半身不随は治るのか?不安が募るあなたへの処方箋

半身不随は治るのか?不安を解消

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理学療法士 イワモト
こんにちわ。

mamotteライターで理学療法士のイワモトです。

「突然の病気に襲われ、半身不随となってしまった。リハビリを始めたが、どこまで治るのか不安…、元に戻るのかな・・・・」

といったように思う方は沢山います。

頑張って、リハビリをしたところで、どのくらいまで良くなるのか?元にもどるのか?

といった不安はなくならないと思います。

という中で、今回の記事では、【半身不随は治るのか?】といったテーマで記事にして、半身不随の不安の解消に繋がるような内容にしました。

半身不随になってしまった方の参考になれば嬉しいです。

では、本日もよろしくお願いいたします。


理学療法士 平林
※この記事はリハビリテーションの専門家で、理学療法士である運営者平林と、理学療法士イワモトの思考と考えを交えて紹介しています。

私達は国家資格を取得しており、実際の現場で学んできています。

ですので、信憑性や信頼性は間違いありません。

共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して欲しいと思います。

で、一番伝えたい事は、【この記事の内容が絶対正しい!!】とは思わないでください。

という事です。

記事の内容は自信を持って提供していますが、医療の世界は個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。

ですので、一つの理学療法士の考えである。と捉えて欲しいです。

この記事があなたの役に立てばうれしいです。

では、宜しくお願いいたします。

mamotteライターの紹介


1 半身不随は治るという話

半身不随とは、体の左右どちらかが、思い通りに動かせない状態を言います(半身不随の原因や状態については、後半で詳しくお伝えします)。

それは、脳梗塞の主な症状として知られています。

半身不随を簡単に言えば、右手足(または左手足)が思うように動かない、動かせない状態です。

動かない状態は麻痺と呼ばれることもあります(片麻痺:かたまひ)。

この症状は、病気(など)の結果生じる状態ですので、病気の治療が早期にかつ適切に行われれば、治る可能性があります。

過去においては、後遺症として障害が残ることが多かったのですが、近年の医学技術の発達によって、回復する方の数は増えました。

実際に、病気直後は半身不随を感じていても、薬物治療やリハビリを行うことで後遺症なく退院できる方もいらっしゃいます。

そのような中で、治るという解釈が難しいのですが。

本当に軽い症状で、日常生活にも支障がなく、生活を送ることができる。

ようになった方もいます。

なので、半身不随は治る人もいる。

といっても嘘ではないのかなぁ。とも思う次第です。

2 半身不随は治らないという話

その逆に、当然半身不随が治らない場合もあります(厳密に言うと、全く治らないということではなく、完全には治らないということです。ある程度は改善することが多いです)。

病気の程度には、やはり軽度・重度というものがあります。

軽度であれば、ほぼ完治することができても、重度であれば障害が残ってしまうこともあります。

また、半身不随を起こした原因(どのような病気か)によっても、治すことが難しいことがあります。

さらに、早期に適切な治療が開始できたかどうかにも変わってきます。

病気を放置していて治療が遅れたり、何らかの原因で有効な治療が行えなかったりすると、回復が悪くなる人もいます。

このようなことから、半身不随は治らないと言われることがあるのです。

3 ぶっちゃけ、わからない。半身不随が治るかどうかは人それぞれである。

結局のところ、半身不随が治るかどうかは、人それぞれということになります。

すべて治るとお伝えしたいところですが、様々な条件で回復が左右されるため、正確なところは分かりません。

半身不随が起こる病気にはいくつかありますが、近年我が国では脳梗塞による半身不随が多くみられます(過去においては、脳出血が多かった)。

そこで、脳梗塞によって生じた半身不随を想定した場合の、治りやすい場合・治りにくい場合をご紹介しておきます(すべての方が当てはまるわけではありませんので、参考程度にしてください)。

