※この記事はリハビリテーションの専門家である、理学療法士2名の思考と考えを交えて紹介しています。
内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
是非、宜しくお願いいたします。

目次
1 ヘルニアにマッサージが効果があるという話は本当か?

マッサージは気持ちいいけど、効果があったのかはわからない。
このような声が多いでしょう。
これより、マッサージの効果について言及していきたいと思います。
1-1 マッサージは効果があるという話
椎間板ヘルニアを患っている方がマッサージを受けた後、
- 「すっきりした」
- 「腰が軽くなった」
- 「楽になった」
など肯定的な感想をよく聞きます。
定期的に通っている方も多いようです。
しかし、痛み(坐骨神経痛)やしびれがすべて改善したということはよく聞く話ではありません。
効果を感じるかどうかは、精神的な要素(価値観など)が大きいと考えられます。
マッサージを受けた方が効果を感じれば、効果があったということになると言えるでしょう。
また、実際にマッサージを受けたあとにしびれや痛みが改善した、消失した。
などという事は少ないかもしれません。
これは、一回の治療では改善しないだけかもしれません。
なので、マッサージは数回、数十回と何度も施術を行う事で良くさせる治療法である。
という事が言えるのではないでしょうか。
1-2 マッサージは効果がないという話
- 「マッサージに通っているけど、しびれがとれない」
- 「足の痛みは変わらない」
など効果が感じられない印象を受けている方がいるのも事実のようです。
できるだけ早い痛みやしびれの改善を期待している方にとっては、効果が少ないと感じるかもしれません。
不本意ながら治療的なマッサージではなく、リラクゼーション(マッサージ?)を受けてしまった(無資格者が行っている場合もあり)。
このような場合に効果が感じられない原因となっているのかもしれません。
1-3 どちらが正解とは言えないのが正解
マッサージは効果がある。ない。とは言い切れないのが正解です。
逆にどちらも正解であると言うこともできます。
マッサージに限らず。
Aという治療方法で効果がある人とAという治療方法で効果がない人がいる。
という事です。
これは、よくあることでして。
効果がある・ないの理由として、治療者の経験、知識、適切な施術ができるかの技術的な問題は大きいでしょう。
また、治療を受ける側の価値観によっても左右されます。
悪いところは専門家に治してもらいたい、調子が悪いのに運動はしたくない、揉んでもらった方が楽というふうに感じる方もいらっしゃいます。
一方で、症状改善のためなら自分で努力する(筋トレ、ストレッチなど)と考える方もいらっしゃいます。
前者にとってマッサージは満足度の高い治療法となる可能性があるでしょう。
2 そもそも、マッサージってなんなの?

