認知症を予防しよう!治療と対策方法についてもまとめた

認知症を予防しよう!!

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※この記事はリハビリテーションの専門家である、作業療法士の思考と考えを交えて紹介しています。

内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。

学んできた経験があります。

ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。

しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。

共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。

ですので、この記事の内容が絶対正しい。

とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。

というように捉えてほしいと思います。

この記事があなたの参考になれば嬉しいです。

では、宜しくお願いいたします。

mamotteライターの紹介


作業療法士ナカガワ
作業療法士でmamotteライターのナカガワです。

  • 親が認知症になって対応に困っている
  • 親の物忘れが激しい、、認知症かもしれないなア、、、、
  • 認知症に関しての知識を知りたい
  • 認知症の人を相手に仕事をする事がある

など、認知症について悩んだ経験はありませんか?

認知症って、どんな人にもなりうる可能性があるし、いつ、どうやって発症するのかもわかりません。

決定的な治療法や予防法が確立されていませんが、認知症にならないための工夫や努力などはあります。

そこで、この記事では、【認知症の予防】というテーマでまとめました。

この記事を読めば、

  • 認知症とは何かを知って、理解を深める事ができる
  • そして、予防や治療に役立てる事ができる

といったメリットがあります。

私が作業療法士として、学んだ知識と実際に現場で培った経験を踏まえて、読みやすく・わかり易くまとめてみました。

是非、参考にしてほしいと思います。

1 認知症について調べてみた

認知症ってなにか?

まずは、認知症とはなにか?

認知症の3つの種類について話していきます。

1-1 認知症とはなにか?

認知症とは、後天的に何らかの脳のダメージを伴う病気によって知的機能が全般的かつ持続的に低下し、日常生活に支障をきたした状態をさします。

つまり、

産まれて以降、年齢を重ねていく段階で、脳にダメージを受けた事により知的能力が低下してしまい、世間一般的な生活を送る事が難しくなった状態と言えます。

認知症には、4つの代表的な障害があります。

記憶障害

ついさっきのことが思い出せない、新しいことを覚えられないといったいわゆる物忘れのことです。

同じ事を何回も質問したり、朝食を食べたのにその後すぐ「朝ご飯を食べてない」と言ったりするのはこれに当てはまります。

見当識障害

日付・時間・季節・場所などの感覚が鈍くなります。

真冬なのに季節にそぐわない薄着をしてしまったり、家の中のトイレの場所がわからなくなったり、買い物へ行く際道に迷ったりします。

理解・判断力の障害

思考が遅くなり、情報処理の能力が低下します。同時進行の作業が苦手になります。

銀行のATMや機械の操作などがうまく出来なくなります。

遂行機能障害

計画を立てて段取りしながら物事をやり遂げることが難しくなります。

買い物や料理、車の運転など普段出来ていたことが出来なくなります。

1-1-1 アルツハイマー型認知症とはなにか?