脳梗塞による半身不随

治りやすい場合

治りにくい場合
  • 病気が軽症(梗塞範囲が小さい)
  • 発症して、すぐ治療を開始した(2~3時間以内)
  • 昼間に発症した
  • 前兆(軽い症状)に気づいて対処した
  • 他の病気がない
  • 近くに脳神経外科等の救急病院がある
  • リハビリを行った
  • 病気が重症(梗塞範囲が大きい)
  • 発症してから治療するまでに、時間がかかった
  • 就寝中に発症した
  • 前兆に気づいたが、様子を見ていた
  • 糖尿病や心臓病などの持病がある
  • 近くに専門の医療機関がない
  • リハビリができなかった(しなかった)

4 そもそも半身不随ってなんなの?

半身不随という名称はよく聞きますが、医療の現場ではこれを「片麻痺」と呼ぶことが多いです。

身体の左右どちらかが麻痺するものを総称した名称で、病名ではありません。

片麻痺が両側に生じた場合は、両片麻痺と呼ばれます。

また、両下肢のみが麻痺した場合は、下半身不随(対麻痺)と表現されることもあります。

半身不随は、何らかの脳の障害によって起こることがほとんどです。

有名なものとして脳梗塞によるものがあります。

で、身体(例えば手足)は、脳からの指令によって動きます。

自覚がなくても、脳からの指令が手足に伝わる事で、我々は手足を自由に動かすことができるのです。

そして、手足の動きだけでなく、感覚や記憶、言語なども脳によって司られているのです。

つまり、脳からの指令によって、話す、記憶ができる、五感がわかる、手足、体を動かせる。

といった動作・行動ができるのです。

このように、脳には人の中枢機能があるので、脳に障害を生じると、手足の運動麻痺や感覚障害などが起きるというわけです。

脳の障害は、脳梗塞などの脳血管障害(脳の血管が原因となる疾患の総称)によって起こることが多いのですが、これらの病気は、脳の左右どちらかに発症する(例外あり)ため、結果として片側の麻痺を生じることとなります。

このように、脳の片側の病気などが原因で、身体片側に起こった麻痺を、半身不随と呼ぶということになります(脊髄が原因になることもありますが)。

という中で、半身不随を起こす原因は、脳梗塞をはじめ、いくつかありますので、ここで主なものをご紹介しておきます。

半身不随の主な原因

  • 脳血栓症
  • 脳塞栓症
  • 一過性脳虚血発作
  • 脳内出血
  • くも膜下出血
  • 硬膜下血腫(急性、慢性)
  • 脳腫瘍
  • 脳挫傷
  • 脊髄の疾患や外傷による損傷など

※一過性脳虚血発作では、数分から1日程度で半身不随の症状が消失しますが、脳梗塞の前兆ですので、早急に治療を開始してください。

5 半身不随に対してのリハビリはどうすればよいか?

半身不随のリハビリは、原因となる疾患や状態によって異なるので、ここでは脳梗塞(脳血栓症など)によって、中等度の半身不随を生じた場合を想定してお伝えします。

この病気を発症した場合、脳神経外科などへ入院していることが多いと思います。

リハビリの施設があることが多いので、入院後早期にリハビリが開始されることでしょう。

現代では、半身不随(片麻痺)を生じた場合、リハビリを行うことが常識的になっているので、救急でリハビリのない病院へ入院したとしても、リハビリのある病院へ紹介・転院となることがおいでしょう。

リハビリは医師の指示のもと、リハビリスタッフとともに行っていくこととなります。

セラピストが状態を評価し、適切なプログラムを実施しますので、まずはそのプログラムにそってやっていただければよいでしょう。

寝返り、起き上がり、座位、立位、歩行訓練といった、日常生活動作から、麻痺を回復させる訓練、残された機能を高める訓練、日常生活動作の訓練など、回復の程度に合わせて行われます。

