※この記事はリハビリテーションの専門家である、理学療法士2名の思考と考えを交えて紹介しています。
内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
是非、宜しくお願いいたします。
皆様こんにちは。
mamotteライターで理学療法士のイワモトです。
この記事にたどり着いたという事は、あなたは「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)」と診断されたのではないでしょうか?
もしくは、坐骨神経痛ってなにか気になって検索してみたのではありませんか?
一度はこの症状を耳にした事があるかと思います。
巷では、坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)という言葉が良く使われていながらも、本当の意味を知らない人が多いのが現状です。
医者も腰や足に症状があると『坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)ですね・・・』と説明しがちな場面もあります。
このようにお医者から言われると、不安や怖さが強くなってしまうことでしょう。
- 私の足の痛みやしびれは治るのか・・・・
- いつまで症状が続くのかな・・・
- 一生、しびれや痛みを抱えていかなくてはいけないのかなぁ・・・
などと。怖くなってしまいますよね。
でも一先ず、安心して欲しいと思います。
坐骨神経痛とお医者さんから説明されても、気にする事はありません。
【坐骨神経痛の症状が改善した】
という患者さんは沢山いるからです。
さらに、坐骨神経痛とは、診断名ではなく総称名です。
これは、他の記事でも説明していますが、坐骨神経痛は診断名ではありません。(診断名ではないからといって、安心してほしいというわけではありませんが)
事実として、坐骨神経痛は正しい対処をすれば良くなる可能性が大きいという事です。
そして、あなたの坐骨神経痛の症状を治すためにも、まずは、【原因】を突き止める必要があります。
そこで、今回は、【坐骨神経痛と原因】について話していきたいと思います。
さらに
- 坐骨神経痛の原因について
- 坐骨神経痛になりやすい人の特徴
- 坐骨神経痛の治療と対策
の3つの観点を盛り込んで紹介したいと思います。
この記事読めば、
といった2点のメリットがあります。 |
理学療法士として、培った経験をもとにあなたの坐骨神経痛の手助けになれたらうれしく思います。
それでは、本日もよろしくお願いいたします。
目次
1 坐骨神経痛の原因は色々

坐骨神経痛は坐骨神経という神経(神経の束)を圧迫することなどが原因で起こります。
この神経を圧迫する原因には様々なものがあります。
例えば、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などはその代表的な原因疾患です。
多くは腰部(腰椎:ようつい)に問題がありますが、梨状筋(りじょうきん)症候群など腰椎から離れた場所(お尻の中)で圧迫が起こることもあります。
参考までに坐骨神経痛と似た症状を出すものとして、仙腸関節(骨盤を構成する仙骨と腸骨の間の関節)の障害もあります。
2 坐骨神経痛は診断名ではなく、症状名である

「坐骨神経痛」は病名ではありません。
症状を表す言葉です。
腰痛、頭痛、腹痛なども同様に症状名であり、診断名としては使用されません。
カルテに診断名を記入する場所がありますが、通常ここに○○痛という症状名は入りません。
ただし、
現実には原因が確定できない場合は便宜上症状名が書かれていることもあります。
坐骨神経痛の原因を短時間で特定することは困難な場合もあり、このような表現を使わざるを得ない場合もあるでしょう。
参考までに、○○疑いという診断名も正式なものではありません。
診断名が確定できないときに便宜上使用される表現です。
2-1 なぜ坐骨神経痛と言うのか?
坐骨神経痛の名の由来は、坐骨神経に何らかの障害(圧迫など)があって、坐骨神経領域(坐骨神経が支配する皮膚など)に痛みが走る(放散痛)ことからこのように呼ばれます。
坐骨神経の束の中の感覚神経(痛覚)に刺激が加わると、刺激は脳へ伝わり痛みとして感じます。
神経自体が痛むのではありません。
痛みを痛みとして感じるのは脳です。
2-2 坐骨神経痛の坐骨神経って何?どこにあるの?
脊柱(背骨)の中に脊髄(神経の束)が通っていることはご存知だと思いますが、脊髄から枝分かれした神経は脊柱を構成する椎骨の間から出て、末梢神経として人体の各部位へ伸びていっています。