認知症の中で一番多いのがアルツハイマー型認知症です。

男性より女性の割合が高く、年々増加傾向にあります。

脳の広範囲にβアミロイド蛋白・タウ蛋白呼ばれるタンパク質が脳に溜まり、脳の神経細胞が損なわれます。

脳の記憶を司る海馬という部分が初期に損傷され、徐々に脳全体が萎縮していきます。

進行は比較的穏やかですが徐々に確実に症状は悪化していき、記憶障害の進行・人格の変化や意思疎通の困難をまねき、寝たきりになってしまうケースが多いです。

初期の段階で診断を受け適切な対策を取ることが重要な鍵と言えるでしょう。

1-1-2 脳血管性認知症とはなにか

脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血といった脳血管の病気によって起こります。

詰まったり破れて出血することにより、脳の細胞に酸素が送られず神経細胞が死んでしまうのです。

男性の割合が高く、発症により症状は段階的に悪くなります。

めまい・しびれ・手足の運動障害・上手く話せない、呂律が回らないといった言語障害がみられ、また些細な事で怒るなど感情のコントロールがうまく出来なくなります。

脳の損傷部位によって出現する症状が異なりますので、例えば記憶力は低下しているのに理解・判断力は保たれる、というまだら症状がみられるのが特徴です。

脳血管の病気を引き起こす原因として高血圧・脂質異常症などの生活習慣病があります。

よって生活習慣を正し健康に気をつけることが非常に大切です。

1-1-3 レビー小体型認知症とはなにか

レビー小体というタンパク質が脳に溜まり脳が萎縮していきます。

視覚に関与する後頭葉が損傷されるので「虫がいる」「誰かがいる」など実際にはないものが見える幻視という症状がみられるのが特徴です。

身体面ではからだのこわばり・動作がぎこちなくなり遅い・転びやすいといったパーキンソン症状が出現します。

日によってまたは時間帯によって、ぼーっとした感じが強くなったり良い時と悪い時の差が激しく日内変動がよくみられます。

症状が多彩であり他の病気との判別がつきにくく投薬も難しい面があるので、治療にあたっては医師としっかり相談していくのが良いでしょう。

2 認知症になると、どんな機能低下がするのか。

認知症は機能が低下する

主に認知機能の低下が中心となります。

認知機能とは記憶・言語・計算・判断・遂行といった様々な要素がありますが、これらを適切に処理・実行出来る能力が低下していきます。

2-1 エピソード記憶

経験や思い出に基づく記憶です。

  • 先週どこに出かけた
  • 昨日何を食べた

などです。

このような短期記憶は忘れてしまうことが多く、戦争中の話や親や兄姉の話など昔の記憶は比較的保たれます。

2-2 注意分割記憶

注意を複数のことに振り分け適切に処理出来る能力のことです。

例えば、

  • グループで複数の人と話をする
  • 味噌汁を作りながら炒め物をする
  • 資料を見ながらパソコンで打ち込む

などです。

2-3 計画力の低下

物事を段取りよく考える能力のことです。

例えば、

  • 献立を考え効率よく買い物をする
  • 掃除・洗濯・洗い物など滞りなくこなす
  • 郵便局に行く際に何処が最寄りで最短で行けるか考える

などです。

2-4 認知症と物忘れの違いはなに?

物忘れは加齢による自然なもので、自覚があり日常生活への支障は特にありません。

【物忘れ】

昨日八百屋に行ったけど店の名前は何だったっけ?:物忘れ

このキーホルダーはどこに旅行に行った時に買ったんだったっけ?:物忘れ

【認知症】

昨日八百屋に行ったこと自体を忘れまた八百屋に行く:認知症

旅行に行ったこと自体を忘れている。行っていないと言い張る:認知症

3 認知症はなぜなるのか?

認知症ってなんでなるの?

脳の変性・脳血管の病気・代謝・内分泌系の病気・感染症・外傷性の病気などが原因になります。

また、親しい人の死などショックや喪失体験が基となる心理的な原因もあります。

以下に症状に段階を中心に紹介していきます。

3-1 認知症の早期発見方法はあるのか?

認知症に対する知識が乏しいと、少しの物忘れだからと受け流して初期のサインを見落としてしまうケースが少なくありません。

早期のうちに適切な診断を受けることが望ましいです。

検査の方法ですが、本人からの聞き取りや知能・心理検査(長谷川式簡易知能スケール)を行い、また血液・尿検査・X線・脳波・CT・MRIなど身体的所見も含めて総合的に診断をします。

3-2 認知症の進行段階:初期~後期

ここでは、認知症の進行過程について話していきます。

3-2-1 認知症の初期段階

【目安】

進行は緩やかで自然な物忘れとの判別がつきにくい時期です。

例え

  • 同じ事を何回も繰り返す
  • 忘れ物や捜し物が増え、盗られたと疑う
  • 約束の時間や日付を忘れる
  • モノや人の名前がなかなか出てこない
  • 身の回りのこと(お洒落や清潔保持)が出来ずだらしなくなる
  • 些細な事で怒りっぽくなったり、または鬱っぽくなったり性格が変わった感じがする
  • 今まで出来ていたことが出来なくなる
  • 今まで興味のあったことに関心がなくなる

3-2-2 認知症の中期段階

【目安】

見守りや介護の負担が大きくなってきます。

例え

  • 日時・場所・季節などがわからず見当識障害がすすむ
  • 金銭の管理が出来ず、沢山降ろしたりものを買い込んだりする
  • 徘徊し迷子になる
  • 身の回りのこと(食事・排泄・着替え・入浴など)がうまく出来ない
  • 暴力や暴言など介護抵抗がみられる

