※この記事はリハビリテーションの専門家で、理学療法士である運営者平林と、理学療法士イワモトの考えや意見をまとめて紹介しています。
なので、共感できる部分は共感して、納得できる内容は納得していただけると幸いです。
執筆者・運営者は、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の国家資格を取得しており、実際に病院やクリニック、介護施設など様々な場所で現場で学んできています。
ですので、記事内で紹介している内容は、リハビリテーションの視点を持った国家資格者の視点からみた意見と臨床での事実を述べています。
それを踏まえて、記事の内容は自信を持って提供しています。
しかし、【内容が絶対正しい!】とは思わないでください。
というのも、世の中には、沢山の治療方法や治療の考え方があって。
- どれが正しくて、どれが間違っているのか?
- どれが自分に適している治療なのか?
個人的な意見も沢山あり、個人の解釈や価値観、考え方によって大きく違ってきます。
ですので、『絶対にコレが正しい治療方法だ!!』みたいな考え方はできなくて。
間違いなく言える事は、どんな治療においても、【実際に試してみないとわからないよ】。という事です。
【100%これが正しい】という治療方法は存在しません。
ですので、ここで紹介している内容も一人の理学療法士の意見である事を踏まえていただきたいと思います。
そして、この記事があなたの役に立てばうれしく思います。
1 腰椎分離症に効果的のある筋トレを紹介
腰椎分離症は、強く体を反らせる動作や回旋する(捻る)動作の繰り返しが危険だと言われています。
しかし、それがダメであるというわけではなくて。
過度に反らせたり、捻ったりする動作が急激に加わる事などが危険です。
なので、過度に反らせたり、捻ったりする動作を少なくすると腰椎分離症になる可能性が低くなるということが言えます。
また、腰部を固定するための筋力も必要となります。
腰椎の動きを止め、安定化させるには、腹筋、背筋などの体幹筋が強く同時収縮(同時に力が入ること)を起こすことが必要です。
腹筋と背筋の同時収縮はまた腹圧(お腹の内部の圧力)を高め、内部から脊柱を支えます。
言ってみれば体幹の筋力を用いて、天然のコルセットを作り上げるわけです。
日常生活レベルだとそれほど筋力を強くする必要性はないですが、スポーツを行う方は筋力を標準以上に高めておく必要があります。
という中で、筋トレの方法は多くあるので、その中からいくつかご紹介します。
筋トレ方法① 腹筋
腹筋は主に腹直筋(ふくちょくきん)、腹斜筋(ふくしゃきん)群を鍛えます。
股関節は90°曲げます。
息を吐きながら頭部を持ち上げ、腹筋をしっかりと収縮させます。
息を吐ききって5秒程度保持します。
バリエーションとして、上体を軽くひねった位置で同様に行います(腹斜筋を意識して行います)。
回数に制限はありませんが、最低10回以上は行いましょう。
実施する頻度は週に2回程度で十分です。
臀部が上下しないように一直線に保ちます。
腹筋の収縮を意識しながら10秒以上保持します。
回数は5回から10回程度行います。
腰部に痛みがある場合は中止します。
その他、歩きながらでも電車の中でもできる方法があります。
腹式呼吸です。
息を吐ききってお腹を最大限にへこませて2~3秒保持します。
腹筋の収縮を強く意識します。
この方法は意識的に行うとかなり強い収縮を得られます。
意外に効果があります。
筋トレ方法② 背筋と腹筋
四つ這いで行う方法やうつぶせで行う方法があります。
うつぶせで行う方法が負荷はやや強くなります。
痛みが出ない範囲で行いましょう。
※背中を極端に反らせて痛みが出る場合は腰椎分離症の方には適していない場合があります。
なので、注意が必要です。
2 腰椎分離症は運動禁止なのか?考察した。
腰椎分離症になると、スポーツは辞めましょう。
と診断するお医者さんもいます。
スポーツなどの部活をしているのであれば、部活を辞めなくてはいけない・・・・と不安になるでしょう。
その中で、腰椎分離症でも運動はできる人も沢山います。
一時的に運動禁止をせざる負えない場合もありますが、完全に運動がダメになる訳でもありません。
ここでは、運動禁止になっても運動を再開できる場合がある方法について話していきたいと思います。
その① 分離症の初期の場合(分離しかけている状態)は運動再開できる
分離症を治療するためには運動禁止は原則ではあります。
しかし、3カ月程度の運動禁止と固定(硬性コルセット)をする事で、症状が緩和して、徐々にスポーツを再開することは可能です。
部活をやめなくてはけいけないレベルまではいきません。
このコルセットをしたりしている間、筋トレなどをして体幹を中心とした筋力を鍛える必要はあります。
そのようにする事で、運動の再開時期も早くなる事もあります。
その② 痛みが強いまたはしびれを感じる、感覚がうすい場合は運動再開できる
腰椎分離症は、痛みがとても強かったり坐骨神経痛などの神経症状が出たりします。
この場合は、症状の悪化を防ぐために一時的に運動禁止の指示が出ることがあります。
ただ、症状が改善すればまたスポーツ復帰できる可能性もあるので、部活をやめる必要はありません。
ただ、医師の指示通りに動く必要があるので。
運動禁止であれば、運動はいったん中止しなくてはいけません。
部活を長く休むことは、辛いですがそこは忍耐です。
スポーツ生命を長く続けるためには忍耐も必要な時もあります。
