※この記事はリハビリテーションの専門家で、理学療法士である運営者平林と、理学療法士イワモトの考えや意見をまとめて紹介しています。
なので、共感できる部分は共感して、納得できる内容は納得していただけると幸いです。
執筆者・運営者は、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の国家資格を取得しており、実際に病院やクリニック、介護施設など様々な場所で現場で学んできています。
ですので、記事内で紹介している内容は、リハビリテーションの視点を持った国家資格者の視点からみた意見と臨床での事実を述べています。
それを踏まえて、記事の内容は自信を持って提供しています。
しかし、【内容が絶対正しい!】とは思わないでください。
というのも、世の中には、沢山の治療方法や治療の考え方があって。
- どれが正しくて、どれが間違っているのか?
- どれが自分に適している治療なのか?
個人的な意見も沢山あり、個人の解釈や価値観、考え方によって大きく違ってきます。
ですので、『絶対にコレが正しい治療方法だ!!』みたいな考え方はできなくて。
間違いなく言える事は、どんな治療においても、【実際に試してみないとわからないよ】。という事です。
【100%これが正しい】という治療方法は存在しません。
ですので、ここで紹介している内容も一人の理学療法士の意見である事を踏まえていただきたいと思います。
そして、この記事があなたの役に立てばうれしく思います。
1 手術後の職場復帰に向けた3つのアドバイス
まず、伝えたいお話とは、
その① 手術後もリハビリは継続しなくてはいけない
その② 良い姿勢を意識する習慣が必要になる
その③ 仕事量を調整するべき、がんばりすぎてはダメ
といった3つです。
全て意識できる事が理想ですが、上記項目1つでも意識できると、仕事復帰もしやすくなると思います。
ちょっとでも意識してほしいです。
その1 手術後もリハビリは継続した方がbest
ここで言いたいのは、手術後、退院しても自宅などで簡単な運動や筋トレ、ストレッチなどをしていかなくてはいけませんよ!!
というお話です。
リハビリは入院中だけでなく、家でも外でもやった方が良くなるし、再発予防になりますよ。
という考えです。
だいたい多くの人が、入院中だけのリハビリを想像しがちです。
しかし、実際の意味では退院後の自宅でもリハビリはした方がいいのです。
リハビリと言うと、入院期間中または外来通院など、病院で行うものというイメージの人が多いかもしれません。
さらに、理学療法士、作業療法士などのセラピストにやってもらうという感覚もあるでしょう。
しかし、我々リハビリのスタッフは、アシスト(簡単に言うとお手伝い)でして、リハビリの助言や指導、お手伝いをする事しかできません。
中心となってリハビリを行うのは、患者さん本人のあなたですよ。という事です。
自分自身が行う事をしないと症状も良くなりづらいし、悪化していく可能性もあるとも言えます。
というのも、例えばですが、筋肉を鍛えるのも、関節を柔らかくするストレッチとかも、自分自身でやらないと効果が薄いでしょう。
誰かにストレッチをしてもらうのと、自分で毎日行うのでは、効果の差が生じます。
自分が自ら行動しない限り良くなるペースは断然に遅いといえるでしょう。
病院でリハビリができる期間は限られています。
退院後や外来通院終了後はリハビリを自分自身で行っていかないといけません。(行っていく方が良いってことです。)
なので、「リハビリの卒業」というのはなくて、今後ずっと継続していくべき事がらであって。
リハビリの終わりはない。
このように考えてほしいなぁと思うわけです。
その2 姿勢が悪くなると悪化する。良い姿勢を意識する習慣をつけよう
ここでは、姿勢についてです。
結論、姿勢が悪くなると痛みが悪化したり、再発しやすくなったりする傾向があります。
なので、【良い姿勢の取り方を身に着けて、どんな姿勢や行動をとるにしても、自分自身で良い姿勢を取れるようになる】という術を身に着ける必要があるでしょう。
これは、一度専門家に学んでおくといいと思います。
また、なぜ悪い姿勢になってしまうのかというと。
