※この記事はリハビリテーションの専門家である、理学療法士2名の思考と考えを交えて紹介しています。
内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
是非、宜しくお願いいたします。
皆様こんにちは。
mamotteライター理学療法士のイワモトとmamotte運営者で理学療法士の平林です。
あなたは、腰が痛くなったら何を感じますか?
『腰の筋肉によるものか・・・』
『腰の骨によるものか・・・』
『なんか、内臓疾患によるものか・・』
『ストレスによるものか・・・』
色々感じる事は個々違うでしょう。
というのも、腰痛の原因はわからないことも多い(約85%)のが現状です。
その中で、
原因が特定できる腰痛の多くは、脊椎や筋肉など骨格系の障害が原因となっている事が多いです。
たとえば、
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎圧迫骨折、腰椎すべり症など。
検査で原因を断定できるものに限ります。
しかし、
一部の腰痛は、腰とは関係なく、内臓による病気やストレスなどが原因となって生じている可能性があるのです。
内臓疾患由来の腰痛は、命にかかわるものもあるため注意が必要になってきます。
そこで、
今回は、腰痛になってしまう可能性のある病気についてお伝えしたいと思います。
この記事を最後まで読むことで、【腰痛と病気】について知る事ができるでしょう。
腰痛を感じた時に、何が原因であるのか?
といった事も知れて役に立つでしょう。
是非、最後まで読んで欲しいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
目次
1 腰痛と病気の関係を紹介する

腰の痛みは、
- 腰の筋肉の微細損傷
- 脊椎間関節の捻挫
- 椎間板の損傷
- 椎骨の変形
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- その他脊柱付近の障害
などが原因で起こることが多く、比較的因果関係が分かりやすいものです。
しかし、
数は少ないですが、脊柱付近とは別のところに問題があるのに腰痛を感じている。
という分かりにくい病気もあります。
内臓の異変により、体の表面に痛みや圧痛(あっつう:押すと痛い)を生じることがあります。
これを関連痛(かんれんつう)と言います。
関連痛は内臓の種類によって、おおよそ決まった場所に出現します。
中には、
腰痛があるので整形外科でレントゲン写真をとったにも関わらず、異常はなかった。
しかし、そのまま様子を見ていると、後日内臓疾患が発見されたということもあります。
腰痛はもともと原因が特定できないことが多いので。
内臓から起こる関連痛までが、原因のわからない腰痛の一つとして扱われてしまう恐れがあるのです。
近年、このようなことを少なくするために、特定の診療科ではなく総合診療科で診察して、腰痛専門の診療科へ転科するというシステムも中にはあります。
2 では、腰痛はどのような病気で起こる可能性があるのか?

ここでは、さらに特徴的な事について紹介していきます。
腰痛や背中の痛みを生じる可能性のある病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
主な具体的な病名をご紹介していきます。
〇 脊柱(脊椎)など
病名・診断名 |
状態・症状 |
腰椎椎間板症 (ようついついかんばんしょう) |
椎間板に痛みを生じます。 |
腰椎椎間板ヘルニア (ようついついかんばん) |
坐骨神経痛を起こすことが多く、腰痛を起こすことは少ないです。 |
変形性腰椎症 (へんんけいせいようついしょう) |
高齢者に多い疾患です。 |
脊柱管狭窄症 (せきちゅうかんきょうさくしょう) |
坐骨神経痛や間欠性跛行(かんけつせいはこう)が特徴的です。 |
腰椎分離症 (ようついぶんりしょう) |
腰椎の疲労骨折で痛みを生じます。スポーツなどで起きます。 |
腰椎すべり症 |
坐骨神経痛を起こすこともあります。 |
脊椎外傷 (せきついがいしょう) (骨折、捻挫など) |
スポーツや転落によるけがなどです。 |
脊柱靭帯骨化症(後縦靭帯骨化症など) こうじゅうじんたいこっかしょう |
靭帯が骨に変化し脊髄を圧迫します。 |
腰部筋筋膜損傷 (ようぶきんきんまくしょう) |
筋肉に強いストレスがかかり、筋肉に痛みが起こります。 |
脊椎腫瘍 (せきついしゅよう) |
骨が破壊されたり、神経が圧迫されたりします。 |
脊椎感染症(化膿性脊椎炎など) (せきついかんせんしょう) |
感染部位の疼痛、神経症状が出る時もあります。 |
骨粗鬆症 (こつそそしょうしょう) |
骨がもろくなり腰椎圧迫骨折の原因となります。 |
仙腸関節障害 (せんちょうかんせつしょうがい) |
出産後などにも起こり、痛みを生じます。 |
梨状筋症候群 (りじょうきんしょうこうぐん) |
坐骨神経痛の原因となります。 |
脊椎など骨格系が原因で腰痛が生じる場合は、体を動かしたとき(お辞儀の動作、腰を反らす、体を捻る、上半身を横に倒すなど)、長時間同じ姿勢を取った時などに生じやすいです。
脊髄や神経根など、神経を圧迫したりする場合は、腰痛だけではなく足に痛みやしびれが生じたり(坐骨神経痛)、下肢筋力の低下を起こすなどの症状を伴うこともあります。
上記のような骨格系の病気は通常、整形外科が専門となります。
〇神経
脊髄腫瘍 (せきずいしゅよう)など |
脊髄(腰髄)に腫瘍ができた場合、坐骨神経痛や腰痛を生じる場合があります。 |
〇内臓など
腰腎結石、尿路結石 (じんけっせき・にょうろけっせき) 腎盂腎炎 (じんうじんえん) |
する場合は腎臓や泌尿器疾患の可能性があります。 結石の場合は動けないほどの激痛を伴うことがあります。 |
膵臓疾患 (すいぞうしっかん) |
食事や飲酒の後に腰痛が起こることがあります。 |
十二指腸潰瘍 (じゅうにしちょうかいよう) |
空腹時にみぞおちや背中の右下側に痛みを生じます。 |
婦人科系疾患 (子宮内膜症、卵巣腫瘍など) |
などの症状を伴う場合は婦人科系疾患の可能性があります。 |
〇心臓・血管系
腹部大動脈瘤 (ふくぶだいどうみゃくりゅう) 解離性大動脈瘤 (かいりせいだいどうみゃくりゅう) 心筋梗塞 (しんきんこうそく) |
心疾患の場合は背中の痛み、息切れや脈拍数が上がることがあります。 |
解離性大動脈瘤では突然起こる背中の痛みやショック状態を起こす可能性があります。
また、病状が進むにつれて、痛みが胸から腹、さらに脚へと移動していく特徴もありますので注意が必要です。
命にかかわりますので、即、救急車を呼んでください。
〇心因性
ヒステリー うつ病 ストレス |
骨格系、内臓などに異常がない場合、心因性の可能性があります。 ストレスは脳の正常な働きを妨げ、通常は感じない腰痛を感じさせることがあります。 精神科などによる診断となります。 |
3 腰痛を自分で治す方法を紹介する

