圧迫骨折にコルセットは効果あるか?【メリット・デメリット】を紹介

圧迫骨折とコルセットの効果を説明する

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理学療法士 イワモト
こんにちわ。

mamotteライターで理学療法士のイワモトです。

圧迫骨折にはコルセットが効果的な場合もあるし、効果がない場合もあります。

本当に、圧迫骨折でコルセットは効果あるの?かどうか?

この疑問に答えるような形で今回は、【圧迫骨折にコルセットは効果あるのか?のメリット・デメリット】を語る記事にしました。

この記事を読んで得られる事

この記事を読めば

◎ コルセットのメリット・デメリットを知って、コルセットの使用タイミングなどを把握できて、圧迫骨折の痛みの軽減・改善につなげる事もできるでしょう。

理学療法士の経験をもとに解説します。

参考になればうれしいです。

では、本日もよろしくお願いいたします。


理学療法士 平林

※この記事はリハビリテーションの専門家で、理学療法士である運営者平林と、理学療法士イワモトの考えや意見をまとめて紹介しています。

なので、共感できる部分は共感して、納得できる内容は納得していただけると幸いです。

執筆者・運営者は、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の国家資格を取得しており、実際に病院やクリニック、介護施設など様々な場所で現場で学んできています。

ですので、記事内で紹介している内容は、リハビリテーションの視点を持った国家資格者の視点からみた意見と臨床での事実を述べています。

それを踏まえて、記事の内容は自信を持って提供しています。

しかし、【内容が絶対正しい!】とは思わないでください。

というのも、世の中には、沢山の治療方法や治療の考え方があって。

  • どれが正しくて、どれが間違っているのか?
  • どれが自分に適している治療なのか?

個人的な意見も沢山あり、個人の解釈や価値観、考え方によって大きく違ってきます。

ですので、『絶対にコレが正しい治療方法だ!!』みたいな考え方はできなくて。

間違いなく言える事は、どんな治療においても、【実際に試してみないとわからないよ】。という事です。

【100%これが正しい】という治療方法は存在しません。

ですので、ここで紹介している内容も一人の理学療法士の意見である事を踏まえていただきたいと思います。

そして、この記事があなたの役に立てばうれしく思います。

mamotteライターの紹介


1 圧迫骨折にコルセットは効果アリ!【メリット】を紹介

圧迫骨折において、コルセットのメリットを紹介

まず、ここではコルセットの【メリット】について紹介します。

メリットについて理解しておく方が、圧迫骨折の痛みの改善に繋がると思います。

是非、役立ててください

メリット①  コルセットは体幹の固定性をあげるので、痛みをださないようにする

圧迫骨折で使用されるコルセットの主な目的は、体幹を固定することです。

患部を固定することで痛みを最小限にして、かつ、骨折部位をつながりやすい状態に保ちます。

ここで例を挙げると、足首の捻挫を想像してほしいのですが。

怪我した部位が不安定で、ぐらぐらした状態だと痛みが増すことを経験した人もいるでしょう。

ケガした部位の足首が固定されておらず、自由に動いてしまう状態では、関節が動くたびに激痛を感じます。

これと同様に、背骨の圧迫骨折でも背骨が動くことで痛みを発生しやすくなります。

なので、コルセットでしっかりと固定してあげることで、痛みの発生を抑えることができる。

という結論です。

また、骨折した部分の骨は基本的には自然につながっていきます。

腕とか足でも自然とつながるように、圧迫骨折も基本的には自然とつながる方向になります。
(ただ、圧迫骨折の場合は骨がつぶれた状態なので、つぶれた骨が再生することはありません。そこだけは違うのですが・・)

そして、自然とつながるのを促すためには、骨折部位が動き過ぎないように保たねばなりません。

したがって、コルセットで体幹を固定することで、自然な骨癒合が完成しやすくなるというメリットがあるのです。

注意点としたら、骨癒合期間(骨折から2か月間ほど)に、体幹の固定性が不十分(ぐらぐらしている)だと、骨がつながらず、偽関節(ぎかんせつ)という状態になることがあるので、注意が必要です。

