理解して頂きたい事があります。
残念ながら、パーキンソン病は完治させる方法が存在していません。
しかし、適切な治療を受けることで病気の進行を遅くすることや、症状を和らげることは十分可能と言われています。
パーキンソン病の治療では、薬で症状をコントロールしながら、リハビリで運動機能の低下を防ぎ、安全に過ごせる環境を整備することが大切になってきます。
ですので、病気の進行を遅くする為に、具体的な治療に取り組む必要があるでしょう。
下記に説明していきます。
対策① 薬物療法
パーキンソン病の治療は、薬物療法が中心となります。
運動症状などのパーキンソン病の症状にたいして薬を使ってコントロールし、症状の改善を目指します。
今のところ、パーキンソン病を完治させる薬は存在しませんが、薬物療法は、パーキンソン病の治療として効果が高いといわれています。
しかし、ここで注意が必要なことは、薬には常用することで副作用や運動合併症を伴うリスクがあるということです。
【運動合併症の種類について】
ジストニア |
薬の過度な効果で突っ張るような姿勢になる症状です。 足が内側に曲がり。 足の親指は反って他の指は足底側に曲がった状態が続くようになり、少し痛みも伴います。 |
ジスキネジア |
手足がクネクネと動く、体幹が前後に揺れる、口や舌がもぐもぐと動く等、身体が勝手に動く症状。 薬が効き過ぎると現れることが多いといわれています。 |
ウェアリング・オフ |
パーキンソン病の服薬を長期間続けることで、徐々に薬の効果が薄れ、急に動きにくくなり、震えが現れる症状と言われています。 |
が挙げられます。
これらの運動合併症を防ぐためには薬の調整や飲み合わせがとても大切になるため、しっかりと担当医師と相談して正しく処方された薬を服用することが大切です。
また、薬物療法として効果的なのが、ドーパミン補充療法とよばれるものです。
ドーパミンを補充する薬には大きく分けて2つあります。
レポドパ配合薬 | 症状の改善効果、即効性が高い病気の進行後も一定の効果ある。 |
ドーパミンアゴニスト |
レボドパ配合薬よりもウェアリング・オフやジスキネジアを起こしにくいとされている。 |
どちらもメリットとデメリットがあります。
また、長期的にパーキンソン病の治療を続けていく為には、むやみやたらにドーパミンを補充する薬を増加させてはいけません。
そこで重要な役割を担うのが非ドーパミン系薬剤です。
非運動症状の治療薬は、ある症状を改善させると他の症状が強まることがある為、必要最低限に抑えることが大切です。
リハビリや生活習慣の見直しによる改善を図ることが重要です。
対策② リハビリテーション
リハビリテーションはパーキンソン病の重要な治療方法です。
中でも運動は心身の機能維持・向上にとても効果的です。
運動で身体と脳を活性化させパーキンソン病の症状の改善を図りましょう。
パーキンソン病患者へのリハビリ効果としては、リハビリにより身体や頭を使うことで、脳の血流が良くなり神経の流れをスムーズにします。
また、運動はドーパミンなどの神経伝達物質を増加させることが挙げられています。
実際にパーキンソン病の患者さんに対して行っているリハビリメニューとしては。
①ウォーキング |
歩幅や歩隔を大きく保ち、「1,2・1,2」(イチ・ニ、イチ・ニ)と、号令をかけながら腕を大きく振りながら歩くことを心掛ける。 |
②リハビリ体操 |
棒をもち肩関節をほぐしたり、姿勢を伸ばすことを意識すると効果的です。 |
③立ち上がり動作訓練 |
姿勢を保持する能力が衰えてくるので、着座や立ち上がりの動作をスムーズにできるように重心移動の訓練します。 |
④筋力トレーニング |
病気の進行とともに、筋力が衰えてきます。 しかし、 重たい負荷をかけて行うのではなく、軽い負荷をかけ有酸素運動を心掛けながらすると効果的と言われています。 |
⑤ストレッチ |
②や④に近いですが、負荷をかけずに体全体を伸ばしたり、ゆっくり呼吸する動作が効果的と言われています。 |
対策③ 生活習慣を見直す
薬やリハビリのほかにも誰でも簡単に始めることができるものとして、生活習慣の見直しが挙げられます。
規則正しく起きること、適度な運動をすること、偏りのない健康な食生活を心掛けることで。
パーキンソン病だけではなく、健康を維持していくことができるといわれています。
ぜひ、健康で規則正しい生活を毎日の習慣にしてみてください。
対策④ 手術
パーキンソン病の手術法として、脳手術(脳深部刺激療法/DBS)が進められています。
これは、リードとよばれる装置を脳内に埋め込み、先端の4つの電極から脳を電気刺激します。
手術をうけた80%の患者さんで、
- 「刺激をしている間完全に振戦がとまる」
- 「日常生活に支障がない程度まで振戦が軽くなる」