3-2-3 認知症の後期段階

【目安】

脳の機能低下が一層進み、介護の負担がさらに大きくなる

例え

  • コミュニケーション自体が困難になる
  • 立つ、歩くなどが出来なくなり寝たきりになる
  • 食べ物ではないものを食べる(異食)
  • 便を触って汚染する(弄便)
  • 全身機能が低下し自力で食事が出来なくなる
  • 栄養状態が悪く誤嚥性肺炎など合併症を引き起こす

3-3 ボケ予防・ボケ介護・接し方の10カ条

公益財団法人「認知症予防財団」が予防・介護・接し方に関する10ヶ条を掲げていますので紹介します。

3-3-1 ボケ予防10カ条について

  1. 塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を
  2. 適度に運動を行い足腰を丈夫に
  3. 深酒とタバコはやめて規則正しい生活を
  4. 生活習慣病(高血圧、肥満など)の予防・早期発見・治療を
  5. 転倒に気をつけよう 頭の打撲は認知症招く
  6. 興味と好奇心をもつように
  7. 考えをまとめて表現する習慣を
  8. こまやかな気配りをしたよい付き合いを
  9. いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
  10. くよくよしないで明るい気分で生活を
作業療法士ナカガワ
※ 作業療法士 ナカガワの意見・考え ※

残念ながら「絶対に認知症にならない」という予防法は確立されていません。

しかし、日々の心がけ次第で発症を防いだり進行を遅らせることは可能です。

せっかくなら楽しく健康的な毎日を送りたいですね。

3-3-2 ボケ介護10カ条について

  1. コミュニケーション語らせて微笑みうなずきなじみ感
  2. 食事工夫してゆっくり食べて満足感
  3. 排泄排泄は早めに声かけトイレット
  4. 入浴機嫌みて誘うお風呂でさっぱりと
  5. 身だしなみ身だしなみ忘れぬ気配り張り生まれ
  6. 活動できること見つけて活かす生きがい作り
  7. 睡眠日中を楽しく過ごして夜安眠
  8. 精神症状妄想は話を合わせて安心感
  9. 徘徊などの周辺症状叱らずに動機考え予防策
  10. 自尊心自尊心支える介護で生き生きと
作業療法士ナカガワ
※ 作業療法士 ナカガワの意見・考え ※

認知症の介護ストレスは大きいものです。

先が見えないということもあり、あまり思い詰めると共倒れになってしまいます。

発想や視点をプラスに変え、うまく息抜きしながら行っていきましょう。

3-3-3 接し方10カ条について

  1. なじみの関係顔なじみ落ち着き与える安心感
  2. 心の受容意に添ってこころ受け止め温かく
  3. 心のゆとり怒らずに相手に合わせるゆとり持つ
  4. 説得より納得理屈より気持ちを通わせ納得を
  5. 意欲の活性化本人を生きいきさせるよい刺激
  6. 孤独にしない寝たきりや孤独にしない気づかいを
  7. 人格の尊重プライドやプライバシーの尊重を
  8. 過去の体験は心のよりどころ本人の過去の体験大切に
  9. 急激な変化を避ける環境の急変避けて安住感
  10. 事故の防止を事故防ぐ細かな工夫気配りを

公益財団法人「認知症予防財団」

作業療法士ナカガワ
※作業療法士 ナカガワの意見・考え ※

思うようにいかず戸惑い、イライラしたり悲しくなったりすることもあるかも知れません。

しかしその人自身を理解し、寄り添った対応をしてあげてください。

4 認知症の予防・治療について

認知症の予防について

本人が快適に、また家族や介護者の負担を軽くしていく為に様々な方法があります。

4-1 認知症に有効な治療ってあるのか?