① 日常生活における姿勢の悪さ
② 仕事での姿勢の悪さ(仕事復帰した場合)
の二つがあげられます。
① 日常生活の姿勢
日常生活の姿勢については、生活スタイルや日常生活動作の癖だったりが問題になってきます。
日常生活のスタイルは人それぞれなので、どれが悪くて、どれが良い。
という事は言えません。
どんな日常生活にせよ、姿勢を悪くしてしまう動作や行動を頻繁にしてしまったりする事が良くないと言えます。
例えば、和風の畳中心の生活とすると、あぐらでお尻を畳に着けたまま座る姿勢の場合は、腰がどうしてもまるまってしまい、腰への負担が大きくなります。
このあぐら姿勢を長時間してしまうと、次第に腰は痛みを引き起こしてしまう可能性があると言えます。
とは言っても、、椅子に座る生活にしたとしても、椅子に座る姿勢が悪くなってしまっていたら、良くありません。
つまり、どんな姿勢にせよ、悪い姿勢になってしまっていたら良くありません。
手術後は、腰への負担が小さくなるように意識をする生活が必要です。
日常生活から、腰への負担を増やさない努力をしていきましょう。
② 仕事においた姿勢
仕事中の姿勢においても注意が必要です。
仕事に復帰できていたとして、腰部はある程度回復している状態と思います。
しかし、まだ完全な状態ではないですし、無理をすればまた症状を悪化させてしまう危険もあります。
仕事中は、一定の姿勢を強制されるような場合が多いと思います。
- ずっと椅子に腰掛けてのデスクワーク)であったり
- 立ち仕事であれば、立ってなくてはいけないし
仕事内容、業種によっても変わってくるかと思いますが、背中が丸くなった姿勢を長時間継続するのはよくありません。
良い姿勢を中心としながら、時々姿勢を変えて、同じ姿勢が続かないようにする工夫が必要です。
また、腰の術後に、重量物を運搬することは無いかもしれませんが、それほど重くないものであれば、移動させたり、持ち上げたりする機会もあるでしょう。
そのような場合も、できるだけ腰に負担のかからない姿勢を維持しながら動作を行う必要があります。
腰を曲げて物を持ち上げるような動作は、腰へ非常に大きな負担をかけます。
腰の筋力を使わず、膝をうまく使って(下肢の筋力を利用して)物を持ち上げるような動作を心がけるようにしてください。
また、必要に応じてコルセットを使用する事も有効です。
腹圧を高め腰椎を安定化させることができるので、効果的な場合も多いでしょう。
という事で、日常生活や仕事において、良い姿勢をとれるようにするのは大切です。
是非、意識できるといいでしょう。
下記に姿勢について載せておきます。
その3 仕事も頑張りすぎてはダメ、仕事量も調整しよう
ここでは、率直に仕事を頑張りすぎないようにしましょう。
という内容です。
以前と同じ様に仕事をしたい、いや、しなければという気持ちもあると思いますし、当然な気持ちだとは思います。
しかし、あまり頑張りすぎて、また腰を傷めてしまっては、元も子もありません。
なので、がんばりすぎるのはダメですよ。
とお伝えしたいです。
仕事は、生活維持のためややりがい、働き甲斐など。人生において長く続ける必要があると思います。
なので、自分の腰と相談しながら、無理しすぎない程度で、調整しながら行うようにしてください。
手術後に再発、悪化する人も少なからずいます。
無理しないようにしましょう。
2 職種変更を含む仕事内容の見直し
腰に痛やしびれなどが生じた原因の中に、【仕事】の影響は大きいと言えます。
もちろん、仕事以外での影響もありますが、仕事をしている人は、仕事の影響を大きく受けているのは間違いないでしょう。
腰への負担が大きい仕事は、脊柱管狭狭窄症を悪化させる要因となり得ます。
なので、仕事内容を検討するのは一つの判断になると思います。
仕事場や仕事の種類、業種は色々なので、融通がきいたり、きかなかったりもするでしょう。
職場復帰するのであれば、「皆と同等の仕事をしてもらう」ことを望まれるのも実際にあるでしょう。
そういう場合は、現実的に無理ということも生じます。
厳しい決断となりますが、転職も視野に入れるのがいいかもしれません。
ここで無理に同じ仕事を繰り返して、痛みが再発した。
