※この記事はリハビリテーションの専門家で、理学療法士である運営者平林と、理学療法士イワモトの考えや意見をまとめて紹介しています。
なので、共感できる部分は共感して、納得できる内容は納得していただけると幸いです。
執筆者・運営者は、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の国家資格を取得しており、実際に病院やクリニック、介護施設など様々な場所で現場で学んできています。
ですので、記事内で紹介している内容は、リハビリテーションの視点を持った国家資格者の視点からみた意見と臨床での事実を述べています。
それを踏まえて、記事の内容は自信を持って提供しています。
しかし、【内容が絶対正しい!】とは思わないでください。
というのも、世の中には、沢山の治療方法や治療の考え方があって。
- どれが正しくて、どれが間違っているのか?
- どれが自分に適している治療なのか?
個人的な意見も沢山あり、個人の解釈や価値観、考え方によって大きく違ってきます。
ですので、『絶対にコレが正しい治療方法だ!!』みたいな考え方はできなくて。
間違いなく言える事は、どんな治療においても、【実際に試してみないとわからないよ】。という事です。
【100%これが正しい】という治療方法は存在しません。
ですので、ここで紹介している内容も一人の理学療法士の意見である事を踏まえていただきたいと思います。
そして、この記事があなたの役に立てばうれしく思います。
これより紹介する方法は必ず、誰にでも効果があるわけではありません。
まず、チャレンジしてみて、ご自分に適しているのかどうか?
を判断するのが大切です。
是非、この意識をもってほしいと思います。
1 【エゴスキュー】エゴスキュー法の紹介
アメリカのピート・エゴスキュー氏(著書「ペイン・フリー」の作者)によって開発された「エゴスキュー・メソッド®」は、彼自身が経験した慢性疼痛を解決するために試行錯誤を重ねた結果、生まれた治療法です。
この方法は、彼の名前の「E」とエクササイズの「E」を組み合わせた「E-サイズ」とも称されています。
アメリカでは、体の歪みと痛みを解消する最も効果的な方法として高く評価されています。
エゴスキューのクリニックは世界各地に展開されており、日本にも導入されています。
国内ではまだあまり知られていないものの、今注目されている治療法です。
エゴスキューのコンセプト
ピート・エゴスキュー氏は、筋肉の誤用や忘れ去られた使い方が姿勢の異常を引き起こし、それが痛みの原因になると明らかにしました。
彼の提唱する方法では、正しい筋肉の動きを再教育し、バランス良く使用することで姿勢を改善し、痛みを軽減させることを目指しています。
このアプローチは、手術や特別な器具を必要とせず、誰でも簡単に実行できます。
エゴスキューのメリット・デメリット
体操には600種類以上のバリエーションがあり、それぞれの症状に合わせて選べます。
この治療法は、ただの対症療法ではなく、痛みの根本原因を解決し、姿勢や運動機能の向上を図ります。
アメリカで広く認知されているこの方法は、多くのプロスポーツ選手にも採用されています。
日本ではまだ直接指導を受けられる場所は限られていますが、オンラインでの指導が全国的に行われています。
- 誰でもできる
- 自宅でもできる
- 姿勢が良くなり、運動機能も向上する
- 原因の根本にアプローチする(対症療法ではない)
- 特殊な器具が必要ない(家庭にある椅子、枕などがあればよい)
- 負担が少なく、副作用の危険が低い
- 600種以上の体操の中から症状にあったものを選択できる。
- 継続して体操をする時間が必用である
- 指導を受けて症状にあった正しいやり方を覚える必要がある
- 指導してくれる人がどこにでもいるわけではない(スタジオは国内2ヵ所)
- 万能ではない(合う人、合わない人がいる)
2 【これだけ体操】 これだけ体操の開設
東京大学の准教授である松平浩氏によって開発された、簡単に実践できる腰痛対策体操を紹介します。
この体操は、以下の3つの基本動作から構成されています:
- 腰を後ろに反らす
- 腰を横に曲げる
- 腰を前にかがめる
これらの動作は、特定できない原因による非特異的腰痛に特に効果的で、定期的に行うことが推奨されています。
体操の手順はDVD付きの書籍にも収録されており、自宅で簡単に学ぶことができます。