認知症の治療の為には、大きく分けて、薬物療法と非薬物療法があります。

非薬物療法とは心身の活性化や環境の調整をしていくことです。

4-1-1 薬物治療

認知機能に働きかけ、主に記憶に関する中枢症状の改善や進行を遅らせる方法と、妄想・幻覚・暴力・徘徊・うつ・不安といった行動心理症状(BPSD)を抑える方法があります。

注意点としては、副作用として身体・精神症状が出てくることがあるのでその都度医師に相談をしてください。

めまいやふらつきによって転倒しやすくなるので気をつけましょう。

また、薬の飲み忘れが起こりやすいので周囲が気を配り服薬管理をする必要があります。

4-1-2 リハビリテーション

作業療法

生活全般に働きかけます。

心身機能・日常生活・余暇活動・社会参加・コミュニケーション・環境整備など多岐にわたります。

残っている機能を活かし、よりよく生活を楽しむことを目的とします。

回想法

認知症は昔の記憶は比較的保たれやすいとされています。

ライフステージの段階に沿って(子供の頃野遊び・趣味・仕事など)引き出すものとしてはおもちゃ、写真、当時流行の道具、ポスターやレコードなどを用います。

思い出そうとすることや聞く・話すというコミュニケーション、また「楽しい」「懐かしい」という感情から脳の活性化や心理的安定が期待出来ます。

音楽療法

聴くという受動的方法と歌う・演奏するといった能動的方法があります。

音楽を通して脳が活性化したりリラックスすることによって、気持ちが落ち着く・明るい気持ちになる・よく眠れるなどの効果があります。

その人の音楽の好みや認知症のレベルに上手く合わせて取り入れいくのが良いでしょう。

アニマルセラピー

動物介在療法ともいいます。動物と触れ合うことによっていきいきとした感情を取り戻します。

「可愛がってあげたい」「お世話をしてあげたい」という使命や役割が芽生え、自発性や意欲の向上に繋がるとされています。

アレルギーや動物が苦手な人もいるのでその点は配慮が必要です。

レクリエーション

ゲーム・遊び・運動・脳トレ・歌などを通して心身機能の維持・向上を目的とします。

脳を活性化したりストレスを発散したり、人とのコミュニケーションや協調性をはかれるなど効果は様々です。

4-1-3 家族・周囲のケア

認知症の介護はその人自身を理解し寄り添うことが基本となり、多くのアプローチ方法があります。

しかし、それらを行うにあたってけして家族や介護者だけで出来ることではありません。

わからないことや不安に思うことがあれば抱え込まずに医療・福祉機関の専門職に相談をしてください。

また、家族会や勉強会に参加して意見交換をしたり知識を増やしていくこともいい方法です。

4-2 認知症の有効な予防方法

どうすれば認知症になりにくいのかという方法を紹介します。

4-2-1 脳トレ

脳の様々な認知機能を働かせることにより脳を活性化し低下を防ぎます。

計算・読み書き・パズル・塗り絵・折り紙・将棋やオセロなどゲームが挙げられます。

結果よりも脳を働かせる過程が重要ですので、失敗にこだわらずリラックスして楽しみましょう。

4-2-2 筋トレ

脳と筋肉には、実は深い相互関係があります。

筋肉を動かす時には脳が指令を出しているのです。よって、筋トレを行うことで脳が活性化されます。

また全身機能を維持・向上することによって転倒や骨粗鬆症の予防にもなります。

高齢者が激しい運動を行うと疲労や怪我をに繋がりやすいので、無理のない範囲で日常的に取り組むことがポイントです。

4-2-3 生活習慣の乱れの改善

暴飲暴食・運動不足・喫煙など生活習慣の乱れは脳血管障害・糖尿病・脂質異常症・高血圧症を引き起こし、これらが認知症にかかるリスクを高めます。

バランスの良い食事・適度な運動・規則正しい生活リズムを心がけましょう。

毎日の小さな積み重ねが大切です。

5 認知症を予防するために:まとめ

現在、日本おいては平均寿命が長くなったとともに、認知症にかかる人も多くなっているのが現状です。

出来るならば健康寿命を長くしていきたいものです。

紹介してきましたように、症状や進行具合によって適切な取り組みを行い、医師や専門職と連携を図っていくことが大切です。

また認知症に関する知識や対策が世の中にもっと広まり、認知症の人もそうでない人も共存できる良い社会になっていくといいなと思います。

執筆:mamotteライター 作業療法士 ナカガワ

追記・編集:運営者 理学療法士 平林

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