※この記事はリハビリテーションの専門家で、理学療法士である運営者平林と、理学療法士イワモトの考えや意見をまとめて紹介しています。
なので、共感できる部分は共感して、納得できる内容は納得していただけると幸いです。
執筆者・運営者は、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の国家資格を取得しており、実際に病院やクリニック、介護施設など様々な場所で現場で学んできています。
ですので、記事内で紹介している内容は、リハビリテーションの視点を持った国家資格者の視点からみた意見と臨床での事実を述べています。
それを踏まえて、記事の内容は自信を持って提供しています。
しかし、【内容が絶対正しい!】とは思わないでください。
というのも、世の中には、沢山の治療方法や治療の考え方があって。
- どれが正しくて、どれが間違っているのか?
- どれが自分に適している治療なのか?
個人的な意見も沢山あり、個人の解釈や価値観、考え方によって大きく違ってきます。
ですので、『絶対にコレが正しい治療方法だ!!』みたいな考え方はできなくて。
間違いなく言える事は、どんな治療においても、【実際に試してみないとわからないよ】。という事です。
【100%これが正しい】という治療方法は存在しません。
ですので、ここで紹介している内容も一人の理学療法士の意見である事を踏まえていただきたいと思います。
そして、この記事があなたの役に立てばうれしく思います。
1 腰痛は退職の理由になる!退職してもOK
腰痛は、軽いものから重度のものまで程度は様々で、その原因も多様です。
症状が軽くて、なおかつ進行がなければ、仕事を継続することも可能です。
しかし、症状が重ければ、仕事をつづけるのが困難となることもあるでしょう。
また、現在なんとか仕事ができていても、症状が進行しているのであれば、仕事を続けていく事に不安を感じることもあると思います。
実際には腰痛を我慢したり、通院しながら仕事を継続している人も多いです。
さらに、腰痛のみならず、排泄障害や感覚障害、足がしびれる、感覚が鈍いなどの麻痺症状が出現しているような状態は、通常の単なる腰痛とは違い、生活も厳しくなるくらいの状態の人もいるのが実際です。
これは入院・手術や数か月の休養が必要なこともあります。
なので、動けないほどの腰痛であれば、基本的には休職や退職は認められる形になるでしょう。
という事で、腰痛による退職は十分に認められる事が多いと思う次第です。
本当に辛い場合は我慢せずに勇気を出して、退職・休職などを考えても良いと思います。
2 腰痛が退職理由にならない場合もある。
また、腰痛で退職できないor退職したくてもできない場合もあります。
これは、退職(しにくい)理由があるという意味合いです。
その理由としては、次のようなものが考えられるでしょう。
これは非常に切実な問題です。
家計を支えている人が退職してしまえば、収入減によって生活が成り立たなくなる場合があります。
ローンの返済などあれば、さらに問題は大きくなりますよね。
このような状況であれば、腰痛がひどくても仕事をやめられないという大きな理由となります。
これは、生活の為に必要だという事です。
公的な生活保護などでなんとかなる人もいるかもしれませんが・・。
介護職の現場は、その多くが人手不足です。
例えば、誰かが病気で休んだら、休日で休んでいる職員が呼び出されることも珍しくない世界です。
これ以上介護スタッフが退職したら、施設の基準を満たさなくなるというような現状もあります。
このような職場では、簡単に退職を認めてもらえない場合もあるでしょう。(一方、現場では人手不足感があっても、経営者が経営を優先して職員を減らしたいと考えている場合などでは、簡単に退職できることもあります)。
3 退職をしない努力も大事
先にお伝えしたように、腰痛は(状態によっては)十分退職の理由となります。
しかし、家計を支えている人の場合、また家計を支えている人ではなくても、将来を考えた場合、退職を避けた方がよい場合もあります。
一度退職してしまうと、再就職が難しい、退職前の条件で働くことができないなど。
待遇面でデメリットを受ける可能性が大きくなります。
厚生年金の積み立て、退職金の問題などもありますよね。
痛みが強くなると、精神的にも抑うつ的になってしまったりして、退職の方向へ気持ちが傾くことがあるかもしれません。
しかし、現実的な収入減をどのようにクリアしていくかなど、退職によるデメリットについては客観的に判断を下す必要があると思います。
手術が必要なら、入院および術後の療養期間を休業するという方法もありますし。
家族の介護で腰痛を起こしているのなら、改善するまで施設入所を利用するなどの方法もありでしょう。
退職しないメリットは多くあるので、退職を避ける方法についても十分検討していただければと思います。
なんにせよ、仕事を辞めたくないのであれば、腰痛をどうしたら治せるのか?どうしたら腰痛にならないのか?
