※この記事はリハビリテーションの専門家である、理学療法士2名の思考と考えを交えて紹介しています。
内容は絶対ではありませんが、国家資格を取得しており。
学んできた経験があります。
ですので、信憑性や信頼性は間違いない部分もあります。
しかし、個人的な意見や見解もあるので、解釈は人それぞれです。
共感する部分は、共感して頂き、納得できる内容は納得して頂けたら嬉しいです。
ですので、この記事の内容が絶対正しい。
とは思わずに、リハビリテーションの専門家の意見や見解である。
というように捉えてほしいと思います。
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
是非、宜しくお願いいたします。


こんにちわ。
運営者で理学療法士の平林です。
脊柱管狭窄症で困っていませんか?
- 長い距離を歩けない
- 太ももやふくらはぎ、足の裏がしびれる
- 足の裏側の感覚が鈍い・薄い
など。
このような症状を感じているのではないでしょうか。
脊柱管狭窄症という腰の痛み、足裏のしびれや感覚障害を主として症状があります。
これは、脊髄神経の通り道が狭くなってしまう事によって、生じる病状と言われています。
この脊柱管狭窄症は、神経症状が起きるのが特徴であり。
症状が改善しづらい。とも言われています。
しかし、実際はそうでもありません。
脊柱管狭窄症でも、痛みやしびれ、感覚障害など、改善する可能性も多いにあるのです。
その中で、脊柱管狭窄症の一つの疑問として。
運動をして大丈夫なの?
という悩みがあります。
答えは『大丈夫』になるのですが。
そこで、今回は、【脊柱管狭窄症は運動していいいのか?】というテーマ話していきたいと思います。
この記事を読めば、脊柱管狭窄症でも運動をするべきだ!
という事が理解できると思います。
そしてあなたの症状の改善に繋がると思います。
是非、熟読してほしいと思います。
それでは、本日もよろしくお願いいたします。
目次
1 脊柱管狭窄症に効果的な運動 ベスト5

脊柱管狭窄症については、今までに多くの研究がなされ、運動方法も考案されています。
すべて効果のあるものです。
しかし、
同じ病名がついていても、脊柱管狭窄症の原因や細かい状態は人それぞれ異なります。
体を右に曲げると症状が出る人、体を後ろに反らすと症状が強くなる人等症状は様々です。
従って、最終的には自分に合った運動を見つけ、症状を改善させることが必要となります。
脊柱管狭窄症という病気についての知識、解剖学の知識などを増やし、理解を深めることでより効果的な運動を発見することも可能となります。
今回、5つの方法をご紹介しますが、その考え方について理解していただき、ご自分に合うように調整していただければと思います。
それでは、宜しくお願いいたします。
1-1 姿勢を正す運動
立ったときの姿勢、座ったときの姿勢の中心部分を作るのは脊柱です。
脊柱の中には脊髄(馬尾神経含む)が通っていますので、脊柱の姿勢(形)によって内部の神経も影響を受けます。
脊柱の中の脊柱管が何らかの理由で狭くなっている場合(狭窄している場合)、脊柱の姿勢(曲がり具合など)によって神経が圧迫されることがあります。
従って「姿勢を正す運動」というのは、必ずしも理想的な姿勢にするという事ではありません。
すでに脊柱管狭窄症を発症していて脊柱の変形が生じている場合、理想的な(せすじを伸ばしたまっすぐな)姿勢が良いとは限らないのです。
ここでの姿勢を正すというのは、基本的、理想的な姿勢を理解した上で、ご自分のなかでもっとも、症状の出にくい姿勢をとるということで理解していただければと思います。

まず健康な時の理想的な脊柱の形は自然な彎曲を持っています。
腰椎(腰の部分)は前方に凸となります。
この姿勢を基本として、ご自分の楽な、症状の少ない姿勢を探りましょう。
横座りは脊柱が側弯するのでよくありません。
(例外的に、この座り方で症状が改善される場合は問題ありません)。
脊柱が側弯します。

良い姿勢のイメージ
1-2 体幹(腹筋)をつける運動
体幹筋の一つ、腹直筋が大切である。
体幹筋は体の中心部分を取り巻く筋群です。
おおまかに分けると腹筋と背筋になります。
これらの体幹筋は姿勢を保ったり、動作時に常に働いたりする重要な筋肉となります。
腹筋について、よく腹筋運動で鍛えるのは腹直筋ですが、その他にも腹斜筋(内・外)、腹横筋などがあります。
腹筋は起き上がりの時などに大切な筋で、弱くなると寝返りや起き上がりがしにくくなります。
また、
重い物を持ち上げるときに腹圧(お腹の中の圧力)を高める作用があります。
【腹筋の運動】
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無理する必要はありません。
できる範囲で10回程度を目標に行いましょう。


