腰が痛くて、受診して検査をしたら、『特に異常はありませんね・・・』と言われた。
でも、腰は痛い・・・・
一体何が原因なの?・・・
と思ってしまう事でしょう。


また、この疾患は腰痛の原因として多いのですが、悪化すると腰椎椎間板ヘルニアへ移行することもあるので注意が必要です。
今回は、この「腰椎椎間板症」の原因から治療法までを解説します。
参考にしていただければ幸いです。
※この記事はリハビリテーションの専門家である、理学療法士2名の思考と考えを交えて紹介しています。
内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
宜しくお願いいたします。
目次
1 腰椎椎間板症とはなにか?

腰椎椎間板症とはなにかについて話していきます
1-1 腰椎椎間板症の主な症状は?
主な症状は「腰の痛み」です。
急性の強い腰痛症状によって始まる場合もあれば、徐々に痛みが強くなっていく場合もあります。
また、痛みが改善せず、慢性(半年以上痛みが続いてしまうなど)の腰痛となる場合もあります。
前屈(前かがみ)など、体を動かしたときに痛みが強くなる特徴もあります。
ほとんどの場合、症状は腰の痛みのみです。
しかし、重度の場合、椎間板症に腰椎椎間板ヘルニアを合併していたり、腰椎が変形したりすることによって神経症状が出現することがあります。
神経症状は下肢のしびれや痛み(いわゆる坐骨神経痛)などです。
排尿・排便障害(尿が出にくいなど)は可能性としてありますが、腰椎椎間症のみで起こることはほぼないと考えてよいでしょう。
1-2 腰椎椎間板症の原因はなにか
腰椎椎間板症は、腰椎にある椎間板が変性、損傷(亀裂が入るなど)することで起こるとされています。
椎間板は椎骨と椎骨の間に存在するもので、クッションの役割を果たしています。
椎間板は10代後半から老化やストレスによって変性すると言われています。
近年ではスポーツが盛んに行われていますので、さらに変性が早く起こっているとも考えられます。
老化やストレスによって変性した椎間板は水分が減少し、弾力性も失われます。
椎間板をMRIで撮影すると、黒っぽくつぶれて見えます(進行例)。
通常のレントゲン撮影だけでは明らかな異常所見が認められないこともありますので注意が必要です。
しかし気を付けて頂きたいのが、「レントゲン上異常(所見)なし=問題なし」ではありません。
ただ写っていないだけです。
椎間板造影などの精密検査を行うと、椎間板に異常が見つかることもあります。
脊柱(背骨)の椎間板には常に物理的なストレスがかかっています。
特に上半身の動きや重量を支える腰椎には大きなストレスがかかっていますので、損傷しやすくなると考えられます(腰椎の中でも下部が損傷しやすい)。
新品ではふわふわの座布団(クッション)が、長く使用している間につぶれて、傷んでくる様子と似ています。
椎間板には痛みを感じる神経が存在するため、椎間板が損傷を受けることで痛みが発生します。
神経への刺激が大きくなると強い痛みとなりやすいです。
また、加齢とストレス以外の要因として、遺伝があり、遺伝子の研究によって、椎間板の変性に関与する遺伝子「CHST3」が発見されています。
この遺伝子は、腰椎椎間板症の発症しやすさに影響を与えているともされています。
2 腰椎椎間板症って治るの?

腰椎椎間板症は治るのか?という疑問について話していきます。
2-1 治る場合もある
椎間板の内部には血管が無く、自然修復されにくいという特徴があります。
したがって、一度椎間板を痛めてしまうと簡単には治ってくれません。
特に30歳を過ぎると不利になるといわれています。
しかし、年齢的に若い場合や、適切な対策を行った場合、症状が改善する可能性は十分あります。
また、近年では椎間板を修復する治療法も開発されているとの事です。
これより、具体的な対策や治療法について話していきます。
2-2 治らない場合もある
椎間板は自然修復が難しい組織です。
そのため、対策をしないまま同じ生活を続ける場合などでは、症状が改善せず慢性腰痛となってしまうこともあります。
症状が出始めてからも継続してストレスがかかりすぎると、椎間板に亀裂が発生し、椎間板内部の髄核(ずいかく)が飛び出す場合もあります(椎間板ヘルニア)。
飛び出した髄核が神経を圧迫すると椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの神経症状が出現することもあります。
損傷が強く、長期間にわたって強い痛みが続く場合は、傷んだ椎間板を取り除くしか方法がないという状況になることもあるのです。
このような状態にならないように対策を行う必要があるでしょう。
3 腰椎椎間板症は予防できる。そのための対策について紹介

遺伝の要素と加齢については現時点ではどうすることもできないでしょう。
なので、環境要因について考えてみます。
本質的には、「椎間板に負担をかけすぎない」ということになります。
環境(椎間板に対する環境も含めて)を変えることで椎間板へのストレスを軽減することが可能となります。
腰椎椎間板症にならないために必要な事 |
|
特に重量物を扱う仕事を行っている方は、体の使い方に注意する必要があります。
予防的に腰ベルト(コルセット)を使用すると効果がある場合もあります。
4 腰椎椎間板症は治せる。治療を紹介