骨格系が原因の腰痛の場合は、治療体操を行うことで改善する場合があります。
心因性の腰痛に対しても効果がある場合があります。
マッケンジー法
マッケンジー法は歴史の長い治療法です。
基本的にはマッケンジー法を習得したセラピストによって評価、治療がなされます。(ちなみに、運営管理者の平林はこのマッケンジー法の認定セラピストです)
個人でできる体操も紹介されていますので一般的なものをご紹介します。
まずうつぶせの姿勢から開始します。
ただうつぶせになるだけなのですが、この姿勢も取れない場合はクッションなどをお腹の下に入れて、楽な姿勢から行います。
うつぶせが楽にできるようになったら、肘立て位(パピーポジション)で姿勢を保持します(5~10分)。
症状の出現具合を見ながら行います。
改善の傾向があるならば、さらに体を反らせていきます。

両手で体を押し上げるようにして、上体を反らせます。
上げ下ろしを10回1セットで行います。
痛みナビ体操
痛みナビ体操は、マッケンジー体操を元に考案者である、銅谷医師がオリジナルに工夫を加えた方法です。
方法としては、
- 前屈改善型
- 後屈改善型
- 側方改善型(右)
- 側方改善型(左)
一つの参考としてよろしくお願いいたします。
4 腰痛と腎臓は関係しているのか?

腰が痛いと腎臓が悪いのではないか・・・
と思う人もいるでしょう。
そこで、この記事では、腎臓と腰痛について話したいと思います。
腎臓は後腹膜(こうふくまく)という腹膜の外側(お腹の後ろ側)にあります。
脊柱の両側(脇腹と背骨の中間あたり)にありますので、腎臓に痛みを生じると腰痛を感じやすくなります。
腎臓は病変により痛みを生じるのですが、激痛を伴うものがあり、強い腰部の痛みとして感じるのです。
特に尿路結石による水腎症では痛みが激しいものとなります。
このような理由で、腰痛と腎臓は関係があるということが言えるでしょう。

5 まとめ
今回は腰痛と病気の関係についてお伝えしました。
腰痛の原因はわからないことが多いのですが、命に係わる病気の症状として出現することがあります。
腰痛や坐骨神経痛以外に、別の症状も出ている場合、内科疾患などの可能性もあります。
早期発見のためにも一度総合診療科などの受診をしておくとよいでしょう。
その時は気づいた症状を正確に医師にお伝えください。
また、
骨格系が原因の腰痛は自分でできる体操で改善することもありますから、自分に合った安全な方法を見つけて行うとよいでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆様のご健康をお祈りいたします。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記&編集:mamotte運営者 理学療法士 平林

※ 編集を終えて:最後に ※
腰痛の原因は特定しづらいのがやっかいな部分だと言えるでしょう。
検査をして、確定診断ができるものであれば、問題ありませんが、そうではない事が多々起こるのが腰の痛みです。
レントゲンやMRIなどでは、問題ないのに、腰が痛い・・・というのが、難しい部分ではあります。
しかし、
それでも治療を続けることで原因を特定できたり、腰痛を改善させたりすることはできます。
なので、
腰痛を改善させるためには、どんな要素であれ、諦めずに治療を続ける。
といった事が必要でしょう。
今回は、『腰痛と病気』をテーマにしましたが、腰痛になる可能性がある症状や病名が、この記事よって知ることができれば、参考になるでしょう。
役に立てばうれしく思います。


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※ 理学療法士 イワモトの考え ※
血管や心臓由来の痛みは非常に危険です。
大動脈瘤では動脈瘤が大きくなると痛みなどの症状が出現します(大きくなるまで症状がないこともあります)。
動脈瘤が破裂してしまうと死に至る危険性が高いので早めの治療が必要です。
解離性大動脈瘤では、動脈が解離する(血管の内側の壁が裂ける)とともに激痛が走ります(痛みが移動します)。
またショック状態(急激な血圧の低下)となることもあります。
解離する瞬間を目の当たりにした経験がありますが、症状は短時間に進行しますから、周りにいる方が症状に気づいたら救急車を呼ぶなどの応援をお願いします。
多くの腰痛は骨格系が原因で命に係わることは少ないですが、進行すると脊髄や坐骨神経を圧迫して強い後遺症を残すこともありますので、早めの対策をしましょう。
疾患によって違いはありますが、症状が軽度のうちに治療を開始すれば完治する可能性が高くなります。