1-3 体幹(背筋)をつける運動
背筋の運動も行ってみましょう。
安全、簡単に行える腰上げからやってみましょう。
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20回程度を目標に行いましょう。
動作で痛みなどが生じる場合は中止してください。
応用編で、四つ這いの姿勢で対角線上の手足を上げる方法もあります。
交互に行います。
バランスが不安定でふらつく場合は、四つ這いではなく腹ばいで行うとよいでしょう。
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1-4 体の柔軟性をあげる運動
柔軟性が保たれていると、姿勢の改善効果があり、スムーズで余裕のある動作を行うことができます。
神経障害があると筋の柔軟性が損なわれることも多いので、柔軟性を意識した運動をすると良いでしょう。

①両膝を立てて、ゆっくりとひねるように両足を左右に倒します。
強い痛みが出ない範囲で行います。
まず、両膝を抱え込む運動です。
ゆっくりと背中の下側を伸ばす感じで行います。
ストレッチはゆっくりと時間をかけて行いますが、痛みなどの症状があるときはすぐに中止してください。

片膝を抱え込む運動も行ってみましょう。
反対側に倒すひねりの運動を加えても良いですが、無理のない程度で。
膝を伸ばして片方の足を上げる運動もおすすめの方法ですが、しびれが悪化する場合は中止してください。
症状が出ない程度で良いですので少しずつ上げてみましょう。
ふくらはぎも伸ばしてみましょう。
タオルなどを利用するとよいでしょう。
ゆっくりと時間をかけて伸ばしてください。

※ 無理はしないでください
1-5 下肢の血流を良くする運動
マッスルポンピングアクションという言葉がありますが、筋肉の収縮・弛緩がポンプの働きをするということを表します。
下肢の筋肉を活動させることで血流を良くすることができます。
下肢には大腿四頭筋など大きな筋群があり第二の心臓とも呼ばれています。
スクワット動作、椅子からの立ち上がり動作を行うとよいでしょう。
次にふくらはぎ(下腿三頭筋など)ですが、立位でかかとの上げ下ろしや、寝た姿勢でもできる足首の運動がお勧めです。
つま先をしっかりと上下に動かすのがポイントです。
2 脊柱管狭窄症の運動の目的

ここでは、脊柱管狭窄症の運動の目的を紹介したいと思います。
2-1 血流を改善して症状をやわらげる
脊柱管狭窄症は血流を改善することで、その症状を緩和することができます。
病院で処方される脊柱管狭窄症の薬は、血管を拡張させることで血流を改善させるものがあります。
血流を改善させることで多くの症例で改善がみられるようです。
動かずに、同じ姿勢でいると血流が悪くなります。
運動することで、血流の改善を望むことができます。
2-2 神経が圧迫されている部位の除圧
神経にとって悪い姿勢でいると、神経そのものや神経に栄養を送る血管が圧迫されて神経にダメージを与えてしまいます。
運動を行うことで姿勢を改善し神経への圧迫を改善します。
2-3 症状を発症させない為の体づくり
脊柱管狭窄症の根本的な原因は一つではありませんが、発症する前から対策を行っておくことで、発症のリスクを減らすことができると考えられます。
健康な状態では理想的な姿勢を意識して生活をします。
偏った姿勢(横座り)や長時間同じ姿勢が続かないように注意します。
適度な運動も大切です。
腰部に負担のかかる運動は避け、下肢の筋力を使う運動をします。
また、
体幹の筋力も重要ですので、腹筋や背筋が衰えないように維持をしておきましょう。
3 脊柱管狭窄症にトリガーポイントって効果あるの?

トリガーポイント、聞きなれない方もいらっしゃると思います。
ごく簡単に言うと、
「押すと痛いところ(コリコリと硬い部分・硬結:こうけつ)」
と考えてください。
親指などで押すと、痛かったり、押したところとは違う別の場所に痛みを生じたりします。
背骨が変形して脊柱管狭窄症を生じている場合など、このトリガーポイントを治療しても骨の変形が治るわけではありません。
トリガーポイント治療の効果は痛みなどの症状の改善です。
神経障害が起こると、このトリガーポイントを生じることがあります(姿勢が悪いなどその他の理由もたくさんあります)。
このトリガーポイントのために慢性疼痛を起こしている場合、これを治療することで症状が緩和されることがあります。
4 巷に流行している、治療法で良くなるのか?