日本では古くから行われている「あん摩、指圧」と西洋から輸入された「マッサージ」を、近年ではまとめてマッサージと呼んでいることが多いようです。
厳密にはあん摩とマッサージは手技が違うのですが、似ているものとしてひとくくりにされているようです。
「あん摩」という言葉は徐々に使われなくなってきている印象がありますね。
あん摩は中国で生まれた、東洋医学を基礎として行うものです。
よくツボという単語を耳にすると思いますが、これは経穴といって医療などの西洋医学にはない概念です。
本来の「マッサージ」はヨーロッパ(フランス)発祥です。
西洋医学を基礎とした手技で行われています。
中国のあん摩と似ていますが、マッサージは末梢部(指先など)から中枢部(心臓)に向かって施術するという点であん摩とは正反対です。
現在日本で行われているマッサージは本来のあん摩・指圧と本来のマッサージの良いところが融合されたものと考えてよいでしょう。
マッサージは基本的に医師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士(医師処方・監督下のみ)だけが実施可能です。
マッサージを標榜して開業できるのは医師、あん摩マッサージ指圧師のみです。
2-1 治療として行うマッサージとは
症状の原因を積極的に取り除いて、治癒を促進させる目的で行うマッサージを治療的マッサージといいます。
クリニカルマッサージなどと呼ばれることもあります。
障害部位(ヘルニアの部位)を正確に把握し、ヘルニアが悪化するのを防止、改善させます。
具体的な例を挙げます。
ヘルニアの原因として姿勢の悪さというものがあります。
この姿勢の悪さの原因が特定の筋肉にある場合があります。
筋が異常に緊張している、固いという問題が関節の可動性を低下させ、姿勢を悪化させることがあるのです。
問題となる筋を探し出し、マッサージによって、このような筋の緊張をときほぐすことで関節の可動性を改善し、姿勢を正常化させます。
姿勢が正常化すればヘルニアの悪化を防ぎ、改善させることができます。
このような治療的な考え方に基づくものが治療的マッサージです。
2-2 リラクゼーションとして行うマッサージとは
リラックスするためのマッサージです。
治療的に行うマッサージとはやや対照的な方法です。
特に問題点を探したり、その問題点にアプローチしたりすることなく、安楽、心地よさ、リラックスのために行うマッサージのことを指します。
実際にはマッサージを行っていないところもあります。
町でみかける「リラクゼーション」「ほぐし」「ツボおし」などの看板をあげているところは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持たずに(一般の人が)行っていることがあります(マッサージのような治療行為を行っていなければ違法ではありません)。
これは、一般の人がその会社独自のカリキュラムを学んだ人が施術しているので、国家資格などはもっていませんが、
一応、リラクゼーションとしてのマッサージの方法は学んでいる人達になります。
3 マッサージは施術者の技術によって大きく効果が変わる
これは、どんな治療施設でも言えることなのですが。
治療者によって、大きな差が生まれます。
まず、施術者の資格や考え方の違い(西洋医学、東洋医学など)もあるとは思いますが、最低限解剖学や臨床医学について学んだということを前提として考えます。
医師の世界が多くの専門分野に分かれていることを考えると、マッサージにおいても専門性が生じることもあるでしょう。
椎間板ヘルニアについての知識や経験が少ない施術者が行った場合は、治療効果が悪くても不思議ではありません。
椎間板ヘルニアに対するマッサージ治療を研究し、改善の効果が高い施術を行うことのできるあん摩マッサージ指圧師の方もいらっしゃいます。
マッサージは施術するだけではなく、坐骨神経痛の評価を専門的に行ったり、日常生活動作の指導をおこなったりなど広範囲にわたって治療効果を上げる取り組みをしているところもあるようです。
このように積極的に取り組み、椎間板ヘルニア治療の実績のある治療院では改善の効果を期待できるでしょう。
4 リハビリとマッサージを組み合わせる事であなたの症状も治る

※ 理学療法士 イワモトが思う事 ※
ヘルニアの方にマッサージが必要かどうかなど、経験的に、椎間板ヘルニアなど腰の調子が悪い方がマッサージを受けることは多いと感じています。
身の回り(職場など)でもよくマッサージや整体に通っているという話は聞きます。
職業柄、相談を受けることもあるのですが、「マッサージに通っているけれどなかなか治らない」という相談を受けたときには、「マッサージだけでヘルニアを治すのは難しいでしょうね」と答えていたことが多いと思います。
私が若いころは、この考え方が強かったという記憶があります。
私は基本的に理屈(合理的な)で考えることが多いので、ヘルニアを改善させるためにはもっと効率的にアプローチする方法(ヘルニアを切除する、マッケンジー法などの運動療法を取り入れる、ヘルニアを起こしにくい動作を習得するなど)を選択します。
本格的に神経症状を短期間に改善させるためだけであれば、マッサージは遠回りの感じを受けてしまいます。
ただし、椎間板ヘルニアを起こす方は、多くの場合腰に負担がかかりすぎているなどして筋が疲労していたり固くなったりしています。
このような時にマッサージを受けると、とても気持ちが良いです(痛いときもありますが・・)。
心も癒されます。
薬を出してくれる病院より、直接時間をかけて触ってくれるという点も見逃せません。
私自身、揉んでもらうのが好きで、子供に腰に乗ってもらったりしています。
ヘルニアを治す効果を期待しているわけではありません。
凝っているところを押してもらったり、揉んでもらったりすると心地良いのです。
長く多くの患者さんと接してきて、マッサージを希望する方の多さも知り、価値観の多様性も受け入れられるようになりました。
自分で行うリハビリ(運動など)だけでは治る感じがしない、やはり誰かに治療してもらわないと不安などと感じる方はその他の療法(運動療法など)と組み合わせてマッサージを受けるとよいのではないでしょうか。
5 まとめ
今回は椎間板ヘルニアに対してのマッサージについてお伝えしました。
歴史のある手技ですが、椎間板ヘルニアに対しての治療効果はまちまちです。
運動療法など他の方法を併用することで効果が高められるのではないかと思います。
また、椎間板ヘルニアの治療実績のある施術者を見つけることも大切でしょう。
マッサージが悪いわけではないですが、マッサージでヘルニアの症状を無くすのは難しいことがいえるでしょう。
あなたの症状が改善されれば嬉しく思います。
執筆者:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集者:mamotte 編集長 理学療法士 平林