メリット② 安心感がもてる(コルセットをしている事による) 事で痛みが緩和する

コルセットのメリットとして、【安心感】があります。

しかし、これは、メリットでもあり、デメリットにもなるので注意するべき点でもあります。

固定性の高いコルセットをしっかりと着用すると、努力せずに体幹が固定されます。

つまり、不意に体を動かすこともなくなるので(厳密には、意識しないとコルセットを装着していても、背骨は動きますが)、安心感が高まります。

さらに、コルセットによって保護されている感じがあるので、不安が少なくなるといった効果もあります。

で、実は、不安と痛みには関連があります。

不安は精神的なストレスとなって、痛みの感じやすさが変化します(脳内の痛みを感じる物質の変化によって生じていると考えられています)。

簡単に言うと、不安が強くなると、痛みを感じやすくなるということです。

不安によって、不思議と体が痛くなるとか、痛みが強くなる。

といった脳内変化が起きてしまうのです。

なので、逆に言えば、不安が解消されれば、痛みは感じにくくなるということです。

つまり、コルセットを装着して、安心感が高まり不安が少なくなれば、痛みが緩和されるという効果が期待できるわけです。

しかし、これは、メリットでもあるのですが、長期的に使用してしまうと、依存する事になってしまいます。

依存してしまうとデメリットにもなるので、注意するべき点でもあります。

2 コルセットのデメリット8つを紹介

コルセットのデメリットを紹介

ここでは、コルセットのデメリットについて、話していきます。

  1. 暑い
  2. 苦しい
  3. 効果がわからない
  4. 邪魔
  5. 体幹の筋力が低下する
  6. 体幹・股関節などの柔軟性の低下(可動域制限が生じる)
  7. 依存してしまう
  8. エビデンスが微妙・曖昧

といった8つです。

これより紹介していきます。

デメリット① 暑い

市販のものはメッシュ素材など通気性の良いものが使われていますが、それでも暑い場合があります。

圧迫骨折のコルセットとなると、もちろん通気性も考慮されていますが、プラスチック素材などで作られているため、メッシュ素材のものよりさらに暑くなります。

暑いのを我慢できればいいですが・・・辛いですよね。

なので、暑いのはデメリットの一つと考えてもいいと言えます。

デメリット② 苦しい

コルセットの目的は、体幹を固定することです。

したがって、緩く装着した場合効果が得られません。

コルセットはしっかりと装着する必要があるため、一般的には苦しいと感じることが多いです。

胸郭を圧迫されることによる息苦しさをはじめ、強く動きを制限されるという苦しさを味わうことがあります。

痛みが緩和して、苦しさを我慢する。

といったように、やんわり矛盾が起きてしまう状態になるかもしれません。

もちろん、コルセットをして、苦しくなければそれはデメリットになりません。

これは、試してみないとわからないですが。

苦しいのもデメリットの一つかなと思います。

デメリット③ 効果がわからない

コルセットを装着すると、体を自由に動かせないことはよくわかります。

それによって、圧迫骨折の治療に効果があることは実感しにくい部分があります。

装着すれば、痛みがピタリと消えるわけでもないし、短期間で、「はい完治」というわけにもいきません。

大切な効果はあっても、それが実感できないことで装着のモチベーションが下がってしまうこともあります。

なので、効果がわからない。

といったデメリットにもなると思います。

デメリット④ 邪魔

もう、言葉通りです。

実際の生活では邪魔に感じることもあります。

コルセットの内側の皮膚が痒くなっても、かくこともできません。

コルセット自体が煩わしい。と感じる人もいるでしょう。

コルセットが当たって痛くなることもありますし、今まで、できていた動きができなくなってしまいます。

このようなこともあって、邪魔に思えることがあるわけです。

骨折初期はつけっぱなしのことが多いですが、外す機会があるときは、結構な置き場所が必要となります。

この点も邪魔と感じるかもしれません。

デメリット⑤ 体幹の筋力が低下する

コルセットを装着すると、体幹の動きが制限されます。

特に普段よく行う動作、例えば体を前に曲げたり後ろに反らしたりという動作をすることができなくなります。

その結果、腹筋や背筋などの体幹の力を使わなくなります。

その結果、弱くなって、筋力低下につながります。

筋力低下によって、姿勢が悪くなったりにも繋がります。

デメリット⑥ 体幹・股関節などの柔軟性が低下する(可動域制限が出現)

コルセットは体幹の動きを止めてしまうので、背骨の関節の動きが少なくなります。

さらに、体幹固定の影響で、股関節の動きも小さくなりがちです。

関節の動きが少なくなると、筋肉が短縮したり、靭帯・関節包などの組織などが柔軟性を失ったりします。

柔軟性の低下によって、可動域制限が生まれます。

その結果、腰や股関節に動きを伴うと痛みが起きてしまう可能性があります。

デメリット⑦ 依存をつくってしまう

コルセットの効果として、患者さんに安心感を与えるという点がありますが、表裏一体で逆にコルセット依存へ導くことがあります。

一般的にコルセットは、骨折後2~3カ月程度装着する必要があるといわれていて、その時期を過ぎれば装着する必要はありません。

しかし、コルセットの安心感に慣れてしまうと、依存してしまい、コルセットを外せなくなることが多々あります。

こうなると、治すのに時間がかかります。

コルセット依存は、筋力低下や柔軟性の低下を悪化させてしまう危険性もあるため、依存させないように誘導する方がいいといえます。

なので、依存もデメリットになるわけです。

デメリット⑧ エビデンスが曖昧・微妙

まず、事実に、コルセットは効果があるという報告もあるし、ないという報告もあります。

圧迫骨折において、コルセットはよく用いられます。

体幹を固定することで、脊柱を安定化し、偽関節の発生や痛みを抑制するとされています。

だから固定力の高い硬性コルセットが採用されることが多いです。

しかし、研究の結果では、必ずしも固定力の高いコルセットを装着した方が、回復の成績が良いという結果にはなっていないようです。

固定力の高いコルセットは、装着感の悪さなどのデメリットも多く、コンプライアンスが低下(装着方法が守れないなど)するという話もあります。

結局、予後(回復具合)は、患者さん側の要因(高齢かどうかなど)に左右されているという報告もあって、コルセット自体に、明らかな効果があるという強いエビデンスを求める事ができないのです。