脊椎 イメージイラスト

股関節の深層筋イラスト・後ろから見た図
腰椎の下部(L4,L5)~仙骨の上部(S1~S3)から出てきた神経が束となったもの。
これが坐骨神経です。
坐骨神経は梨状筋(りじょうきん)の前を通り骨盤から出ると、太ももの裏側を通って枝分かれしながら足の方へ進んでいきます(坐骨神経という名称から、途中枝分かれした各神経の名称へ変わっていきます)。
3 坐骨神経痛になりやすい人の特徴について
坐骨神経痛になりやすい人の特徴がいくつかありますのでご紹介します。
この特徴に当てはまっていても発症しない場合があることは勿論ですが、たくさん当てはまる人は注意しましょう。
- 姿勢が悪い(背中が丸くなっているなど)
- 長時間腰かけることが多い(デスクワーク、長距離運転)
- 中腰での作業が多い
- 重いものを持ち上げる(運ぶ)ことが多い
- 親、兄弟に坐骨神経痛(腰椎椎間板ヘルニアなど)の人がいる
- 腰に違和感があったり痛みを感じたりすることがある
- 激しいスポーツをしている、またはしていた
- 腰椎分離症など、腰部疾患の診断を受けたことがある
参考までに、性格の面では、
- 強引なタイプ
- せっかちなタイプ
- 他人に仕事を頼めないタイプ
上記の人は、人に頼らず、自分で無理してでもやってしまうことが多いので、腰を痛めやすいです。
不利な性格となります(筆者自身)。
以上、主な特徴をあげてみました。
若い方で発症する場合、腰への大きなストレス(重いものを扱う、介護業務など)が原因となることが多いです。
また、残念ながら遺伝的な影響も少なからずあります。
椎間板に障害が出やすい遺伝子を持っている場合、発症しやすくなります。
4 坐骨神経の治療は?どうしたら治るのか?

根本的な治療法は、坐骨神経への圧迫を取り除くことです。
確実に神経への圧迫を取り除くためには、手術を受けることが確実という意見もあります。
しかし、
実際には症状が軽い場合や進行していない場合、症状が酷くても保存的療法で治る可能性があるので、手術を行わずに治療をすることが多いです。
手術には苦痛やリスクを伴うため、現実的に手術は最終手段となりやすいです。
したがって、
完治が保証されるわけではないのですが、保存的療法を選択することがほとんどだと言えます。
治療法は症状によって違ってくるため、一概にいうことはできませんが主な治療法をご紹介します。
まず、坐骨神経痛の原因を確定します(わかりにくい場合もあります)。
原因に応じた治療法を選択していきます。
それが、最初に保存的治療法になります。
激しい痛みがあり、歩くこともできないような場合は安静の必要が生じる場合もあるでしょう。
痛みを抑えるための鎮痛薬(通常の鎮痛薬に加えて神経痛に効果のある薬など)が処方されたり、ひどい場合は神経ブロック(硬膜外、神経根)など麻酔薬を注射したりすることもあります。
ひとまずこれで痛みは楽になりますが、これは対症療法的です。
坐骨神経への圧迫が解放されるわけではありません(例外はあります)。
一時的な症状の緩和にすぎません。
このことは覚えておいてほしいと思います。
また、神経の圧迫が残ったままであれば、症状が再発してしまいます。
根本的な部分へアプローチしていく必要があります。
ここからは原因に応じた対策となるため、具体例として腰椎椎間板ヘルニアをあげていきます。
椎間板ヘルニアは、椎間板にストレスが過剰にかかることで(遺伝などの影響もあります)発症します。
この過剰なストレスの原因は、姿勢や動作の仕方(内容)にあることが多いです。
なので、まずは姿勢の改善に取り組みます。
理想的な脊柱(背骨)の形になるように姿勢を矯正して意識する練習をするのです。
さらに、補助的としてコルセットを用いたり、座位姿勢を改善するためのクッションを利用したりもします。
良い姿勢でも長時間同じ姿勢でいることは腰に負担がかかりますので、時々姿勢を変える必要もでてきます。
動作の仕方はとても重要です。
同じ重さのものを持ち上げる場合でも、その方法によって腰にかかる負担が大幅に異なってきます。
しっかり膝を曲げて腰を落とし、持ち上げるものを体から離さず、近い位置で膝を使いながら持ち上げます。
軽いものを床から持ち上げる(ごみを拾う動作など)時も、徹底して膝を使うようにします。
このような動作法の改善で腰への負担が少なくなります。
また、
これらに加えて体幹筋(腹筋、背筋など)や下肢の筋力強化をしたり、ストレッチをしたりして体の柔軟性を高めることも効果がありますので行います。
直接ヘルニアを改善させる目的で行う体操や徒手療法などもあります。
有名なものにマッケンジー法という方法があります。
主に体幹を伸展(反らせる)する体操を行っていくことで、ヘルニアを改善させます。
以上のような保存的治療法を行えば、手術を避けられる可能性が高くなることでしょう。
もちろん、すべてがうまくいくわけではありません。
神経への圧迫が重度で、下肢の麻痺や膀胱直腸障害などの症状が生じてしまったら、早めに手術を行う必要性も出てきます。
手術は、理屈通りで、神経の圧迫を開放するということが基本となります。
ヘルニアの場合、椎間板から飛び出した髄核(ずいかく)を取り除くことで、神経への圧迫を開放します(手術法はいくつもあります)。
椎間板ヘルニア以外の脊柱管狭窄症などの治療も、考え方は基本的に同じです。
少し性格の異なるものに梨状筋症候群がという症状があります。
その他の疾患が脊柱で起こるのに対して、この症候群はおしりの中にある梨状筋の部分で起こります。
筋肉によって坐骨神経が圧迫されるのが原因と言われています。
画像に写らないため、わかりにくい場合もありますが、経験豊富な医師により診断がつくでしょう。
梨状筋の柔軟性を増し、異常な緊張をなくすなどで改善することもありますが、保存的療法が効果のない場合は手術による方法もあるのです。
是非、これらの事を頭にいれて置いて頂けたら嬉しく思います。
5 坐骨神経痛の対策はどうしたらいいか?

