坐骨神経痛で寝れない夜に楽な寝方は?理学療法士が解説する3つの寝姿勢

坐骨神経痛の寝方

スポンサードリンク



坐骨神経痛の痛みやしびれで「寝れない」「どんな寝方をしても辛い」と悩んでいませんか。

結論からお伝えすると、坐骨神経痛のときに楽になりやすい寝方は次の3つです。

  1. うつ伏せ
  2. 膝を立てた(股関節を曲げた)仰向け
  3. 股関節を曲げた横向き

ただし、どの寝方が合うかは人によって違います。神経が圧迫されている場所や原因によって、楽になる姿勢が変わるためです。まずは3つを順番に試して、足の痛みやしびれが軽くなる姿勢を選ぶことが大切です。

この記事では、理学療法士の視点から、坐骨神経痛を和らげる寝方のコツと、寝返りしやすい寝環境・寝具の整え方を紹介します。うまく合う寝方が見つかれば症状の緩和につながることもあり、坐骨神経痛だけでなく腰痛や肩こりに役立つ場合もありますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

坐骨神経痛で寝れないときに試したい3つの寝方

坐骨神経痛で寝れないときは、「うつ伏せ」「膝を立てた仰向け」「股関節を曲げた横向き」の3つを試してみてください。それぞれ腰や神経にかかる負担の方向が違うため、どれか1つが自分に合う可能性があります。

うまく合う寝方が見つかれば、これで坐骨神経痛が改善する可能性もあります。ただし、実際にやってみないとわからないのが正直なところで、他の人に効果があった寝方でも、自分には合わないことがあります。「まずはお試し」という気持ちで、足の痛みやしびれが減るかどうかを目安にしながら選んでいきましょう。

寝方その1 うつ伏せ

最初におすすめするのはうつ伏せの姿勢です。意外に感じるかもしれませんが、うつ伏せで楽になると感じる方は少なくありません。

うつ伏せで寝るときのコツは次のとおりです。

  • 完全にうつ伏せになるのがきつい場合は、お腹の下にタオルケットや薄めのクッションを入れて、腰への負担を調整する
  • 楽にできる場合は、クッションなどは外す
  • 一晩中うつ伏せでいる必要はなく、時々姿勢を変えてよい

続けるかどうかの判断の目安も押さえておきましょう。

  • 足の痛みやしびれが減って、腰だけが少し痛む程度なら「良し」とする
  • 足の痛みやしびれが強くなる場合は、すぐに中止する

うつ伏せが逆効果になる人もいます。その場合は無理をせず、次の寝方に進んでください。

寝方その2 膝を立てた仰向け

うつ伏せは、腰を少し反らせる方向の姿勢をつくるものでした。膝を立てた仰向けは逆に、腰を反らせない(腰を丸くする)方向へ促す寝方です。

この姿勢をとることで神経への圧迫が開放される場合があり、症状が改善する人もいます。うつ伏せで効果がなかった、むしろ悪化したという人には、この姿勢が合う可能性があるでしょう。

コツは、膝の下にクッションや丸めた毛布などを入れて、膝を立てた(股関節を曲げた)姿勢を楽に維持できるようにすることです。この姿勢で足の痛みやしびれが少しでも軽くなるようなら、この寝方で寝てみてください。

寝方その3 股関節を曲げた横向き

3つ目は横向き(側臥位)です。腰痛の方でも「この姿勢が楽だ」と言う人が多い寝方です。

横向きになると、背骨(脊柱)が軽く側弯します。そのため、神経が圧迫されている部分によっては圧迫が減少し、神経症状が改善することがあります。

横向きを試すときのコツは次の2つです。

  • 必ず左右の両方を試して、楽になる(足の痛みやしびれが減る)向きを選ぶ
  • クッションなどを利用して、体を倒す角度を調整する(角度によって症状が変化することがあります)

