※この記事はリハビリテーションの専門家である、作業療法士の思考と考えを交えて紹介しています。
内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
是非、宜しくお願いいたします。
1 作業療法士とは何かについて
作業療法士とはoccupational therapist(略してOTとよばれている)のことを言います。
医療従事者の一員であり、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)とともに、リハビリテーション職と称されているうちの1つとされています。
厚生労働大臣の免許を受けて、「作業療法士」の名称を用いて、医師の指示の下に、「作業療法」を行うことを業とする人のことをさします。
なお、作業療法士になるためには、専門の養成校を卒業して作業療法士国家試験に合格する必要があります。
養成期間は3年~4年で、学校により異なります。
3年制の養成校を卒業した作業療法士は専門士、4年制の養成校を卒業した場合は、高度専門士という呼び方になります。
1-1 作業療法士って何をする人なのか?
身体や精神に障がいのある方に対して、作業活動(遊び、芸術、手工芸、運動)を通して、社会的復帰や家庭復帰を目指してリハビリテーションを行います。
治療内容はその患者さんと回復段階や障害名により異なります。
また、患者さんの年齢層も新生児~高齢者までと幅広く、私が学生の時は『患者さんは、ゆりかごから墓場までと幅広い』と例えている先生もおられました。
1-2 そもそも作業ってなに?
作業とは、単なる机の上でできること(手芸など)のことのみを指すのではなく、人が生まれてから死ぬまでに行うすべての動作のことを指します。
そう考えると、『作業』と一言に言っても幅広いと思いますし、作業療法士というのは、奥の深い仕事だな、と感じます。
また、治療として導入する『作業活動』の目的は、作業を通して精神的・身体的にリフレッシュしたり、機能的な回復を図ったりするものであり、作品の完成度をあげるものではありません。
2 作業療法士とリハビリテーションとはなにか
それでは次に作業療法士がかかわるリハビリテーションについて説明していきたいと思います。
2-1 リハビリテーションってなんなの?
そもそもリハビリテーション(リハビリと呼ぶことが多い)とは、患者さんの障がいの回復や改善を図るために、何らかの手段をつかって機能向上をめざすことを言います。
また、
リハビリテーションでは、状態を『完全の元の状態に戻す』ことを指すのではなく、『なるべく元に近い状態に戻すこと』を目的としています。
2-2 作業療法士が行うリハビリテーションってどういう事をするのか?
作業療法士が実際に行うリハビリテーションとしては、その分野(発達分野、身体分野、精神分野、老年期分野など)により異なりますが、作業療法士が専門とするのは、身体的・精神的なものになります。
身体的なリハビリとは、関節を動かしたり、筋力をつけたりする訓練を行うことで、身体機能に問題を抱える人をよりよい方向へと導くことです。
たとえば、食事、排泄、入浴などといった。
日常生活を送るうえで必要になる動作(箸を持つ、炊事をする服を着替えるなど)をリハビリによってできるように訓練します。
また、
精神的なリハビリでは、精神に障害のある人などに対して、考え方を変えたり、気分を発散させたりするアプローチを行い、その方が社会的に復帰ができるように支援します。
発達分野のリハビリでは、主に『遊び』を通したリハビリを行います。
その子供の得意なことを伸ばし、苦手なことはできるように訓練します。
具体的には、
- 歌をうたう
- ジャングルジム
- トランポリン
- ごっこあそび
など。遊びの種類も多岐にわたります。
どの場合も、ただ機械的に訓練を行えばいいというわけではなく、患者さん一人ひとりと向き合って、その人に合った方法でのリハビリを行います。
3 作業療法士として必要なこと
作業療法士は、日常的な動作や娯楽についても理解や関心をもつことが大切だとおもうのです。
というのも、単なる専門知識だけでなく、料理や食事、洗濯といった日常的な動作を細かく分析し、それを有効な形に変え、訓練としてプログラムに取り入れていくものだからです。
健康な人であれば何気なく行っている動作にも着目し、それをどうリハビリテーションに取り入れていくべきなのか?
を考えることが重要になってきます。
これはあくまでも私個人の見解です。
医学や身体機能にまつわる専門的な知識を正しくもっていることは、大前提だと思っているので。
医学的知識だけでなく、患者さんへの思いや興味を如何に持てるかどうか?