運動再開できる時まで、我慢しましょう
3 腰椎分離症は治らないのか?考察した
結論から言うと治る場合と治らない場合があります。
ここでは、2つのパターンについて話していきます。
治るパターン:腰椎分離症が治る場合
分離症の初期~中期であれば、治療することで良くなる場合が多いです。
やや進行している場合は治癒する可能性は下がります(初期の半分程度)。
なので、腰椎分離症をMRIで早期に発見することが重要にはなります。
治療は、運動の中止と硬性コルセットでの固定がほとんどです。
期間としては、3カ月程度で治ることが多いです。
- 腰部の固定
- 運動の一時的な中止
- 筋トレを行う
- 軽いストレッチ
などを行う事で、腰椎分離症の症状が軽減・改善へと向かう事は多々あります。
参考にしてください。
治らないパターン:腰椎分離症が治らない場合
分離症の後期になると骨がつながらなくなります(偽関節:ぎかんせつの状態)。
この状態になってしまうと、骨は分離したままになってしまうので、痛みを感じる場合が多くなるでしょう。
骨が完全に分離した状態になってしまうので、腰に痛みを感じながら生活をしなくてはいけない場合もでてくると思います。
しかし、この痛みの強さも個人差がありまして。
- 腰に違和感を感じる程度で、走る、飛ぶ、歩くなどが普通にできる。というレベル
- 腰の痛みが時々刺さるように出現して、その一瞬は辛い。というレベル
- 常に腰に違和感や痛みを感じており、歩く、動くのも嫌になる。というレベル
などと。
軽い状態~重い状態まで、人それぞれとさまざまです。
中には、痛みがない場合もあり、運動できる人もいます。
また、生まれつきに分離している場合もありますが、これは少数です。
小学生~高校生にかけて、これといってきっかけもなく、何故か腰が痛いなぁ・・・・。
といった、原因不明の腰痛が2週間以上続くようであれば、腰椎分離症である可能性があります。(あくまでも可能性です)
なので、早めに検査をして(MRI )早期発見できれば、完治できる可能性は高くなります。
したがって、初期の症状を見逃さないようにしてほしいなと思います。
4 実際に腰椎分離症の人の話を聞いてみた
分離症の方から実際に話を聞くと、特に痛みなく生活されている(仕事もしている)方も多いです。
痛みのない場合、腰椎分離症と気づかず生活されているのも事実です。
腰痛を抱えながら仕事をしている方も沢山いるのが現実です。
なので中には、一部、分離症がすべり症へ進行してしまった方もいて。
この場合は坐骨神経痛などの症状が出ている場合が多いです。
脊椎術後の方の話を聞くと、痛みは減ったけどしびれは変わらないと感じている人もいます。
腰椎分離症でも、プロスポーツ選手として現役で活躍している人もいて。
サッカーの有名選手は腰椎分離症、椎間板ヘルニアを持っているとの事で。
過去に競技の断念を迫られるほどの腰痛に悩まされていた様ですが、トレーニングにより見事に復帰している選手もいます。
また、プロ野球選手においても分離症に対する手術まで行い1年をかけて復帰した方もいたりするので。
腰椎分離症になったからといって決して悲観的になる必要はないでしょう。
諦めないでいいと思います。
5 まとめ:腰椎分離症は筋トレをして、症状の改善を目指そう
今回は腰椎分離症と筋トレについてお伝えしました。
腰椎分離症はスポーツをする若い人に多い疾患です。
腰椎分離症にならない為にも、腹筋や背筋を中心とした適切な筋力強化を行って体幹筋を鍛えて、腰への負担を減らす事が必要だと言えます。
また、腰椎分離症になったからといってすぐスポーツをやめる必要はありません。
腰椎分離症でも運動はできる人も沢山います。
ただし、症状が悪化した場合や、医師から運動中心の指示が出た場合は、医師の指示に従う時も必要でしょう。
事実的には腰椎分離症でも運動をしている人は沢山いるので、適切な対処、治療を行って症状の改善に繋げましょう。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林
※ 編集を終えて:最後に ※
腰椎分離症でもスポーツを十分に行っている子もいます。
なので、腰椎分離症と診断されても、部活やスポーツを辞めなくてはいけない。
というわけではないことを理解してほしいなと思います。
で、腰椎分離症の対処として、筋トレは有効です。
特に体幹の筋トレを積極的に行いましょう。
そして、体幹の強化をして、腰への負荷を最小限にする努力をしましょう。
その結果、腰痛が少しでも軽減に繋がればうれしいです。
今回も、最後までありがとうございました。
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mamotte運営者で理学療法士の平林です。
腰椎分離症(ようついぶんりしょう)はスポーツ選手に多くて、若くてスポーツをしている子に発症することが多い症状です。
実際には、腰椎分離症でもスポーツを続けられる子もいます。
腰椎分離症でスポーツができなくなってしまう人もいれば、できる人もいるのが現実です。
この理由の一つに筋トレがあって、腰椎分離症の改善には筋トレが有効であるという意見があります。
という中で、今回は、【腰椎分離症と筋トレ】をテーマで記事にしました。
この記事を読めば
◎ 腰椎分離症に効果的な筋トレの方法をしれて、少しでも症状の改善に役立てる事ができる
といった点があります。
少しでも役に立てばうれしいです。
では、本日もよろしくお願いします。