という点に意識をするのがいいと思います。
4 腰痛の予防と改善の意識が大切
腰痛は、多くの場合改善すると思います。
腰痛は退職の理由となりますが、退職せずに腰痛を改善させるという選択もあると思います。
むしろ、その方が良いでしょう。
そのためには、腰痛について理解して、腰痛を改善させる、予防するという意識を持つことが重要です。
介護は身体的な負担が大きいと言われます。
特に腰に大きな力がかかる場面が沢山あります。
なので、腰痛が起きやすくなるのは当然です。
しかし、十分な予防対策を行っていなかったことも、腰痛発症の理由となります。
介護がすべての原因ではありません。
予防には、自分自身で行えるものがあります。
ここで、具体的な対策についてご紹介しておきましょう。
姿勢は腰痛の発生に大きく関係しています。
姿勢が悪くなると腰への負担が大幅に上がります。
さらに、介護で負担をかけて、姿勢で負担をかけてでは腰痛が発生しやすくなります。
腹筋や背筋の体幹筋力を作る事で、良い姿勢を保持する力がつきます。
下肢筋力を高めることで、腰に負担をかけないパワーポジションでの動作が行いやすくなります。
ですので、総合的に筋力をつける事は良い姿勢の維持の為に繋がって、腰に負担をかけないで済むのです。
よって、結果的に腰痛の予防になる。
という事が言えます。
体幹や下肢の柔軟性を高め、維持することで、良い姿勢が保持しやすくなり、動作のパフォーマンスも向上します。
ですので、継続的なストレッチを行って、体の柔軟性を維持する事は腰痛対策に効果的であると言えます。
ベッド上での介助動作(おむつ交換、体位交換)、移乗の介助などでは、自分が辛くない姿勢で介助をするのが望ましくなります。
姿勢や介助方法を工夫することで、腰への負担を大幅に減少させることができます。
このように、自らの腰に負担をかけない介助法の技術について学ぶのは腰痛予防に有効だと言えます。
肥満傾向になると、腰への負担が増加します。
肥満傾向になると、お腹が大きくなって重心が前方へ行きやすくなります。
重心が前方に向かうのを防ごうとして、背中の筋肉を過剰に使って、重心を真っすぐに保とうとします。
その結果、背中の筋肉が常に働いている状態になるので、腰を含め背中全体に痛みを引き起こしてしまう。
という状態になってしまう事が考えられます。
ですので、体重が軽くなれば、自然と姿勢も真っすぐへと向くので腰痛や背中の痛みが減る。
という事が言えるのです。
なので、適正体重を維持するように努めるのは効果的だと言えます。
ストレスは腰痛の悪化、仕事へのモチベーション低下、退職願望へとつながるでしょう。
自分のストレス解消法を見つけて、発散・解消できるように努めるべきでしょう。
時間を少しでも設けるようにすると良いと思います。
投薬やカウンセリングが有効なこともありますので、専門家の力を借りるのも良いかもしれません。
自宅での介護を行っている場合、体調不良の時は、無理をせず介護保険のサービスなどを利用するとよいでしょう。
ショートステイなどの利用がその例です。
一人で抱え込まず、地域の支援センターで相談するなど、社会の支援を受けることも大切です。
あとは、助けてくれる人をつくっておく事もありでしょう。
介護の職場では、助けを求めにくい場合もあるかもしれませんが、できるだけ良好な関係を構築して、協力を
得られるようにしておくといいと思います。
5 腰痛で退職は慎重に考えるべき
私の周りには、手術が必要になるほど腰が悪化した人が多いですが、退職せず仕事を継続されています。
状態が悪い時は歩行障害もあって、これで同じ仕事に復帰して大丈夫かな?と心配になることもありましたが、ほぼ同じ仕事に復帰しておられます。
介護系の仕事の場合、やや身体的負担の少ない部署(例えば、同系列のデイサービスへなど)への異動などが、よい結果となることがあります。
退職は、職場から止められることが無ければすんなりできるでしょう。
退職届を出せば、誰も止めることはできません。
しかし、その後が大変ですよね。