枕の高さも合わせて調整してみる

寝方だけでなく、枕の有無や高さの違いが症状に影響を及ぼすこともあります。バスタオルを利用すれば枕の高さを手軽に変更できるので、こちらも高さを変えるなど実験してみてください。

なお、3つの寝方はすぐに答えが出ないことも多いです。時間(日数)をかけて、どの姿勢が良いかじっくり吟味していきましょう。試していく中で、自分に合った姿勢が見つかると思います。

坐骨神経痛に合う寝方は人によって違う

坐骨神経痛に「誰にでも効く寝方」はありません。最適な寝方は人によって違う、というのが答えです。

坐骨神経痛は、坐骨神経が何かに圧迫されることで起こります。圧迫するものは、椎間板、椎間板から飛び出した髄核、骨、筋肉などさまざまです。圧迫する物質によって症状が変わりますし、圧迫される部位(位置)によっても違ってきます。

そして、圧迫部位は寝るときの姿勢との関連が大きく、姿勢によって神経の圧迫具合が変わるため、症状も変わってきます。だからこそ、うつ伏せをすすめられても、それが自分にとって最適かどうかはわかりません。必ず自分で試して、自分に合っているかどうかを確認することがとても重要です。

坐骨神経痛の原因や対処の考え方を詳しく知りたい方は、坐骨神経痛の治し方の記事も参考にしてください。

坐骨神経痛で寝れない夜は寝返りしやすい環境づくりも大切

楽な寝方が見つかっても、一晩中その姿勢でいるわけにはいきません。人は多かれ少なかれ寝返りをするもので、動いていないように見えても必ず動いています。一晩で行う寝返りの回数には個人差があります。

寝返りが少ないと腰への負担が強くなり、腰痛の原因になると言われています。特に仰向けの場合、内臓などの重みがかかり続け、腰を動かさないため、腰が固まったままになりがちです。腰は動かさないと痛みを感じやすくなるので、適度な寝返りを打つことで腰への負担を軽減できると考えられます。

とはいえ、寝返りの回数を自分でコントロールすることは難しいものです。そこで、できるだけ寝返りを行いやすい環境をつくることがポイントになります。

寝返りしやすい環境づくりの参考例は、次の5つです。

  1. 固めの布団(マット)を使用する:柔らかい布団だと体が沈み込んで、寝返りしにくくなります
  2. 許される限り幅広の布団(マット)にする:特に幅が狭いベッドでは、ベッド柵によって寝返りが妨げられることがあります
  3. 重い掛け布団を使わない:布団の重さによって寝返りが妨げられます
  4. 子供の添い寝をできるだけ避ける:必要な場合もありますが、できるだけ自分の寝返りのためのスペースを確保しましょう
  5. 布団は壁から少し離して敷く:少し離すだけでも、寝返りの余裕ができることがあります

寝具の選択も坐骨神経痛の寝方と同じくらい重要

寝方とあわせて、寝具(マットや布団)の選択も重要な要素になります。

ただし、年齢や腰の状態は人それぞれ違うため、「この寝具が良い」と一概に断言はできません。前述のとおり、柔らかい寝具は体が沈み込んで寝返りしにくくなるため、合わない人もいます。

なお、子供は寝ている間によくゴロゴロと転がりますが、年を取るにしたがって寝返りは少なくなる傾向があるようです。だからこそ、大人ほど寝具や環境の工夫が大切になります。

いろいろな寝方を試すとともに、寝返りしやすい環境づくりや寝具の選択について考えていくと、改善の可能性は大きくなるでしょう。

寝方の工夫より受診が必要なサイン

次のような症状がある場合は、寝方の工夫で様子を見るのではなく、早めに医療機関(整形外科など)を受診してください。

  • 足のしびれや脱力(力の入りにくさ)が進行している
  • 排尿・排便の異常(出にくい、漏れるなど)がある
  • 夜間の痛みで眠れない日が続いている
  • 発熱を伴っている
  • 転倒などの外傷のあとから症状が出た

これらは、寝方の調整などのセルフケアだけでは対応できない状態が隠れている可能性のあるサインです。無理にセルフケアを続けず、専門家の診察を受けましょう。

坐骨神経痛の寝方に関するよくある質問

Q1. 坐骨神経痛のときは、うつ伏せと仰向けのどちらで寝るのが良いですか?