これだけ体操のコンセプト
この体操法は「マッケンジー法」という理論を基にしており、松平氏がそれを応用しています。
長時間座っている仕事や重い物を持つことで生じる椎間板の位置ズレを、この体操を通じて正常な位置に戻すことが目的です。
これだけ体操のメリット・デメリット
この体操は日常生活の中で短時間に実施可能で、特に前屈が多い後に腰を反らす動作を行うと良いとされています。
研究によると、これらの体操は腰痛の改善に効果的であることが証明されています。
- とても簡単にできる(体を後ろに反らす・かがめるなど)
- 短時間でできる(1つの体操で3~5秒)
- 仕事・家事の合間にできる
- 指導者がいなくてもできる
- 本(DVD)を見ながらできる
- コストがかからない
- 原則として非特異的腰痛(原因がよくわからない腰痛など)だけを対象にしている
- バランスの悪い高齢者の場合、体を反らすときに転倒の危険がある
- 万能ではない(合う人、合わない人がいる)
3 【マッケンジー法】 マッケンジー法の概要
マッケンジー法®は、1950年代にニュージーランドの理学療法士ロビン・マッケンジーが開発した治療および診断方法です。
この手法は特に脊椎由来の症状に効果的ですが、四肢の問題にも対応しています。
この治療法には「マッケンジーエクササイズ」と称される体操があり、特に腰痛の際にはうつ伏せの状態から徐々に腰部を伸ばす(上体を反らす)運動が広く用いられています。
また、「これだけ体操」や「痛みナビ体操」など他の体操法も、マッケンジー法を基にしたものとして知られています。
マッケンジー法のコンセプト
マッケンジー法®は、脊椎や四肢の健康問題に対し、科学的な評価を基にした治療および管理を行う方法です。
このアプローチでは、過度に医療に依存することなく、個々の人が自身の痛みをコントロールし、健康を維持することを目指しています。
マッケンジー法のメリット・デメリット
この方法は60年以上の歴史があり、世界中で実践されています。
主に科学的根拠に基づいた評価と自己管理を中心に行い、場合によっては手技療法を取り入れることもあります。
特に腰痛治療では、伸展(体を後ろに反らす)動作が主に推奨されていますが、屈曲(体を前に丸める)動作も併用されることがあります。
さらに、この治療法については多くの書籍や参考文献があり、それらを活用して自分で学び、実践することができます。
- 科学的根拠に基づいている
- 歴史のある治療法である
- 早期に予後予測(症状改善の見通し)をすることができる
- 患者本人が主体的に取り組むことができる
- 再発予防を考慮している
- 自分で行う体操なので簡単に行える
- マッケンジー法®を習得したセラピスト(理学療法士など)が全国にいる
- 書籍などが多くある
- 圧倒的に効果が高い
- とても簡単にできる(体を後ろに反らす・かがめるなど)
- 短時間でできる(1つの体操で3~5秒)
- 仕事・家事の合間にできる
- 指導者がいなくてもできる
- 本(DVD)を見ながらできる
- コストがかからない
- 原則としてマッケンジー法®の認定セラピストによる評価
- 最初は指導が必要となる
- 認定セラピストのいる病院などが限られている
- 指導を受ける場合、通院の必要がある
- 万能ではない(合う人、合わない人がいる)
4 【朝30秒の正座】 朝30秒の正座の効果
この方法は整骨院の院長、金聖一(キム・ソンイル)氏によって考案されました。
とてもシンプルで、毎朝30秒間正座をするだけです。
この習慣を続けることで、姿勢が良くなり、血流が改善され、結果的に腰痛が軽減されるとされています。
この方法に関するDVDは提供されていませんが、書籍が販売されており、その指導書に従って実施することが可能です。
朝30秒の正座の重要性
金聖一氏は、腰痛の主要な原因を以下の三つと考えています。
- 骨格の歪み
- 足の使い方の問題
- 血流不良
彼の提唱する正座は、これら三つの問題点を改善することを目的としています。
朝30秒の正座の長所と短所
金聖一氏が自身の腰痛(交通事故が原因)に悩まされた経験から、この研究に至りました。
彼の方法は、毎朝30秒間の正座を続けることにより、他の多くの動的な体操とは異なり、静的なアプローチを採用しています。
この正座は、脊柱の自然な生理的湾曲(緩やかなS字カーブ)を促進し、体の左右のバランスと血流を改善します。