脊柱管狭窄症の治療法は様々なものが考案されています。
- 「これだけ体操」
- 「朝30秒の正座」
- 「痛みナビ体操」
- 「脱力蹴り出し体操」
- 「骨盤カイロ」
それ以外にも多くの方法が紹介されています。
それぞれが効果のあるものだと考えられますが。
どれか一つの方法が、すべての人に同様に効果がある。
というわけではありません。
今回ご紹介した5つの要素を基本として、それ以外の治療法を試すとよいでしょう。
自分に合ったものが見つかれば幸運です。
最終的に自分に合ったものを取捨選択して、継続していきましょう。
5 実際に脊柱管狭窄症を克服した人の体験談

では、ここで実際のお話を紹介したいと思います。

Sさん 女性 60代
ある日、朝の日課の散歩の最中に初めて、ふとももの裏にしびれを感じたとの事。
それ以降、朝の散歩の度になんどかしびれを感じるようになっていた。
毎日ではないが、2,3日に一度くらいの頻度で散歩の最中に数回感じることがあったとの事。
腰の痛みは全くないのであるが、常に腰の重さは感じていた。
で、始めてしびれを感じた日から約4カ月後。
日課であった、散歩の途中にしびれが強くなって、歩くのも辛くなってしまった。
なんとか、引きずりながらも自宅に戻り、そのまま病院を受診する事にしたところ。
診断は脊柱管狭窄症であった。
確かにおかしいなぁと思っていたが、脊柱管狭窄症と診断されて、しびれの原因がはっきりしました。
それから、治療として、筋トレやストレッチといった、リハビリが始まり、少しづつ行う事で、症状は軽くなっていきました。
リハビリを始めてから6カ月で大体、しびれも気にならなくなりました。
今でも日課の散歩は続けていますが、前以上に、腰には気を使いながら生活するようになりました。
今では、足のしびれが気にならなくなって嬉しく思っています。

私が経験(担当)した例は多くありますが、克服したと言うのが正確かどうかはわかりませんが、手術によって歩行状態が改善し、日常生活ができるようになられた方は多くおられます。
ただし、
手術の決断が遅い例が多かったためか、しびれは残っているとおっしゃる方も少なくありませんでした。
私の父親の例をご紹介すると、脊柱管狭窄症で歩行障害を生じました。
杖の使用を勧めてしばらく使っていましたが、整形外科から脊柱管狭窄症の改善薬を処方していただき、最近は杖を使用せず、ある程度の距離は歩けるようになっています。
長時間無理をすると症状が強く出ることはありますが、無理をしなければ日常生活は大丈夫なようです。
保存的、薬物療法が効果のあった例と言えます。

※ 理学療法士 イワモトの考え・意見※
脊柱管狭窄症の手術を受けて成績の良いのは、発症してからの期間の短い場合が多いです。
初期から症状が強い場合は早めに決断をすると良いようです。
本人だけでなく家族(子など)も脊柱管狭窄症についての知識を深め、手術についてのアドバイスができるようになるとよいですね。
手術を(もう年だからという理由で)避ける方が多いという印象を受けます。
現代は80歳でも手術を受ける時代です。
もっと早く手術していれば…と感じることも少なくありません。
要介護状態にならないためにも早めの決断をお勧めします。
症状が軽ければ運動療法などのリハビリの効果があります。
症状が軽めの人は病院でのリハビリを一度試してみることをお勧めします。
6 まとめ
今回は脊柱管狭窄症の運動についてお伝えしました。
脊柱管狭窄症は適切な運動(姿勢の改善含む)により症状を改善させることができます。
できるだけ早期から対策をすると良いでしょう。
症状が進行したり、症状が強かったりする場合は手術の検討も積極的に行いましょう。
早期の手術で後遺症が少なくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆様のご健康をお祈りいたします。
執筆:mamotteライター 理学療法士 イワモト
追記・編集:運営者 理学療法士 平林
具体的な病態について知れる内容にしています。

※ 編集を終えて:最後に ※
脊柱管狭窄症と診断されると不安になりますよね。
というか、なにそれ?
って思いませんか。
我々、医療者であれば良く聞く診断ではありますが、まだまだ聞きなれない診断でしょう。
脊柱管狭窄症は適切な治療を行えば、症状の改善は可能です。
全ての人が治る。
というわけにはいきませんが、治せる可能性は高いと考えています。
今回、紹介した運動などは、参考にして、試して欲しいと思います。
実際に試しても効果を感じない場合ももちろんあります。
というのも、色々な原因が考えられるのです。
- そもそも、正確にできていない可能性がある
- 回数や負荷量が多いかもしれない、足りないかもしれない
- できているつもりになっている
など、このように改善しない可能性が考えられるのです。
つまり、一概に運動の効果がない。
とまだ言えないのです。
このように思ってほしいと思います。
ということで、脊柱管狭窄症を治す方法はまだある。
と考えてほしいと思います。
今回の話も少しでも参考になれば嬉しく思います。
本日も最後までありがとうございました。


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皆様こんにちは。
mamotteライター、理学療法士のイワモトです。
脊柱管狭窄症は症状が重度な場合は手術の必要性がある場合もありますが、全体の中ではそれほど多くはありません。
ほとんどが保存的療法で過ごされています。
効果的な運動療法をおこなって、症状を改善させ身体の機能を維持しましょう。