というのが大切なのかなぁ。
と思うのです。
また、専門的なこととはずれてしまいますが、人とかかわることが好きである。
ということが大切だと思います。
患者さんのことを思い、その障害受容や苦しみ、怒り、喜びなど、様々な気持ちを理解してくみ取って、しっかりとした信頼関係が気付けていないとリハビリの効果はでないと思います。
3-1 作業療法士のやりがいとは何かを語る
作業療法士のやりがいについては、作業療法士により十人十色だと思います。
- そのセラピストがどんなふうに思っているか
- どんなプログラムを施行しているか
- 最終的なゴールはどうなることであるのか
など。
なにを考えているかにより異なってきます。
私が思い描く『やりがい』というのは、患者さんが『機能的・精神的に良い状態になること』というよりも、発病による不安、心配、怒り、悲しみなどを一緒に乗り越え、障害を受け入れて、この先の人生も上手に付き合っていける手段を獲得できることです。
もちろんそのためには、機能的な訓練を繰り返し行い、心身ともに健康な状態に近づけていくことは大切ですが、人間ですので、色々と思うことはあるでしょう。
そんな気持ちに寄り添える作業療法士になれたらいいなと思います。
3-2 作業療法士として、大切な心がまえとは何か
作業療法士として、というよりも医療従事者として大切なことをいくつか挙げたいと思います。
① 個人情報の管理: 治療を進めていくにつれて、患者さんの名前や年齢のみではなく、住所や電話番号や職種、また、障害名や予後などについての情報を知ることがあります。 このような情報は、職種間で情報共有することはあっても、外部(患者さんの親戚なども含めて)に漏らしてはいけません。 |
② 感染予防: 患者さんの中には流行性のものや伝染性の病気にかかっている場合もあります。 治療行為を介して自身やほかの患者さんへの感染を防ぐように、適切な消毒や予防方法を理解しておきましょう。 |
③ 信頼関係を築く: 治療を行っていくうえで、かかわりを通して信頼関係が出来上がってくるのですが、どんな良い治療プログラムを立案していても、治療者と患者との間の信頼関係が気付けていないと、良い結果にはなりません。 治療者は患者さんのニーズをしっかりと把握するうえでも、患者さんの話を傾聴し、何に困っているのか、どうなりたいのかなどを理解していくことが大切だと思います。 |
④ 日々の努力を惜しまない: 治療を進めてくうえで、疾病や障害に対しての正しい知識を持っていることが大切になります。 実際に作業療法士になってからも、様々な勉強会や学会が開かれていますが、そのような場にも出向き新しい研究結果などの情報をどんどん取り入れていくことが大切です。 |
3-3 作業療法士として求められることは
私が勤務していたところでは、単なるリハビリテーションを実施するというだけではありませんでした。
杖やリハビリシューズの選定や、時には住宅改修のアドバイスの為に患者さんの自宅まで出向き、段差や手すりの高さを図り、リハビリ室でできる限り同じような環境を作り訓練する。
などもありました。
リハビリ室では『できる』が、自宅や実際の生活の場になると『できない』といった、差異が実は結構おこっています。
最終目標としては、『実際の生活の場で遂行していくこと』ですので、そのための福祉器具の選定や『できるADL』と『しているADL』の差を埋めていくことが大切な業務になります。
4 理学療法士と作業療法士の違いってなに?
