※この記事はリハビリテーションの専門家である、理学療法士2名の思考と考えを交えて紹介しています。
内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
是非、宜しくお願いいたします。
こんにちは。
mamotteライターで理学療法士のイワモトと運営者で理学療法士の平林です。
「腰椎分離症(ようついぶんりしょう)」をあなたはご存知でしょうか。
これは、子供のころからの激しいスポーツやトレーニングによって起こることの多い骨折の一種です。
この腰椎分離症は10代に多い症状であり、腰の痛みを訴える傾向が多くあります。
では、骨折の一種ということで、腰椎分離症による腰の痛みを治す事はできるのでしょうか?
気になりませんか?
きっと、少しでもこのように疑問に感じるのではないでしょうか?
という事で、今回はこの【腰椎分離症(腰椎分離症)】について紹介したいと思います。
実際には、腰椎分離症の痛みは治る事もあります。
その事実を知って頂き、腰椎分離症の痛みから逃れて頂けたらなあと思います。
目次
1 腰椎分離症でもスポーツをしても問題ない

スポーツをしている方はここが一番気になるところでしょう。
ここは将来にかかわる大事なところです。
慎重に判断しましょう。
まず腰椎分離症の原因がスポーツであるという前提でお話ししていきます。
腰椎分離症は腰椎の骨折なのですが、疲労骨折といって、度重なる骨への強いストレスによって起こります。
通常一度の衝撃で起こる骨折ではありません(もちろん一度の衝撃で骨折が起こることもあります)。
針金を何度も曲げ伸ばししていると切れてしまいますよね。
これは金属疲労ですが、このような感じと似ています。
何度も、腰椎に負荷が加わってしまう行為を行う事で、徐々にひびが入り、最後には完全に折れてしまいます。
このひびが入り始めた時点で骨折に気づいて治療を開始すれば、骨がつながる可能性が高いです。
なので、
腰痛などの症状が出始めたときに腰椎のCTまで撮影できるかがポイントになってきます。
この段階で、単なる腰痛だなぁ・・・と思っていると危険性が高くなる事でしょう。
通常のレントゲンでは細かなひびは見つからないことが多いので、CT撮影がおススメにはなります。
もしここで見つかれば運が良いのですが、数か月(3か月目安)、骨がつながるまでスポーツは控えるのがいいでしょう。
ここで我慢しないと完全に折れてしまいます。
現実にはひびの入った状態で診断を受けることは少なく、完全に折れてしまってから発覚することが多いのが実状です。
折れてしまってからの時間が長くなると骨はつながらないことが多く、分離したままとなります。
このような場合、
腰痛などの症状が強くなければスポーツを行うことは可能だと思いますが、痛みが強かったり、腰椎が移動したりして(すべり症)神経症状が出ている場合などは中止する必要があります。
可能性としては分離症からすべり症へ移行することがあります(必ずなるわけではない)。
症状が少ない場合でも、将来のことを考えれば腰への負担が大きいハードなスポーツ(デッドリフトなど)は避けた方が良いでしょう。
もしも同じ(ハードな)スポーツを継続する場合は、症状に気をかけて、定期的に診察を受けるべきでしょう。
分離した椎骨の椎体が前方へ移動してきていないかなどを、時々医師にチェックしてもらいましょう。
また、ご自分で神経症状(下肢への広がるような痛みやしびれ、感覚障害、筋力低下など)が生じていないか、常に気を配っておくのも大切です。
こういった、流れから腰椎分離症になってしまうのです。
ですので、
若いころに腰が痛いと感じたら、すぐに検査をするのも有効と言えるでしょう。
また、スポーツをしても問題はありません。
完全にやめる必要はなく、筋力の強化や腰の柔軟性の向上、そのスポーツに適した体の使い方等を身に着けて、腰椎分離症の痛みを出させない体づくりを行っていくのがいいでしょう。
よって、腰椎分離症でもスポーツはOKというのが言えると思います。
参考にして欲しいと思います。
2 大人になって、発覚しても気にする必要はない

腰椎分離症は、大人になって発覚するケースもあります。
大人になるまで症状がなく、レントゲンを撮った時に分離症が見つかったような場合は特に気にする必要はないでしょう。
先天的に腰椎の分離を起こしやすい場合もまれにあるようです。
気づかない間に分離していたことも可能性としてはあります。
症状が出ていなければ、すぐに治療しなければいけないということはありません。
気にしないといけないのは、痛みが強い場合や分離症が起こっている腰椎が移動してすべり症を起こし、その結果神経症状が出ている場合です。
神経症状が出ている場合は治療する必要があります。
これには、注意しておくべきでしょう。
これより、
先天的という事で参考までにお伝えしたい点を紹介します。
腰椎は通常5個の椎骨(L1~L5)からなっていますが、6個ある場合もあります(10人に1~2人)。
医療(解剖学)では破格(はかく)などと呼ばれますが、奇形と違って異常ではなく正常の範囲として、捕えられています。
筋肉の数が違っていたり、神経の通る場所が違っていたりと様々な破格があります。
これは、個人差ととらえてよいでしょう。
第6腰椎と腰の障害の因果関係は証明されていないようです。
もともと仙骨になる部分が仙骨に癒合せず第6腰椎として分離しているなどの理由で、そもそも機能的にも大きく変わるものではなく、心配の要素にはならないでしょう。
これは、ちょっとした知識として、捕えて欲しいと思います。
3 腰痛ベルトやコルセットは使用するべきか?
では、腰痛ベルトやコルセットは使用するべきなのでしょうか?
これは状態によるのですが、骨がつながる可能性のある場合は、コルセット(硬性)などを使用して腰椎部分を固定することで骨癒合を正常に行えるようにします。
骨癒合途中で骨が動きすぎると、偽関節(完全な分離症)へ移行してしまいます。
骨癒合途中でないならば、必ずコルセットやベルトを装着する必要はありません。
しかし、
コルセットなどで腰部を固定し、また腹圧を高めることで動作時の腰痛が軽くなるという効果が感じられる場合は使用してもよいでしょう。
試してみる価値はあると思います。
コルセットは治療用装具として保険適用となります。
市販されているスポーツ用のベルト(ザムストなど)は市販専用で医療用ではないため保険適用外となります。
また、
これは別知識ではありますが、例えばザムストを製造している日本シグマックス(株)は医療用の装具を作っていますので、実質的にザムストと同様のもの(名称が違うだけなど)を病院で処方を受けることが可能とも言えるでしょう。
4 治療法は何があるのか?