※ 編集を終えて:最後に ※
マッサージは治療とリラクゼーションに分かれる部分があります。
町でみかける、3000円くらいのマッサージはリラクゼーションという括りです。
治療とは医療行為になってしまうので、民間のマッサージ屋さんでは治療をしてはいけないのです。
なので、このようなマッサージ屋さんでは、腰の痛みを治すことはしてはいけないのと、治ることはないでしょう。
一旦、痛みが落ち着く場合はありますが、完全に痛みが治ることはないと考えていいかなぁと思います。
また、そのような施設で働いている人の意見も医学的に根拠がない場合もあるので、話半分にして、参考程度にしておくのがいいかなぁと個人的には思うわけです。
マッサージを治療として提供できる人物は、あんまや指圧、鍼灸といった国家資格をもった人間のみではないでしょうか。
私達、理学療法士・作業療法士といったリハビリテーション職の人間も、マッサージを治療として扱えますが、マッサージの技術に優れている人は少ないのではないかなぁと思うのです。
どちらにせよ、効果がある。ない。は患者さんが決めることなので、患者さんである、あなたの満足度が上がれば問題ないかなとは思います。
何よりも、どんな方法でもあなたの腰の痛みが改善・楽になればいいなぁ。
と本気で思っております。


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皆さんこんにちは。
mamotteライターで理学療法士のイワモトです。
『マッサージは気持ちいい』
ほとんどの人がこのように思うのではないでしょうか。
また、腰が痛い時にマッサージをされると楽になったなぁ。
と感じる方も多い事でしょう。
誰もがマッサージをされると気持ちいいと感じると思います。
体は楽になるし、疲れもとれるし、マッサージはいいですよね。
しかし、
一方で、マッサージは気持ち良いだけで、翌日や数日には痛みや症状が元に戻っちゃう。
と感じている人がいるのも事実です。
では、マッサージは腰痛にどれくらいの効果があるのでしょうか?
気になりませんか?
疑問に感じるのではないかなぁと思うのです。
マッサージをされると気持ち良いけど、家に帰ったら元に戻ってしまう。
こういった人は沢山いるでしょう。
マッサージ(あん摩、指圧、マッサージ)は、歴史も長く、比較的簡単にどこでも受けられるポピュラーな徒手的治療の一種です。
効果はあるはずだと思います。
しかし、効果を感じない人がいるのも事実です。
さらに、脊柱管狭窄症やすべり症、椎間板ヘルニアなどの診断があるとすると、さらにマッサージの効果は如何なものでしょうか・・・・・?
そこで、今回はヘルニアとマッサージについてお伝えしていきたいとおもいます。
この記事を読めば
といった2点のメリットがあります。
症状として比較的多いのが、椎間板ヘルニアなので、ヘルニアとマッサージについて話す事にします。
ヘルニアにはマッサージがどのくらい効果があるのか?
この問いについて考察していきたいと思います。
また、ヘルニアだけでなく、ただ腰が痛いだけのあなたに対しても役に立つ内容のはずです。
是非、熟読してほしいと思います。
それでは、本日もよろしくお願いいたします。