以上、8つを参考にしてください。

3 コルセットのメリットとデメリットのまとめ

コルセットのメリットとデメリットを紹介する

ここで、コルセットのメリット・デメリットについてまとめてみます。

ただし、メリットについては、常に正しく装着した場合に得られるものです。

正しく装着されなかった場合は、デメリットが多くなることに注意してください。

コルセットのメリット
  • 骨のつながりを良くすることができる(偽関節の予防)
  • 痛みを軽減することができる
  • 患者の安心感を高めることができる
  • 圧迫骨折の再発予防がある程度期待できる
コルセットのデメリット
  • 苦しい、暑いなど装着感が悪い
  • 動作の邪魔になる
  • 筋力や柔軟性の低下を起こす
  • コルセットに依存を引き起こす

以上、参考にしてください。

4 コルセットは自己管理が重要であるという話

圧迫骨折のコルセットは自己管理が重要だという話。
理学療法士 イワモト
※ 理学療法士イワモトの意見・考え ※

コルセットをは使い方を管理できるかということが大きなポイントとなります。

正しい装着を常に心がけていないと、効果が激減してしまうからです。

中には、正しい装着位置を把握していて、修正に心がける人もいますが、全く関心がない人もいます。

コルセットの上下を分かっていない人もいるので、コルセットを正しく使うということを全員に徹底するのは容易なことではありません。

正直なところ、「あぁ、これじゃ着けてる意味がないなぁ」と思ったことは一度ではありません。

医療スタッフは、患者さんと接する機会があるたびに修正を行おうとはしますが、やはり、いつもできるわけではありません。

最終的には本人がしっかりと管理する必要も出てきます。

さらに、コルセットだけで完璧に体幹が固定されるわけではなく、意識して体幹の動きを制限することも必要です(例えば、体幹を捻らないなど)。

このような管理ができる人の場合、自分で体幹を制御できるので、極端には、コルセットは不要ということも言えます。

コルセットの効果を得るためには、その管理をしっかりと行っていかなければなりません。

意識もせずに、ただ着けるだけでは効果は得られないので、注意が必要です。

5 まとめ:コルセットのメリット・デメリットを知って、上手に使っていこう。

今回は脊椎の圧迫骨折とコルセットについてお伝えしました。

圧迫骨折の治療は、だいたい、コルセットが使われます。

コルセットは体幹を固定することで、骨癒合を促し痛みを抑え安心感を与えるというメリットがあります。

しかし、邪魔筋力や柔軟性の低下依存しちゃうといったデメリットも引き起こします。

また、常に正しい装着状態を維持しなくてはいけない。

という難しさもあります。

このようなデメリットとメリットがある中で、コルセットはバランス良く使わなくてはいけません

上手に使用すれば効果を得られるものですが、その使用方法を誤ったり、依存してしまったりすると、逆効果となってしまうのです。

この部分を十分に理解した上で、コルセットを活用していけば問題ないでしょう。

今回の話が少しでも参考になればうれしいです。

執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト

追記・編集:運営者 理学療法士 平林


理学療法士 平林

※ 編集を終えて・最後に ※

コルセットはメリットもあれば、デメリットもあります。

これは、当然な事ですが、どちらが良いか?

というのは一概に言えないのがホントのところです。

圧迫骨折の初期はだいたいコルセットを処方されるけど、次第にそれが当たり前になってしまうケースがほとんどです。

その中で、本当はコルセット必要無かったんじゃね!?

みたいな人もいるのですが、そのような人にも、コルセットを処方してしまう場合もあるんです。

まぁ、これは、試してみないとわからないので、なんとも言えませんが。

つまり、なにが言いたいのかというと、コルセットは必要じゃない人も沢山いるよ!

意外とコルセットをしない方が楽になる人は多い。

という事実を、知ってほしいなぁと思う次第です。

こんな事をつぶやいてみて、少しでも役にたてばうれしいです。

今回もここまで読んでくれてありがとうございました。


圧迫骨折はコルセットをしない方が良くなる!その理由を紹介

圧迫骨折はコルセットをしない方が良くなりやすい理由3つを紹介しています。

理由① コルセットへの依存

理由② 柔軟性の低下(可動域制限の発生)

理由③ 筋力低下

の上記の理由について説明しています。

コルセットをしない方が良い理由について知る事ができると共に、コルセットの使い方について理解を深める事ができるでしょう。

参考にしてほしいと思います。

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