特に症状が出ていなければ治療の必要がない場合が多いと思います。
しかし、
強い症状がある場合には治療が必要になります。
ここでは、その治療法について紹介していきます。
4‐1 リハビリ
まず保存的療法としてリハビリがあります。
リハビリとして、
- 筋力強化
- ストレッチ
- 治療体操
- 日常生活動作の改善
- 姿勢の改善
- 物理療法(温熱、電気など)
などがあります。
筋力強化ですが、腰椎を安定化させるために体幹筋の筋力強化を行います。
背筋を鍛える場合は脊柱が強く伸展(背中が反る)する方法は避けましょう。
腹ばいで両腕は万歳の姿勢を取り、対角線上の手足を上げる(最初に右手左足を上げる。
次に左手右足を上げる)程度の軽めの運動から始めましょう。
痛みがあれば中止します。
腹筋は腹圧を高めて脊柱を安定化します。
集中的に腹筋にアプローチするクランチ(股関節を90°曲げて行う腹筋)などがお勧めです。
また、
腰に負担をかけない動作を行うためにはスクワットの動作もありでしょう。
スクワット動作で筋力強化を行い大腿四頭筋、大殿筋などの下肢筋力を高めます。
ストレッチは柔軟性の低下しやすいハムストリングス(太ももの裏側の筋群)や股関節周囲を中心に行います。
日常生活上の動作では、体幹の前後屈を頻繁に繰り返さないように注意しましょう。
床のものを取るとき、上体は起こしたままで膝を曲げ、腰を落とすようにして取りましょう。
急激に体を捻ることもよくありませんので、骨盤から向きを変えるようにします。
リハビリではその他さまざまな訓練があります。
分離症は病院でリハビリを受けることができますので、利用するとよいでしょう。
専門知識を持った理学療法士が対応します。
リハビリ以外にマッサージなどの徒手的療法もよく利用されます(必要に応じてリハビリで実施する場合もあります)。
疼痛のある腰部の筋は異常な緊張を起こし、固くなってさらに症状を悪化させる場合があります。
マッサージを行うことで、筋の異常な緊張を改善し、正常な腰椎の動きを促し、疼痛の軽減を図ります。
4-2 手術 (固定術)
保存的治療を実施しても効果が少なく、疼痛が強い場合や坐骨神経の症状が顕著に出現している場合などは手術の適応になります。
腰椎の固定術が行われます。
分離した椎骨は不安定で前方に滑るなどして神経症状の原因となりますので、安定性を図るために自家骨移植し、ボルト・金具などで固定します。
状態によりますが、うまく固定できれば1年後(例です)などにボルトを抜くことが可能です。
骨折初期であれば修復術を行い、骨癒合をさせる方法もあります。
5 固定術の後、ボルトは抜かなくても良いのか?

腰椎の安定性、骨の状態、また医師の判断によって違ってきますので、抜く、抜かないを自由に決められるわけではありません。
もしも、
希望により抜くことができるという条件がつく手術であれば抜いてもよいでしょう。
基本的にボルトは医療用の、生体と反応しにくい材質(まれに反応する)で作られていますが生体にとっては異物です。
化膿する危険性(低いですが)、可動域の制限や違和感・疼痛の原因にもなる可能性があります。
ボルトを抜くことで痛みや違和感が減少する可能性はあります。
しかし、取り出すためには入院、手術が必要であり、再度切開して取り出すことは、感染の危険があるなどリスクを伴います。
リハビリも必要になるでしょう。
また、
金具で補強しておいた方が、腰椎が安定するというメリットもあります。
メリット、デメリット両方ありますので、医師から十分に説明を受けて慎重に判断しましょう。
6 まとめ
腰椎の分離症は多くの場合、スポーツなどで腰部に大きなストレスがかかることで起きます。
特に症状が出なければ様子を見ながらの生活で良いと思いますが、神経症状が生じた場合はすべり症に移行してしまっている可能性があります。
早めに診察を受けて治療を開始しましょう。
適切に管理すればスポーツをすべてあきらめる必要はありませんが、無理をしないように気を付けて行いましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆様のご健康をお祈りいたします。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:mamotte 運営者 理学療法士 平林

前の記事はこちら → すべり症の治療を4つ紹介しています。参考にどうぞ


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※ 編集を終えて:最後に ※
腰椎分離症と診断されると、不安になるし、どうすればいいの・・・?
と思ってしまうでしょう。
など。
怖くなることばかりかと思います。
確かに、これらの可能性もありますが、全ての人がスポーツができなくなる。
というわけではありません。
そもそも、分離症でも腰の痛みがなく、スポーツを行えたらいいのではないでしょうか?
あとは、悪化の危険性さえ防ぐことができれば、問題ないと思うのです。
なので、
腰椎分離症と診断されても、
という対処をしていけば、スポーツも可能だと思わけです。
なので、諦めずにこのような対応をして、スポーツを思う存分行って欲しいなと思います。