作業療法士と理学療法士の違いについて『上肢はOT、下肢はPT』という方もいますが、実際に作業療法士が行うリハビリの目的は、『身体障害者と精神障害者の応用動作能力と社会的適応能力を回復させること』になります。
具体的には、手工芸や芸術、遊びやスポーツ、日常動作などを通し、次の段階である「社会復帰する為の訓練」をさせて、日常生活をスムーズに送るための複合的な動作が可能になるよう、リハビリを行います。
また、作業療法士の大きな特徴としては精神科領域があるということです。
精神科の患者さんは、身体に問題があるわけではないので、作業活動を通して精神的アプローチを行っていき、社会復帰を支援します。
一方、理学療法士が行うリハビリの目的は、『身障者の基本的な動作能力を回復させること』になります。
障害や後遺症のある部位に注目し、腕の曲げ伸ばしなどの運動療法、温熱や電気刺激等の物理療法、歩行訓練、バランス訓練などを行います。
また、OTと同様で、住宅改修や杖、手すりなどの選定にも携わることがよくあります。
5 これからの未来に作業療法士はどうなるのか
如何に、私が思うこれからの作業療法士についての思いを伝えたいと思います。
5-1 作業療法士が活躍できる職場とは
作業療法士が働いている職場として、
- 総合病院
- 個人病院のリハビリテーション部や老人保健施設
- 特別養護老人保健施設
- デイケア、デイサービス(ただしOTの配置が必須ではないため、いないことが多い)
- 精神科病棟
- 発達障害の授産施設
- 保育園(発達障害のお子さんを保育しているところ)
- 保健センター(新生児健診や発達相談の担当、老化予防の担当として)
があげられます。
実際に5年以上の勤務経験があれば試験を受けてケアマネージャになることもできます。
そちらの分野で活躍されている先輩もいるので、興味があれば、取得するのもありかなぁと思います。
5-2 作業療法士の今後の可能性とは
現在、在宅医療が注目されていますが、実際には家族のみでは十分なケアがしきれないのが現状です。
そこで訪問看護や訪問リハビリが注目されています。
OTやPTが実際に患者さんの自宅までいき、適切なリハビリをおこなってきます(週に1~2回)。
患者さんにとっても、自宅に訪問者が来るということが新鮮でちょっとしたイベントになりますので、楽しみに待っている方が多いようです。
今後の活動として、病院や施設内での勤務というよりも、在宅という現場でのOTの活動がより一層必要になってくる時代になったのかなと、思います。
6 作業療法士の仕事とやりがいについてのまとめ
この記事をよんで、作業療法士になりたいな!へぇ~こんな仕事なのか!!
と思っていただける方が増えるととっても嬉しいです。
人が、健康で自宅で生活し続けることというのは、とっても大切なことだと思います。
私たち作業療法士や理学療法士は、病気になってからのケアだけではなく、その前の段階の『予防』にも力を入れて活動しています。
健康に関心をもち、元気で長生きする人が増えるといいなと思います。
執筆:mamotteライター 作業療法士 はるまま
追記・編集:運営者 理学療法士 平林
※ 編集を終えて・最後に ※
いかがでしょうか?
作業療法士について知っていただけたらと思います。
私は、理学療法士ですが、作業療法士も同じリハビリテーション領域の仲間です。
ですので、作業療法士について知って頂く事で、リハビリテーションとは何か?
リハビリテーションの認知が広がれば嬉しく思います。
本日も最後までありがとうございました。
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作業療法士で2児のママ、mamotteライターのはるままです。
今回は、【作業療法士の仕事・やりがい】について紹介していきます。
作業療法士とは、リハビリテーションを担う仕事の一つです。
あなたは、作業療法士って知ってますか?
つまり、モノをつまんだり、握ったりなど。
手の細かい作業を通して、できない動作や仕草を練習して、できるようになりましょう!!
というような感じです。
なので、よく、作業療法士は手(腕、肘、肩)などのリハビリを担当して。
理学療法士は、体や足のリハビリを担当するものだ。
みたいな解釈をしてらっしゃる人もいますが、実際には違います。
作業療法士でも、理学療法士でも、体や手・足のリハビリも請け負えますが、得意科目が違うだけです。
このように解釈していただけたらと思います。
で、はるままは作業療法士であり。
今回は、作業療法士を知ってほしいという思いから、記事を書きました。
この記事を読めば、
◎ 作業療法士の仕事内容ややりがいについて知れる
◎ 作業療法士がどれほど素晴らしい仕事であるのか?という事がわかる
といった2点のメリットがあります。
また、
といった、4つの点を紹介しています。
私の私見も盛り込み、主観も入っていますが、作業療法士について知りたい場合は参考になると思います。
是非、一読してください。
作業療法士(OT)になりたい、興味があるというあなたの役に立つ内容のはずです。
是非、ご覧ください。