腰痛で退職した場合、しばらくの間入院や自宅療養となるでしょう。
しかし、いつまでも療養というわけにはいかないと思います。
腰の状態が改善すれば、再就職を考えるでしょう。
介護系の仕事であれば、現在求人が多いので、腰痛改善後の再就職は難しくないかもしれません。
しかし、一般的には、長く勤めていた職場と同じ待遇での再就職は難しいと言えるでしょう。
希望の職場が見つからないときは、定期的なハローワーク通いと、毎月の就職活動(面接含む)が必要となります(失業給付を受給する場合)。
離職期間が長くなると、再就職への意欲が減少するということもあるようです。
したがって、どうしても退職しなければならない状態(職場から辞めて欲しいと言われるなど)でないならば、なんとか退職を避け、継続したほうが良いと思います。
家族の介護によって腰痛に悩まされている場合は、積極的に介護保険の利用を検討することをおすすめします。
6 まとめ:腰痛を治す努力は必要だが、腰痛も退職理由になる。
今回は、介護での腰痛は退職の理由になるのか?という思考を元にお伝えしました。
腰痛が悪化すれば、仕事に支障をきたし、実務を行うことができなくなることもあります。
入院(手術)、療養のための期間が必要になる場合もあるでしょう。
したがって、腰痛は退職の理由として成り立ちます。
しかし、経済的な理由で退職できなかったり、職場の人手不足のために、退職を止められたりすることもあるでしょう。
退職は、腰痛改善の一つの方法ともなりますが、経済的な問題を生じるなど、デメリットも多くあります。
なので、腰痛改善を目指して、予防することで、退職をせずに仕事を継続できる環境づくりが大切だと思います。
で、介護している限り、腰痛から逃れられないということではありません。
正しい介助方法や自分に負担がかからない方法を身に着けて、腰痛予防に取り組みましょう。
そうする事で、仕事を続けられます。
その中で、何よりも大切なのが、自分自身が腰痛改善を意識し、対策を実行することで改善・予防は可能です。
あきらめず、退職を避ける可能性を探って、慎重に決断していただければと思います。
本日の内容があなたの約に立てばうれしいです。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林
介護腰痛で病院に受診してみる方が良い。という内容です。
介護腰痛になる人は多く、なかなか良くならない場合が多々あります。
実際、どのような対応をしていけばよいのか?わからない方が多いと思います。
そこで、病院に受診する事で介護腰痛は良くなるのか?を考察してみました。
介護腰痛に悩まされている方の役に立てばうれしいです。
介護職で腰痛になってしまい、退職をせざる負えない。
という人は少なからずいます。
退職までもいかずとも、休職という人も結構な割合でいるんです。
このような状況は変わっていません。
腰痛を予防する意識をもつ事が必要だと感じます。
- 良い姿勢を意識する
- 軽い筋トレをする
- ストレッチを定期的にする
この3つだけでも続ければ、かなりの割合で腰痛は減るでしょう。
少しでもやってみてはいかがでしょうか。
今回も最後までありがとうございました。
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mamotteライターで理学療法士のイワモトです。
介護で腰痛になる人は多くいます。
介護は身体的な負担が大きいのと職場ストレスなどが理由となり、腰を痛めやすい仕事の上位に入っています。
さらに、腰痛で仕事ができなくなってしまい、退職する人の数も少なくありません。
今回は、そんな介護での腰痛は退職理由として認められるのか?というテーマで記事にしました。
この記事を読めば
◎ 腰痛で退職することは問題ないし、認められている病状である。という事が理解できるのと退職する勇気を得る事ができます。
介護で腰痛が辛い、腰痛で仕事ができなくて退職や転職を考えている方の参考になれば幸いです。
では、本日もよろしくお願いいたします。