加齢やストレスによって変性してしまった椎間板を、若いときのように戻す方法は現時点ではありません。
したがって治療は基本的に対症療法となります。
以下に腰椎椎間板症の治療法をご紹介します。
腰椎椎間板症の治療法
安静 疼痛が激しい場合は安静にします。安静期間が長くなりすぎると回復が悪くなることもありますので、必要以上に安静にしないように注意する必要があります。
薬物療法 疼痛によって日常生活に支障をきたす場合は、鎮痛剤によって痛みを抑えます。痛みが治まったからといって、椎間板が治ったわけではないので無理をしないような注意が必要です。
装具療法 コルセットの装着が代表例です。腰部の動きを制限することで、疼痛が軽減することがあります。動作時に腹圧を高めて腰椎を安定化させる効果もあります。長期間コルセットに頼りすぎないようにする配慮が必要です。
運動療法 体幹や下肢の筋力強化などをして、腰椎に負担がかからないようにします。また、動作方法を改善したり姿勢を改善したりします。
ストレッチなどを行って、柔軟性を高めたりすることも行います。
物理療法 温熱や電気などの方法を用いて疼痛の軽減を図ります。
徒手療法 マッサージなどの手技を用いて、疼痛によって緊張の増した筋肉をやわらげたり、姿勢を改善したりします。
手術療法 重度の腰痛が長期間続き、日常生活に支障をきたすような場合、手術の適応になる場合があります。
原因となる椎間板を取り除き、自家骨移植をして固定する方法がよく知られています。
一般的ではありませんが、日本国内で保険適用とならない治療方法も存在します。
ご紹介したような治療法がありますが、治療が必要とならないように、日ごろの対策を行うことが第一です。
5 椎間板は再生できる!その為の手術もあるというお話

理学療法士 イワモトの意見・考え
近年、変性した椎間板に対してDST(ディスクシール)という治療法が行われています。
アメリカで生まれた、椎間板の修復・再生を促す治療法です。
ただし、日本では2018年6月現在、健康保険が使えない診療です。
自然治癒が難しくなった年齢(80歳以上など)でも椎間板の機能を再生することができるようです。
損傷した椎間板に針で薬剤を注入する方法ですが、これによって椎間板を修復・再生することができるようです。
治療も30分程度で終了し、目立ったリスクもないようで、理想的な治療法のようですが、副作用があります。
その副作用は身長が高くなる(低くなっていた身長が元の身長に近くなる)ことだそうです。
世の中の治療法が、こんなありがたい副作用ばかりだとよいのですが…
私も個人的に受けたい治療ですが、治療費用は私が払える金額ではありません(残念)
6 腰椎椎間板症とは何かについてのまとめ
今回は腰椎椎間板症についてお伝えしました。
腰椎椎間板症は加齢や椎間板に対する物理的なストレスが原因で発症します。
またベースに遺伝的な要因もあります。
症状として主なものは、体の動きに伴った腰痛です。
上体を前屈すると痛みが強い特徴があります。
まず腰椎椎間板症の悪化を予防することが大切で、運動療法の実施や日常生活の見直しなどで対策を行うことがすすめられます。
症状が悪化し治療が必要になった場合、治療法はいくつか存在します。
椎間板が自然治癒しにくく原因治療が難しいため、対症療法が主となりますが、薬物療法、装具療法(コルセットの着用など)、運動療法、手術療法などがあります。
また、近年遺伝子分野での研究も進んでいるので、新しい治療法開発の兆しも見えます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。皆様のご健康をお祈りいたします。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林

※ 編集を終えて・最後に ※
腰椎椎間板症は原因不明な腰の痛みとして、扱われています。
原因不明と聞くと、もう治らないの?
と思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。
というか、椎間板は治る可能性は低いですが、痛みは治る可能性はあります。
というのも、腰椎椎間板症という診断でもそのうち、100%が腰椎椎間板症による痛みである。
とは限らない。という話です。
なので、腰椎椎間板症と診断されても、治療によって、痛みは治る可能性は大きくあるのです。
この事実を知って欲しいなあと思います。
本日も最後までありがとうございました。
【知らないと損するかも】腰椎椎間板症が原因不明の理由と症状について語る
- 何故?腰椎椎間板症は原因不明なのか?
- 腰椎椎間板症になる理由ってなに?
こんな疑問に答えるような記事にしています。
読むと、腰椎椎間板症について、大枠は理解できるかなと思います。
是非、参考にしてください。


最新記事 by mamotte (全て見る)
- 腰痛の痛みが軽減するクッションをリハビリのプロが紹介 - 2023年3月7日
- 【知っておくべき知識】腰が痛い時に可能性がある病気12選! - 2022年5月4日
- 腰が痛い時は病院に受診するよりも生活習慣を変える方が大事。 - 2022年2月17日
こんにちは。
mamotte運営者で理学療法士の平林です。
冒頭での話の流れのように、原因がわからない腰痛があります。
これを、腰椎椎間板症と診断する事は多いです。
という中で、あなたは腰椎椎間板症についてどれほど知ってますか?
今回は、『腰椎椎間板症とは』というテーマで話していきます。
この記事を読むメリットは、
といった2点があります。
是非、最後まで読んで欲しいです。