- 「薬の量や種類を減らすことができた」、または「薬を飲む間隔が長くなり、薬をのむ回数が減った」
など。
手術を受けた後、刺激の強さなどを調節することができるので、長い期間にわたり振戦を軽くすることができたデータもあります。
対策⑤ バリアフリーを考える
薬物療法やリハビリのほかにも、環境整備が大切になります。
パーキンソン病では、小刻み歩行やすくみ足、姿勢反射障害といった歩行やバランスの障害が現れ、転倒を招きやすくなります。
ですので、可能であれば、バリアフリーに住宅改修するなどの検討なども必要になると思います。
6 パーキンソンにならないために!予防を考える。
これまで述べてきたことから。
パーキンソン病の発病には、レビー小体の増加がとても深くかかわっていることがお分かりいただけたかと思います。
では、レビー小体を増やさないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
残念ながらその原因は明らかになっていません。
しかし、これまでの研究により、パーキンソン病の発病に関係する危険因子の候補がいくつか挙げられています。
- 遺伝性
- 食生活やストレスなどの生活習慣の乱れ
- 加齢と老化(発症の多くは50歳以上とされていることから)
が挙げられています。
しかし、パーキンソン病の危険因子1つのだけで、発病率が急激に上がってしまうというわけではありません。
パーキンソン病に関係する遺伝子を持っている人が、実際に発病する割合としては、全体の約5~10%程度だと言われていて、実はそう高くはありません。
多くの場合、これら3つのパーキンソン病の危険因子が複雑に絡み合い発病すると言われています。
【ドーパミンを増やす】
これまでのお話により、パーキンソン病の進行を抑えるには、ドーパミンがとても大切だということがお分かりいただけたかと思います。
実はドーパミンの放出量は、その時の気分で大きく左右されることが知られています。
パーキンソン病の治療として飲んだ薬が、例え”偽薬”であったとしても、本人が治療効果を期待して飲んだ場合、ドーパミンが放出されます。
嘘のようですが、この事例は研究から証明されています。
【ポジティブ思考を意識する】
パーキンソン病の方は病気の進行や日常生活の不安から、とにかく気持ちが沈み、落ち込みがちになります。
しかし、こうした気分の落ち込みは、パーキンソン病の症状を悪化させるとも言われています。
ですので、明るく楽しく笑いながら過ごすことによって、ドーパミンがたくさん放出され、パーキンソン病の進行を遅らせていくことが大切です。
7 まとめ:パーキンソン病は進行を遅らせる事が大事、がんばってリハビリをしよう
以上のことがパーキンソン病についての症状や治療法、予防方法の紹介になります。
専門的なことばかりで難しいと思いますが、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
大切なのは、まずはパーキンソン病にならないための予防です。
そのためにはどんなことに気をつけて過ごすことが良いのかのポイントを。
しっかり押さえて健康な日常生活を起こることが大切ですね。
また、パーキンソン病と診断された、疑いがある。
という場合には、これ以上進行しないように、現状を維持していくことに気を付けていくことが大切だと思います。
パーキンソン病のどの時期なのかで、支援する内容が違ってきます。
なので、しっかりとどの時期にいるのかということを把握し、服薬や適切なリハビリを受けて欲しいと思います。
そして、家族や周囲の人も環境整備や接し方に注意しながら、少しでも過ごしやすく生活できるようにしていけたらよいではないでしょうか。
あなたの症状が少しでも良くなればうれしく思います。
執筆:mamotteライター 作業療法士 はるまま
追記・編集:運営者 理学療法士 平林
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作業療法士で2児のママ、mamotteライターのはるままです。
【パーキンソン病】について。
といったような症状は、【パーキンソン病】の特徴的な症状です。
この記事にたどりついたという事は、ひょっとして、【パーキンソン病の症状】について調べていたのではないでしょうか。
パーキンソン病は難病指定疾患にされている病態です。
完治させるのは難しいとも言われています。
しかし、症状の維持、進行の予防は可能な場合もあります。
そこで、今回は【パーキンソン病の症状】についてまとめてみました。
この記事を読めば
◎ パーキンソン病の症状について理解が深まり、治療や予防に役立てる事ができる
といったメリットがあります。
最後まで読んで、パーキンソン病について理解を深めていただけたら幸いです。
では、本日もよろしくお願いいたします。