特に、正座がふくらはぎを圧迫することで血流が促進される点が特徴的です。
この方法により、腰痛の改善効果が認められています。
- とても簡単にできる(正座をするだけ)
- 通院の必要がない
- コストがかからない
- 指導者が必要ない
- 本を見ながらできる
- 正座を継続して行う必要がある
- 膝関節などに障害がある(疼痛・関節が曲がらないなど)場合、正座ができない
- 全ての腰痛に効果があるわけではない
5 【痛みナビ体操】 痛みナビ体操の詳細
銅冶英雄氏は、お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニックの院長で、マッケンジー法の資格者です。
彼はマッケンジー法を基礎にして、独自の要素を加えた「痛みナビ体操」という新しい治療法にしています。
痛みナビ体操の主旨
痛みナビ診断を活用して、どの運動が症状を和らげるかを検証します。
この手法では、脊柱管狭窄症を前屈改善型、後屈改善型、側方改善型の3つのカテゴリに分け、それぞれに最適な体操を提供して症状の改善を目指します。
このアプローチは、マッケンジー法の運動と似ています。
痛みナビ体操の利点とリスク
この体操プログラムは特に脊柱管狭窄症に特化して設計されていますが、椎間板ヘルニアなどの他の腰痛関連の症状にも効果が期待できます。
患者は自分自身で症状を評価し、診断を受けた後、自身に合った体操を選ぶことができます。
基本的に、症状を前屈改善型、後屈改善型、側方改善型に分け、それぞれのタイプに適した体操を行います。
この治療法による脊柱管狭窄症の症状改善率は約70%であると報告されています。
- 自分でできる
- 本を見ながらできる
- 道具が必要ない(壁など使用)
- 症状にあった体操を選ぶので、悪化の危険が少ない
- コストがかからない
- 継続して体操を行う必要がある
- 自分で症状の改善・悪化を評価する必要がある
- どの体操をすればよいのか判断に迷うことがある
- 高齢者が痛みナビ診断(前屈・後屈)を行う場合、転倒の危険がある
- 誰にでも効果があるわけではない(3割の方には効果がない)
- そもそも、マッケンジー法に似ている
6 まとめ:腰痛改善の方法は沢山ある。どれが自分に適しているか探し続けよう。
以上5つの治療法について大まかにお伝えしました。
どの治療法も理にかなった方法で、試してみる価値のあるものばかりです。
腰痛の原因は多種多様です。
ある人に効果があった治療法が、全ての人に効果があるわけではありません。
現代のネット社会では、情報が多くの人に短時間で拡散してしまいます。
「この方法を試してみたけど、まったく効果がなかった。」
などの情報を見たり、聞いたりすることも多いと思います。
しかし、このような情報に惑わされないようにしてください。
その人に効果がなかった方法でもあなたには効果がある場合があります。
ご自分に合った、最も良い方法を見つけ出すことが必要です。
決してあきらめず、解決策を探していきましょう。
今回は治療法をご紹介しましたが、腰痛を引き起こす要因を減らすことも重要です。
動作の仕方の改善(例えば、物を持ち上げる時は腰を曲げずに膝を曲げるなど)も大切でしょう。
リハビリテーションにおいては、理学療法士など専門スタッフによる腰痛改善の治療や体操指導、日常生活動作の指導なども行っていますので、腰痛でお悩みの方は相談されるとよいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆様のご健康をお祈りいたします。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林
腰痛の治し方について、理学療法士の考えを紹介しています。
腰痛を治す為には、どのような思考・考え方が必要であるのか?
そんなことについて、文字にしています。
読むと、腰痛を治す為に必要な考え方を知る事ができて、腰痛改善に役立てる事ができるかなと思っています。
是非、読んで参考にしてほしいと思います。
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mamotteライターで理学療法士のイワモトです。
この記事を読めば
◎ あなたの腰痛を治す方法をみつける事ができるかもしれません
あなたの腰の痛みが改善すれば嬉しく思います。
それでは、宜しくお願いいたします。