A. 人によって違います。この記事ではまずうつ伏せから試すことをおすすめしていますが、うつ伏せで足の痛みやしびれが強くなる人もいます。その場合は、膝を立てた仰向けや横向きを試して、症状が軽くなる姿勢を選んでください。

Q2. 横向きで寝るときのコツはありますか?

A. 必ず左右の両方を試して、足の痛みやしびれが減る向きを選ぶことです。また、クッションで体を倒す角度を調整すると、症状が変わることがあります。枕の高さもバスタオルなどで合わせて調整してみてください。

Q3. 寝方以外にできることはありますか?

A. 寝返りしやすい環境づくり(固めの布団・広めのスペース・軽い掛け布団など)が参考になります。また、日中のケアとしてストレッチを取り入れる方法もあります。具体的なやり方は坐骨神経痛のストレッチの記事を参考にしてください。

まとめ:自分に合った寝方を試しながら見つけよう

今回は、坐骨神経痛と寝方についてお伝えしました。ポイントを整理します。

  • 坐骨神経痛で寝れないときは「うつ伏せ」「膝を立てた仰向け」「股関節を曲げた横向き」の3つを試す
  • 足の痛みやしびれが減るかどうかを目安に、数日かけて自分に合う寝方を見つける
  • 最適な寝方は神経の圧迫部位などによって人それぞれ違うため、必ず自分で試して確認する
  • 寝返りしやすい環境づくり(固めで幅広の布団・軽い掛け布団・スペースの確保)や寝具の選択も大切
  • 足の脱力の進行や排尿・排便の異常などがあるときは、寝方の工夫より受診を優先する

坐骨神経痛と就寝には関連性がありますので、これを機会にぜひ試してみてください。症状や原因、対処法を幅広く知りたい方は坐骨神経痛のまとめ記事も参考になれば嬉しいです。


※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。症状が続く場合や不安がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

この記事を書いた人・編集した人
理学療法士 イワモト
執筆:理学療法士(PT)イワモト
1990年から救急病院で理学療法業務を開始。脳血管疾患・整形外科疾患のリハビリを中心に、特別養護老人ホームでの機能訓練指導員・介護業務も経験。臨床経験30年以上。
理学療法士 平林康平
編集・運営:理学療法士(PT)平林康平
2009年理学療法士免許取得、臨床経験17年以上。整形外科クリニック・老健・デイサービス・訪問リハ・障害福祉分野で勤務。腰痛・首痛・しびれなど痛みの治療が専門。マッケンジー法 Credentialed MDT(国際認定)。
mamotteの記事は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の国家資格を持つリハビリテーションの専門職のみが執筆・編集しています。臨床での経験に基づく内容ですが、治療法の感じ方には個人差があり「唯一正しい方法」は存在しません。一人の専門職の意見として、ご自身の体の反応を確かめながら参考にしてください。 ▶ 執筆者プロフィール・国家資格証はこちら
The following two tabs change content below.
mamotte運営者。理学療法士(2009年免許取得・臨床経験17年以上)、マッケンジー法 Credentialed MDT認定。整形外科クリニック・老健・デイサービス・訪問リハ・障害福祉分野で勤務し、腰痛・首痛・しびれなど痛みの治療を専門としています。mamotteの記事は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の国家資格者のみが執筆・編集しています。

スポンサードリンク



坐骨神経痛の寝方

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

mamotte運営者。理学療法士(2009年免許取得・臨床経験17年以上)、マッケンジー法 Credentialed MDT認定。整形外科クリニック・老健・デイサービス・訪問リハ・障害福祉分野で勤務し、腰痛・首痛・しびれなど痛みの治療を専門としています。mamotteの記事は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の国家資格者のみが執筆・編集しています。