中等度の半身不随の場合、数か月から半年程度入院リハビリが可能です。

ここで注意が必要なのは、半身不随が治るまで入院リハビリができないということです。

一般的には半年が目安と考えてください。(というのも、保険診療上、期限があるので。)

麻痺が残っていても入院治療は終了ということになりますので、その後のリハビリや生き方をどうしていくかが問題となります。(全ての人が麻痺が残ったまま退院になるとは限りません)

外来リハビリの時間はかなり短く(例えば20分程度に)なりますが、週に2~3回通院して、外来のリハビリを継続するという方法や、病院でのリハビリを卒業してセルフケアに切り替える方法などあります。

これは、それぞれの方の状態や考え方で異なりますので、正解があるわけではありません。

退院後の生き方については、入院中から現実と向き合って、アドバイスなども受けながら考えてほしいなと思います。

6 半身不随が治らなくても人生がダメになるわけではない。という想いを話します

理学療法士 イワモト
※ 理学療法士 イワモトのつぶやき ※

近年の医学の進歩によって、半身不随(片麻痺)は起こりにくくなってきています。

特に脳梗塞においては、早期の治療で後遺症なく回復する場合もでてきました。

したがって、半身不随が治るという場合も増えてきているということには間違いありません。

しかし、増えたとは言っても、全体の中では完全に治せるのはまだ少数で、多くの場合何かしらの後遺症が残ります。
後遺症の種類や程度は様々で、一概に言うことはできません。

今回は半身不随をテーマにしていますが、後遺症には半身不随だけではなく、言語障害やその他の高次脳機能障害などもあります。
(高次脳機能障害とは、記憶や注意力や認知力、感情コントロールする事などが難しくなったりして、生活に支障が生じる障害です。)

高次脳機能障害を生じると、日常生活に支障をきたす場合もありますが、高次脳機能障害を生じない半身不随(主に片側の運動麻痺)だけの場合、完全に治らなくても高い活動性を保つことが不可能ではありません。

例えば、右側の半身不随となっても、左上下肢のみで自動車の運転をすることも可能です(自動車の多少の改造は必要です)。

半身不随の影響で、それまで行っていた仕事へ復帰することが難しくなることもありますが、他の仕事ができる可能性があります。

完全に治らないと、残された人生がだめになるということではありません。

なので、目標としては、病前の状態に戻すことだけではなく、様々な対処方法があって、他の可能性があることを知ってほしいなと思います。

7 まとめ

今回は、半身不随が治るかについてお伝えしました。

半身不随は、脳梗塞などの原因により半身が麻痺することですが、近年の医学の進歩によって治ることが多くなりました。

しかし、すべて治るわけではなく、病気の状態や治療の具合によっては治らないこともあります。

半身不随の改善には、多くの要因が関係していますが、その中でも特に早く治療を開始することが重要です。

半身不随の症状が出現したら、様子を見ることなく早急に対策を開始してください。

また、発症後から開始されるリハビリテーションもまた重要なポイントです。

半身不随の回復訓練や、残された能力を高める訓練など、社会復帰を目標にしたプログラムが実施されます。

リハビリテーションには多くの可能性があります。

治らないことを過度に心配することなく、進んでほしいなと思います。

今回の内容があなたの参考になればうれしいです。

執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト

追記・編集:運営者 理学療法士 平林


理学療法士 平林
※ 編集を終えて・最後に ※

半身不随になってしまったら、不安になるのは当然だと思います。

今まで、当たりまえのようにできていた事ができなくなったり、難しくなったりするし・・・。

考えるだけでも嫌ですよね。

その中で、諦めないでほしいなという想いがあります。

というのも、リハビリなどで少しづつ、体を動かせるようになる事が可能だからです。

リハビリをすれば、治るのかどうか?

不安になる部分は当然あるのですが、逆に何もしないと、良くなる事はありません。

なので、可能性が少しでもある事を行う方が良いと思うわけで。

リハビリは重要である。

という認識を持ってほしいなと思います。

今回の話が参考になればうれしいです。

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