となるよりも、仕事を変えて長く続けられたほうが良いことは多くあるのではないでしょうか。
転職も視野にいれながら、在宅ワークなど。
腰への負担が強くなりすぎない様な仕事を探すのも一つの方法かと思います。
最近では、ネットで、「在宅ワーク」のキーワードで検索すれば、多くの在宅ワークの仕事を見つけることもできます。
自分に何ができるのか、腰に負担のかかりにくい仕事は何があるのか、十分に検討して自分に適した仕事を見つけ出す事もできるのではないでしょうか。
3 自己管理:腰痛予防策の実践
脊柱管狭窄症になるかどうかは別としても、やはり腰への負担が大きい仕事では、腰を悪くすることが多いです(腰部椎間板ヘルニア、いわゆる腰痛症など)。
仕事では、どうしても腰への負担が大きくなってしまう場合はあると思います。
そんな時は、腰への負担を軽くしたり、負担を減らすような工夫ができるといいでしょう。
仕事中、仕事前、仕事あとなど、腰への負担を軽減させる努力をするのは有効です。
どんな仕事にせよ、自分自身で腰への負担を軽減させる方法を身に着けるようにしましょう。
その方法は、一度は、我々理学療法士などの専門家に学ぶ。
のがいいかなと思う次第です。
4 まとめ:適度な労働、姿勢の改善、リハビリを通じた復職の準備
脊柱管狭窄症の術後に、仕事復帰もできるし、仕事はできます。
- リハビリを継続する
- 良い姿勢を意識する
- 仕事量を調整する
この3つを意識して、腰痛の再発予防・腰痛軽減に努める。
そうすることで、仕事での腰への負担も最小限にできるでしょう。
リハビリは、入院中だけ行うものではなくて、自己管理として一生継続するつもりで行う方が効果的です。
良い姿勢を意識する事は、腰への負担を減らすので有効な手段です。
そして、仕事量や仕事内容も大切です。
仕事は直接的に腰部の負担になるので、調整も必要です。
今までの仕事は調整が困難な場合、転職も視野に入れて慎重に検討するのもありでしょう。
脊柱管狭窄症では、術後に職場復帰できる可能性はありますが、この様に注意すべき点がいくつかあるので、無理をしないように調整しながら行っていってください。
執筆:mamottteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:mamotte運営者 理学療法士 平林
【治療について】脊柱管狭窄症は手術しないでも良くなる人は多い!という話を紹介
脊柱管狭窄症は、手術しないでも良くなる人は多くいます。
手術をしなくてはいけない人もいれば、手術をしないで済む人がいます。
脊柱管狭窄症の症状は人それぞれ違うので、できれば手術をしないで済んだ方がいいのではないか?
という事をお伝えしている内容です。
1人の理学療法士の意見として、参考にしていただけたら幸いです。
脊柱管狭窄症の手術をして、仕事復帰した。仕事をしている。
という人は少なからずいます。
仕事内容にもよりますが、不可能ではありません。
ただ、仕事を再開できたからといって、無理をしてしまうと、悪化していくばかりです。
ですので、手術をしたから大丈夫!!
ではなくて、患部をいたわりながら、休息、仕事、のバランスを考えて行う必要があると思います。
脊柱管狭窄症の手術後に仕事復帰は一つの目標にもなりますが、症状を再発させない。
というのが最終的なゴールだとは思います。
無理しないで、仕事と休息のバランスを考えながら進められたらいいのかなぁと思います。
本日の話が少しでも参考になれば幸いです。
最後までありがとうございました。
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mamotteライターで理学療法士のイワモトです。
脊柱管狭窄症の手術をした後に仕事復帰を目指す方は一定数いるでしょう。
そんな中、実際に仕事復帰できるのか不安だ・・・・
このように感じるのではないでしょうか。
今回は、脊柱管狭窄症の手術後に仕事をしたいと考えている方に向けて伝えたい内容です。
この記事を読んで、手術後でも仕事をつづける事ができるんだ!
と言う気持ちになっていただき、ちょっとした勇気を与える事ができたら嬉しいです。
では、本日もよろしくお願いいたします。