重要な事なので、再度伝えたいのですが、坐骨神経痛の対策のためには、【日常的に腰に負担がかかりすぎないように配慮することです】
- 良い姿勢を心がける
- 長時間同じ姿勢にならないようにする(途中で体操するなど)
- 必要に応じてコルセット、クッションなどを利用する
- 日常動作の仕方に注意する(腰への負担を最小にする)
- 体幹筋、下肢の筋力が弱くならないように維持する
- 柔軟性を保つためのストレッチをする
- 運動不足の方は適度な運動を行う(ウォーキング程度)
- 肥満にならないようにする
- 症状が出たら医師の診断を受けて適切な治療を開始する
- 医師の指示に従いマッケンジー法などの体操を試してみる
そのほかにもありますが、早期から対策することが重要です。

6 まとめ
今回は坐骨神経痛の原因と対策についてお伝えしました。
坐骨神経痛は痛みだけでなく、進行すると下肢の麻痺やそれに伴う歩行障害、また膀胱直腸障害など、重度の症状を起こすことがあります。
日ごろから、対策をして予防をしておきましょう。
腰に痛みなどを感じている方は、坐骨神経痛の予備軍である可能性があります。
しびれや感覚の鈍いところはないか、つま先の上がり方が悪くなっていないか(筋力低下、麻痺)など注意しておいてください。
もし神経の症状が出たときは、早めに医師の診察を受けていただき、早めの対策をしていただけたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆様のご健康をお祈りいたします。
執筆者:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:mamotte運営管理者 理学療法士 平林

※ 編集を終えて:最後に ※
坐骨神経痛と診断されると不安になってしまいますよね。
しびれや痛みで思うようにいかない事など沢山あるでしょう。
でも、坐骨神経痛を治す事はできます。
何故、坐骨神経痛になってしまったのか?
という原因を突き止める必要があるでしょう。
また、
本当に坐骨神経痛なのか?と疑わなくてはいけません。
坐骨神経痛と医者から言われても、
【坐骨神経痛と違った症状が体に表れている】
という方も少なくありません。
なので、坐骨神経痛と診断されても、ある意味一つの参考程度にするのがいいでしょう。
そして、
【今、感じている症状を治す為にはどうすればいいのか?】
ということだけを考えて、治療に臨むのがいいと思います。
診断名に惑わされてしまうと、その診断が違っていた場合に、治療も間違ってしまう。
といったリスクが伴います。
なので、
信じる部分は、自分の症状に素直になる事だと思うのです。
- 坐骨神経痛だから、この治療
- 椎間板ヘルニアだから、この治療
- 脊柱管狭窄症だから、この治療
などと、型にはめた思考で治療を行わない事がなによりも大切だと思うわけです。
是非、参考にしてほしいなと思います。
運営管理者 理学療法士 平林
前の記事はこちら → 坐骨神経痛を治す名医はいるのか?について考察しています
坐骨神経痛にクッションは効果あるのか?理学療法士の視点から考えてみました ← 次の記事はこちら


最新記事 by mamotte (全て見る)
- 【朗報】脊柱管狭窄症はリハビリで良くなる!?理学療法士の考察 - 2021年2月17日
- 【疑問解決】脊柱管狭窄症はストレッチで治るのか?理学療法士が考えを述べる - 2021年1月21日
- 【絶対に読んでほしい】腰痛を治す!おススメな本を理学療法士の視点から紹介 - 2020年12月31日
※ 理学療法士イワモトの考え ※
坐骨神経痛は文字通り痛みの症状なのですが、同じように坐骨神経の障害であっても痛みを感じない場合もあります。
しびれや感覚障害(感覚が鈍くなる)、筋力低下が主な症状となることもあります。
痛みがないから坐骨神経は大丈夫と思わないような注意が必要です。
日ごろから感覚に左右差がないか両足を触ってみたり、つま先の上がり方が左右同じか確認してみたりして異常の早期発見に努めましょう。
短時間で診断をこなす必要のある医師にとって情報はとても重要です。
痛みの出る場所、感覚の鈍い場所、筋力が弱い場所、いつから、どんな時に症状が出るかなど。
情報をまとめて正確に医師に伝えることは、早く、正確な診断へ結びつきます。
実際に私が経験したことなのですが、医師に症状を正確に伝えなかったことが原因で、坐骨神経障害を見逃された例がありました。
このようなことが起こらないように、情報はしっかりと伝えましょう。
こんな情報が役に立つの?ということが診断の糸口になる場合もあります。
なので、躊躇せずに思ったことは伝える方がいいと思います